2月21日  水曜

 早起き、山田美保子 著
 『山田美保子の全お買い物』
 『ヘンだと思ってたけどやっぱりヘンだったあのヒトたち』
 読了。
 文庫は資料としても使えるな。
 書きっぱなしになりがちな、
 雑文を単行本にまとめる作業として、参考になった。

 14時、事務所にて文芸誌『リトルモア』取材。
 『お笑い男の星座』について。
 『リトルモア』は創刊号以来の登場である。
 中西さんらの質問に答えながら…。じっくりと。
 まるで自分が作家のようなことをのたまう。
 時々、自分で恥ずかしくなるのだが、
 言えばやらなきゃ、ならなくなるのだから、
 大いにホラも吹いておく。
 
 17時、TBS入り、『夜のエクスプレス』収録。
 放送作家、兼コメンテーターの山田美保子さん、
 そして華道の池坊家の宗主である、
 『エクスプレス』のコメンテーター池坊雅史 氏がゲスト。
 真夜中の一冊で、『プロレスLOVE論』を紹介。

 20時、赤坂の料亭『うさぎや』にて
 『プロレスLOVE 論』(東邦出版)の打ち上げ。
 ターザンさん、東邦出版の社長、編集者の佐瀬さん、恋塚さんらと。
 『プロレスLOVE論』も重版になるとのこと。
 これは思ってもみなかったことだ。
 『お笑い男の星座』の方は、積極的に宣伝活動しているのだが、
 こちらの方は、あまり俺たちが熱心にはやっていない。
 かと言って、中身に自信がないわけじゃあない。
 純粋に笑える〜という意味では、こちらの方かもしれない。
 社長、いけいけどんどん。
 「ターザンを素材にターザンの本をプロデュースするなら、
  誰よりも、面白く出来ますよ!」
 と言えば、
 「キッドさんの本なら破格の印税でも出しますよ!」と。
 小さな出版社でも、全然守りの姿勢でないところが、
 素晴らしい。

 四谷の「白木屋」、
 山田美保子さん、ダンカンさん、ブッチャーさんに合流。
 ブッチャーさんが主催する芝居。
 毎回ダンカンさんが、台本を書いている。
 次回作は、『ジャイアント馬場のフォークギター』(3/23〜25)
 そして、このチラシの版画を彫っているのが、ヤマグチノリカズくん。
 今どき、珍しい馬場原理派。



 猪木信者の俺にとっては、異教徒なのだが、実に良い味の絵である
 彼の作風など気に入った編集者の方、
 連絡先など教えるので雑誌などで使ってみて欲しい。

 ブッチャーさんと山田美保子さんの2ショットトークを聞き入る。
 ブッチャーさんの仕切り、人間力、芸人性に惚れ惚れ。
 絶対、この人、政治家になれる器だわ!




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2月22日  木曜

 13時半東京発のひかりで大阪へ。
 KTV「たかじん胸いっぱい」収録。
 ゲストは、黒沢年雄、立原啓裕、大東めぐみ

 100人に聞きましたドボンゲーム。
 たかじんさん、司会も回答者も兼任。
 しかも、ゲームは優勝。
 まさにワンマンゲーム。
 最後の自前で寿司代を払うゲームに柄にもなく慎重になってしまう。
 たかじんさんをひっくり返るほど笑わせるほどの、
 仕事を果たした実感が湧かないのが悔し。

 帰途、新幹線のFMサービスで、
 「テキストのいらない英会話」を聞きながら…。
 コーナー終わるたびに、とにかく、音楽が多すぎないか。

 週刊文春、近田春夫さんの連載「考えるヒット」の著者近況に。

 浅草キッド著の『お笑い男の星座』を面白く読んだという近田氏。
 「浅ヤン関係のことはみんなホントだよ(笑)」
 文体にも影響を受けてしまったとか

 丁度、俺と同世代のテレビマンと
 近田さんの話をメールでしたばかりだった。

 『エクスプレス』ネタ作り。


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 2月23日  金曜

 早朝、TBS入り
 『エクスプレス』生出演。 
 仮眠をとっていったら、体調優れず。
 徹夜の方が、いいみたいだ。
 ○ 反町・松島、入籍会見
 ○ 三田次男、公判で唐組入団テスト
 ○ サッチーライブ、 新庄の1週間、などにコメント。

