2月1日  木曜

 酒抜けたら、早起き6時起床。
 東スポ原稿。
 ネット日記更新など。

 9時半、渋谷ビデオスタジオ。
 チャンネル北野2本収録。
 便秘の話、失恋の話。

 マキタスポーツ、この後、
 放送作家の倉本ミツルさんのスカパー番組出演とのこと。

 12時、楽屋で「ダ・カーポ」取材。
 『お笑い男の星座』について。
 書評担当記者、山田さん、
 フリーライター、丸目さんによるインタビュー。
 お二人とも本を読み込んでいて、
 念入りな下準備で取材してくれてるので
 答えがいがある。
 「人称・視点が定まらないのが気になる」とのこと。
 確かに、これは推敲段階で何度も暗礁に乗り上げた。
 そして何パターンの選択肢のなかから、
 共著として、このスタイルを採ってることを、
 お話しした。
 言い訳がましいことだが、こういうメーキングを
 聞かれることも、答えることも、
 (俺だって興味がある作品には、聞きたくなるので)
 嫌いではない。
 連載も頼まれたが、
 「ダ・カーポ」は字数が少なすぎるのが根本的問題なのだ。

 NHKで早川さんに「プロジェクトX」のビデオ借りる。
 「悪から金を取り戻せ〜豊田商事事件・中坊公平チームの闘い」
 殿にも「見たか?」と言われた程の名ドキュメンタリー。
 再放送も見逃していたので、ようやく見ることが出来た。

 豊田商事の事件は、個人的にも想いで深い。
 俺が、オーダーワイシャツのセールスマンのバイトを
 していたころ、
 豊田商事の社員のワイシャツを何度も採寸した。
 口の上手かった俺は、何度も直接入社を誘われたものだ。
 俺は、大学もとっくに通うこともやめモラトリアムが続き、
 当時、根無し草で、当てのない生き方をしていた。
 だから、そういう進路もありえた。
 しかし、当時「噂真」を読んでいたので、
 豊田商事の胡散臭さを知っていた。
 もし、読んでいなかったら、たぶんやっていただろう。
 なにしろ、「説明会に来るだけで、2万円くれる」って話だった。

 事件の概要はともかく、
 被害者が老後を送る、爺さん、婆さん。
 彼らは、世間から「欲ボケ」と罵られ、
 二重の意味でも被害者であった。
 当然、泣き寝入りで終わるような事態にも関わらず、
 あらゆる、万難を排して「正義」の遂行のため、
 1200億もの消えた、被害額を取り返す物語。
 結果的に120億もの回収を果たしたが、
 爺婆に、説明するときに
 「たった十分の一しか回収出来なかった」と涙を流す中坊氏の姿。
 深い味わい‥‥。

 中坊氏は、その後、「正義の人」として、
 国民的なヒーローとなった。
 それでも、今や、その中坊氏が、
 整理回収機構(RCC)で、
 債権回収に「不適切な行為」があったと、
 告発されている。
 真偽は俺にはわからない。
 正義は何かもわからない。

 持ち上げられた人は、また落とされる。
 世の中、落とし穴だらけだ。
 しかし、しょせん、善人ってのはいないんだ、
 こんなものさと思うのは実に忍びない。

 こういう物語があったことだけでも良いではないか。
 

 中野『サロン・ド・ビカ』で散髪。
 ウトウトしながら。

 「青葉」で特製ラーメン。

 仮眠後、『エクスプレス』ネタ。




 
2月2日  金曜

 早朝6時半、TBS入り。
 『エクスプレス』生出演
 ○ 周富輝、所得隠し。 
 ○ 野村沙知代の呪い。椎名林檎、妊娠。 
 ○ 癒し系?ミュージシャン・葉加瀬太郎  などにコメント。
 

 そのまま、秋葉原の「カナケイ警備」、ホイッスル渡辺さんのところへ。
 「キムチが漬かったから取りにおいで」と。
 旅館の朝食かと思うような、親切なおもてなしを受けながら、
 渡辺さん出演の『特ダネ!』ビデオ観賞。
 「雷オヤジ」特集。
 番組の中で、渡辺さんは、平成のコラ・オジサンと化し、
 道行くマナー知らずの若者を怒鳴りつける。
 俺は渡辺さんのキャラを知りつくしているだけに、
 普段からこのままの人なのだが‥。

 スタジオに戻ると、司会者は、
 「これは、テレビカメラの前でやっていることでしょう」と、
 実に水を差すことを言う。
 それを見ながら渡辺さんも
 「なんでこんなこと言われなきゃいけないんだ」と一怒り。
 それはそうだろう。
 例え、仮にやらせ(事実はそうではない)だとしても、
 番組側の要請で善意でやっている、シロートに対して‥。
 しかも、そんなことは、会議の時に言えばいいことだ。
 ちょっと驚くほど、傲慢だ。

 差し歯抜ける。
 なぜか急患扱いで渡辺さんの馴染みの歯医者へ連れてってもらう。

 仮眠。 
 23時、新高円寺、
 熊谷さんの行きつけの
 沖縄料理「カジュマル」にて、
 上智大学で、22時半まで受講後の
 ゾマホンと会食。



 とにかくゾマホン、
 スーパーインテリで抜群に面白かった。
 前に番組でガッツさんに、
 「モハメッド・アリに似ている」
 って言われていたことを思いだして、
   
 「知ってるの?」
  と問うたら、
 「モハメッド・アリと、ルーサー・キングと、
  ボブ・マーリーと、マルコムXは、
  アフリカの人は、ボクのお母さんでも、
  誰でも知ってる!」と。