 15時、千代田ビデオスタジオ入り
 『桃太郎伝説 ムック』取材。
 さくまさんのスタッフの福本くんの取材に、
 実に和やかに答える。
 
 17時、MXテレビ『Tokyo Boy』収録。
 石原都知事、テリーさん、
 井筒監督、松村くん、酒井若菜ちゃん等と。
 ○ 21世紀初頭の出来事を斬る
 ○ 子供の素朴な質問に答える
 両方とも司会。
 子供の疑問にボケで松村、赤江くん(玉袋)が、答えていたら、
 知事に「真面目にやれ!」と叱られる。
 皆、心のなかで、仕事なのに…とショボンとしている
 〜ところがオモロ。
 都知事に『お笑い男の星座』の帯びのお礼やっと言える。
 
 テレビ朝日の雪竹さんと明日の打合わせ。

   帰宅後「完売劇場」のビデオ。
 完売劇場は、毎週土曜日の深夜にやってる10分番組。
 「リングの魂」などのテレビ製作から、
 事業部に移った雪竹さんが、
 なんとか若手芸人に場を与えたいと、
 孤軍奮闘している番組。
 番組の性質上、テレビでは短いコントしか出来ないのだが、
 この番組メンバーで定期的にライブ公演を打っている。
 そのライブのビデオ版。
 2時間、久々にお笑い関係のビデオを見た。
 皆オモロ。



 ダンディー坂野、ツッパリ亭津田沼、ホームチーム、
 マキタスポーツ、ラーメンズ、らが出演。
 ツッパリ亭津田沼こと「劇団ひとり」川島くんの
 ストリップ小屋の前説芸人がお笑いライブに出てきたら…
 設定の一人コントがオモロ。


.
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 2月24日  土曜

 朝9時、六本木・テレ朝アーク放送センター入り、
 深夜番組『完売劇場』のビデオ収録。
 昨日生放送で使用したセットそのままで、
 「朝まで生テレビ』風、若手お笑い討論会。
 俺、総合司会の田原総一郎役。
 こういう設定の廻しは得意!得意!任せてくれ!って感じ。

 大体、芸人、皆で朝生コントをやっているようなものなのだが、
 そのなかでも、役ではなく、
 集団コントから離れ、自分自身でありつづける
 (実は、そういう態度に徹することは逆に難しくもあるのだが…)
 ラーメンズの小林賢太郎くん。
 なんとなく、デビュー当時の爆笑・太田や、
 かっての理屈ぽい自分を見ているような、
 それでいて、なにか先輩として教えてあげたいような、
 いやいや、ずっと、そのままでいてほしいような、
 不思議な気持ちがする。
 
 田畑アナと初めて一緒に仕事。
 14年前に、田中正志さんのホームパーティーで、
 ネタ披露して以来。個人的に感慨深い。
 興味ありそうにしていた丸川アナに献本。
 とても嬉しそうに喜んで頂いて、こちらも嬉しい。

 ハチミツ二郎、マキタスポーツを連れて。
 北野篤宅。おかみさんに御挨拶、
 篤くん、ピックアップ。

 15時、両国国技館へ。
 RINGS、KOK決勝トーナメント観戦。
 観衆、満員で前田信者として、一安心。
 スケジュールの都合上、準決勝までしか観られず。
 俺の前の席にいた「ゆらゆら帝国」のベースの亀川さんに挨拶。
 「ファンです」と申し上げたら、
 「本、買いました。サインを下さい」と逆に言われる。
 俺、帝国入り。
 
 18時半、お台場・フジテレビ入り。
 20時〜、BSフジ『お台場トレンド市場』3時間の生放送。
 元々、腰痛持ちで、3時間の生はしんどいのだが、
 どうも、両国の桟敷席疲れで、姿勢に困ってしょうがなかった。
 アーロンチェアー持ち込みたいくらい。
 YUKIKOさん、ケビン・クローンが、ゲスト投資家。

 23時、六本木で
 そのまんま東さんとケビン・クローンの面会セッティング。
 二人は、10年前は、お互い六本木でハチ合わせしていたそうだ。
 月日は流れる。
 今や、ケビンは『ここがヘンだよ日本人』の悪役外人、
 そして東さんは、さまざまな受難の後、今や、真面目な学生だ。
 ケビンの案内で、六本木。
 六本木を歩く機会など皆無の俺には、本当に、素朴な感想だが、
 外人天国ぶりには驚いた。
 その昔は、ブイブイ言わせていた東さんですら、
 「これは凄いことになってるな〜」なのだから、なおさらだろう。
 そりゃあ、オバラなんて野郎もいるわ、と思う。
 六本木〜渋谷へと、普段、俺など、まったく行く機会のない場所へ。
 合間に話。
 ケビンのオヤジが、昔、諜報部員であった話。
 作り話だと思っていたが、どうやら本当らしい。
 東さん、飲まれていたので、「もしも…」に備えて、
 酒を抜いて完全にボディー・ガードおよび付き人に徹する。
 
 帰途、三軒茶屋で、お寿司、御馳走になって、解散。

 東さん、新潮社から純文学を出版。
 そして、HPを開設した。

 帰宅、朝7時。
 KOKトーナメントの結果ビデオで。

 リングス 2月24日 両国国技館 観衆10260人

  ▽トーナメント5分2R
  ○金原 弘光 (KO)デイヴ・メネー●
  ●ヴォルク・ハン(判定)アントニオ・ロドリゴ・ノゲイラ○
  ●高阪 剛(判定)ランディー・クートゥアー ○
  ●山本 憲尚(腕ひしぎ逆十字固め)ヴァレンタイン・オーフレイム ○
  ▽スペシャルマッチ1R10分、2R5分
  ○アリスター・オーフレイム(裸絞め)ウラジミール・チャントゥーリア ●
 ▽トーナメント準決勝5分2R
  ○アントニオ・ロドリゴ・ノゲイラ(裸絞め) 金原 弘光●
  ○ヴァレンタイン・オーフレイム(ネックロック)ランディー・クートゥアー●
 ▽スペシャルマッチ1R10分、2R5分
  ●坂田 亘(判定)柳澤 龍志 ○
  ●田村 潔司(判定)レナート・ババル ○
 ▽トーナメント決勝
  ●ヴァレンタイン・オーフレイム(肩固め)アントニオ・ロドリゴ・ノゲイラ○

 

 アントニオ・ノゲイラの優勝。
 特別試合の田村を含めてRINGS日本勢は、総崩れなのだが、
 ノゲイラは、昨年、ドゥ・スポーツで一緒にサウナに入った仲だ。
 オレ的には、嬉しい。

 観戦記採録 (KANSENKI.NETより) は例によってメモ8さん。
 俺と同じ時間に、同じ興行を観て、
 これだけの観戦眼があり、愛情溢れるものはない。
 




. 
2月25日  日曜

 ビデオデー。
 KOKトーナメント。WOWOWビデオで再見。
 朝まで生テレビ「テレビ規制」問題。
 テリーさんと田原総一郎が揉めだすところオモロ。
 原稿書き。
 3/4高田笑学校用に「笑点2001」ネタ作り。




 2月26日  月曜

 たっぷり睡眠。
 実に久々に、8時間は眠ったのではないか。
 「スネーク・ピット・ジャパン(蛇の穴)」へ。
 タイ式縄跳び5Rが軽く。

 パチンコをしていた江頭2:50を拾い、
 大久保『高麗』で韓国料理。
 本当に久々なのでお互い近況報告。
 江頭の話を書きたい〜とずっと思っているのだが…。
 なんとなくテーマが見えてきた。
 二人で馬鹿になってフラフラ。

 江頭2:50宅、
 たまたま置いてあった『友達』高須光聖著、読了。

 早朝、一人で『マタハリ』ペナン式焼きそば。
 SFX話。




 2月27日  火曜

 高円寺文庫センター。
 「お笑い男の星座は、102冊売れました!」と報告される。
 残りの本をサイン本にしておく。

 18時、銀座みゆき座『グリーン・デスティニー』(映画瓦版
 今回のアカデミー賞に10部門ノミネート、
 最強外国語映画の評判にアンコール上映中。
 見逃してはならないと、足を運ぶ。
 チャン・ツィイー、かわいい顔して、
 信じられないほど、飛びます!飛びます!
 武侠映画と言う様式があるので、
 日本人としては??? と思うシーンもあるが、
 いやはや、宮崎駿アニメの浮遊感を実写で体験してるよう。
 『グラディエーター』より断然、こっちでしょう。

 銀座から、紀尾井町まで一時間歩く。
 「文藝春秋」社へ。
 愛読者カードに目を通す。
 
 明治大学の講演会で、愛読者カードをくれた人には、
 返事を書くと宣言していたのだが、
 約束を果たせぬままになっていた。
 仲田舞衣さん、白川有香さん、渡部祐樹さん、荒井啓詞さん、
 斉藤俊彦さん、小山賢二さん、成瀬雅俊さん、
 林 鐘平さん、斉藤 拓さん。
 ここを読むかどうかはわからぬが、君たちのカードはちゃんと読んだ。
 ありがとう。

 SMスナイパーに載った書評を見せてもらう。

 タレント本てなあ、古より人気に寄りかかって
 愚にもつかない無内容な作文か、
 趣味が高じての、マニアックな世界を展開した
 得体の知れぬシロモノだったりと、いずれにしろ
 そのタレント以外の輩にゃ無縁なモン多し、が定説。

 だけど、中にゃあモノ書き専従者よりも
 筆が立つキレモノがいたりするモンス。
 とりわけ、お笑い芸人にゃその傾向、大じゃないすかねぇ。 
 ま、考えてみりゃ、コント、漫談の構成を自ら手掛ける芸人なら、
 人様を引き込む文章なんざ、お手の物のハズじゃん。
 それかあんまし、な現状ってなぁ、
 マジ実力ある芸人が些少であることの証左じゃん。
 なんだかなぁ。

 で、浅草キッドは、
 しゃべくりも文章もイケるレアな芸人の代表選手。
 敬愛する梶原一騎ヘのオマージュである
 『お笑い男の星座』は芸能界、格闘技界の人知れぬウラ話、
 ユーモアを師匠ゆずりの毒ッ気ある文体で楽しませてくれる一冊。
 原田久仁信のイラスト、石原慎太郎のチアーにバックアップされた、
 お笑い+男気の見事なまでのアマルガム。

 新宿駅で、ターザン山本と遭遇。
 普段、電車を利用しない俺だけに、偶然すぎる。
 しかも、あれだけ歩いたのも、
 まるでこの人に吸い寄せられるためのようだ。

 「マタハリ」で深夜食事。
 ビル・ロビンソン先生、ゾマホン、
 森本レオさんと次々に電話で呼びだしたら、
 全員偶然にも集まった。



 ロビンソンとゾマホンの異業種、異人種、会話興味深く聞き耳。



 酔ったロビンソン先生は、ちょっとだけ愚痴っぽく、
 日本語が出来ないことが寂しそうだ。
 タヒチ島帰りのレオさん相変わらずの1/Fゆらぎ、ゆらゆらトーク。
 この人は、ゆらゆら帝国の帝王だ。


 2月28日  水曜

 英会話トークデー。

 17時、赤坂TBS「『夜のエクスプレス』収録。
 ゲスト、雑誌パトロールコーナーの怪人、
 加藤将希と田島絵里香、宮田めぐみ、占い師の彩生安紗。

 加藤さん、初対面ながら俺は活字上、彼の経歴など知っている。
 元・フジテレビの「ディベート」チャンピオン。
 しかし、本番は突っ込み倒しで、失礼極まりない扱いに徹する。
 知らない人にこれだけ、誹謗中傷されたら相手も嫌であろうに。
 が、お互い「知ってますよ」目光線があるので、どうにでもなる。
 終わって「どうも」と挨拶。

 沖縄料理『カジュマル』でお食事。
 熊谷さんと「俺にとって博士に於けるたけしさんみたいな人」
 と言う、沖縄の陶芸家、マジルさんを紹介される。
 豆腐チャンプルなどつまみながら…。
 沖縄のネイティブな人には、
 日本人離れした何かに帰属意識が低い、
 不思議な人間力の持ち主が多いが、
 経歴も、話も抜群で、魅入られる、
 まるで導師と喋っているよう。

 帰宅後、シコシコと漫才台本書き。
 4日の舞台が終わるまでは、
 ああでもない、こうでもないの
 このささやかなプレッシャー、解放されない。

 北尾トロさんのWEBに書評ありとメールで目撃情報。
 
こういう風に目利きのプロの書評家に褒めれれると嬉しいものだ。

 

 ★北尾トロの腰抜け読書アワー#1

 読んでも人生の役には立たないかもしれんが、
 どっこい得難きコクがある。
 そんなヒマつぶしにうってつけな本を愛する
 腰抜け読書人・北尾がオススメするこのコラム。
 
 一発目は『お笑い 男の星座』である。

 アントニオ猪木に始まり故・宮路社長、たけし、洋七、岸部シロー、
 前田日明、ターザン山本、水野晴郎、ガッツ石松などなど、
 登場する面々の濃さはどうだ。
 このラインナップを見るだけで、
 何か「イケル!」と思わせてくれるではないか。
 濃さという点で、“昭和の一等星”と呼ぶにふさわしかった
 梶原一騎に本書が捧げられているところにも注目だ。

 私は書店でひとめ見るなり吸い寄せられ、迷わず購入。
 帰宅途中の電車内で読み始め、止まらなくなって乗り過ごし、
 ついでだから降りて喫茶店に入り、夢中で読破してしまった。
 所要時間は約2時間。
 さらに、家に帰って寝る前に読み返し、確信した。
 「これは名著だ」

 期待を裏切らない内容なんだよね。
 というより、読者の期待指数などおかまいなしのガチンコ勝負。
 なにしろ相手が相手だけに、
 限界まで書かなければハジキ返されてしまう。
 そんなテンションの高さが、笑いのコロモで包まれていても
 十分すぎるほど伝わってくる。
 これまで浅草キッドの著作に漂っていた
 お手軽感(それも好きなんだが)など、ここにはない。

 たとえば元・週刊プロレス編集長、ターザン山本の章である。
 ジャイアント馬場の悲報を受け、浅草キッドは漫才師として、
 それを舞台で表現するのだが、
 馬場に心酔するターザンは気に入らず、殴り込んでくる。
 だが、ビビリながらもその人間の壊れっぷりを芸人・浅草キッドは
 <久々に絡みがいのある相手が現れた>と思ってしまう。

 以後、自分たちの番組やイベントに
 ゲストとして呼んでは抗争を繰り広げ、
 そのたびにターザンはフルチンになって大暴れ。
 まさに思い通りの展開になるのだが、しかし浅草キッドは徐々に
 老醜をさらすターザンに強烈なシンパシーを抱いてゆく。
 その過程を、ボロボロなターザンの私生活まで包み隠さず書くことは、
 男としての尊敬の現れなのだ。

 あるいは水野晴郎のホモ疑惑追及に端を発する
 ガッツ石松とのひと悶着。テレビで水野晴郎が
 ガッツ石松監督・主演作品『カンバック』について、
 ボクシングシーンに迫力がないと発言したからさあ大変。
 ガッツ・サイドはカンカンに腹を立てる。
 トンデモ映画の誉れ高き『シベリア超特急』水野vs倉本聡の脚本を
 自ら全面書き直ししたとの伝説を持つ『カンバック』。
 ガッツの“男の星座”的大物対決。
 浅草キッドによる容赦のない両者のバックグラウンド解説により、
 無意味なほどの緊張感で展開されている。

 これも笑いが止まらないほどおかしいのだが、
 描かれているのは男の意地の張り合いである。
 ごまかさず、飾らず、
 オノレの美学や信念のみを前面に押し出すことで、
 いやがうえにもギラギラした勝負の山場ができあがってゆく。

 強烈なキャラといい、反則スレスレの攻撃といい、
 この本は文章による格闘技、それもプロレスに近い。
 浅草キッドはいちおうレフェリー役なんだけど、
 ちょっと油断すると
 見境なく殴りかかってくるような相手ばかりを選び抜く、
 プロモーターとしての嗅覚がすごいと思う。

 基準となるのは
 「パンツを脱ぎ捨てて人生を闘っているか」であり、
 それを満たす者たちが彼らにとっての“星”となるのである。

 うれしいことに『お笑い 男の星座』、売れてるみたいだ。
 知り合いの書店で聞いたら、買うのはほとんど男らしい。
 ここまで男の生きざまにこだわった本はめずらしく、
 それがヤワなハートを持った自分にいらいらしている
 平成の若き野郎どもをグッと惹きつけるんだろう。
 笑って読み終えたあとで「オレもいつかは……」なんて、
 小さくコブシを握りしめたりして。


 
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