 しかし、ゾマホンは、
 アリのように怒濤に喋り、
 キング牧師のように慈悲深く、
 ボブ・マーリーのように自由を訴え、
 マルコムXのように、革新的に語った。

 北京語と、
 フランス語とベナン語と、
 日本語を交えて、
 まるで、タモリのように、
 エディー・マーフィーのように。

 なんだから、俺たちだけが聞いているのでは、
 モッタイナイ程の、大笑いの
 崇高な演説ぶりだった。

 そして、まるで「BROTHER」のオマー・エプスのようにカッコ良かった。



 定番の沖縄料理も美味かったが、
 初めて食べた中身汁、スミイカ汁も美味。



 2月3日  土曜

 昼、「スネーク・ピット・ジャパン(蛇の穴)」へ。
 見学者を待たせてコンディショニング。
 スズキ(同居人)とグローブをつけてスパーリングごっこ。

 大塚美容歯科へ。

 ビックカメラで、ZAURUS 購入。
 これで、メールチェックがどこでも簡単になる。
 と思って、頻繁にやるのだが、
 土、日は、メールが明らかに少ない。
 宝の持ち腐れではないか。

 THE HIGE LOWSの「flip flop」聞きながら…。
 18時、お台場・フジテレビ入り。
 先週、音楽情報で、ハイロウズのスタジオメンバーに
 守時くんが加わったことを聞いた。
 ヒロトと同じく彼もまた、中学時代の同級生なのである。

 20時、BSフジ『お台場トレンド市場』3時間の生放送。
 明和電気の新商品、「ビット・マン」はとんでもない、
 大ヒットを飛ばすような予感すらするのだ。
 作家の関秀行さん。
 相変らず、なんでもよく知ってる。

 『Free & Easy3月号』には、
 猪木さまのありがたいお言葉もあるのだが、
 見城さんの語りおろしのエッセーに、
 へーっと唸る。
 文学青年のような青臭さに、赤面しながらも、
 堂々たる自殺宣言に、おいおいと思いながらも、
 こういうことを言える人が経営者になるのだ、と思いつつ、
 なぜだか、ふーむとフックがかかるのだ。

 『Free&Easy』 vol.4 no.29

 「勝者には何もやるな」一一見城 徹

 全8巻の『ヘミングウェイ全集』を若い頃に買って、
 繰り返し読み漁っていましたよ。
 いまでも俺が座右の銘しているのは、その『ヘミングウェイ全集』の
 第1巻に収まっている小説のタイトルで、
 「勝者には何もやるな」という言葉。
 その小説の始まりにこんなエピグラフが載っているんですよ。
 「他のあらゆる争いや戦いと違って、前提条件となるのは、
  勝者には何も与えぬこと一一そのものにくつろぎもよろこびも、
  まだ栄光の思いも与えず、さらに、断然たる勝利を収めた場合も、
  勝者の内面にいかなる報償をも存在せしめないこと一一である。」
 (三笠書房刊『ヘミングウェイ全集一第1巻一』より。谷口睦男 訳)

 それは、これからがんばって生きていこうとする
 若い自分に対して、非常に激烈なメッセージでした。
 いまでも僕は、「勝者には何もやるな」という言葉を
 デスクの蛍光灯の上に書いて貼っていて、
 自宅の書斎の机にはこのエピグラフの言葉も貼って、
 ことあるごとに読み返しているんです。
 ヘミングウェイが「勝者には何もやるな」と言ったときに、
 それは、単なる勝ち負けの話じゃなくて、自分があらゆるバーを越え、
 あらゆる努力をして何かを勝ちとったときには別にもう何もいらない、
 という意味になる。
 ホント、いまでもこの言葉は力になりますよ。中略

 ヘミングウェイに刺激されて、体がきちっとしてなければ、
 意志もきちっとしないということを常に思っていたんだね。
 トレーニングしているときに、
 いつも自分の中で呟いていたのがここでも「勝者には何もやるな」。
 体をビルドアップするということは、
 速いピッチャーがくればどんなバッターでも三振するのと違って、
 自分が若しんだら苦しんだだけ MAKE A FRUITSできるんです。

 必ず結果が出るわけ。
 苦しめば苦しむだけ筋肉はちゃんと発達する。
 そんなはっきりとした結果が出るものってないよ。
 それは誰のためでもない。
 際限のないものでもあるんだけど、
 あの10年間というのは、
 体を作り続けない限り俺はもっと前へもっと前へと闘っていけない、
 そんな意識がありましたね。
 「勝者には何もやるな」と言い続けるためにも、
 やる以外なかったんですよ。

 トレーニングが終わり、シャドーボクシングしながら
 これで俺はまた闘えると思う気持ちのよさ、
 「勝者には何もやるな」と呟いたときの充実感というのは、
 何ものにも代え難いと感じられた。
 だって、それをやらなければ、もう気が狂いそうになるんだから。
 猛烈にたるみきった気がして、精神も肉体も、
 まずその3時間をきっちり決める。
 で、残りの時間を仕事や女に振り分ける、そんな毎日だった。

 でもね、俺はその10年間がもっとも激しく仕事ができた、
 精神のスイングも大きかった。
 あの10年間の余韻で今生きているようなものですよ(笑)。中略
 生きるっていうのは、
 俺にとっては空しくて切なくて、とても辛いことで、
 いつも怯えが伴うというか…。

 それを誤魔化すために人は恋愛をしたり、
 家族がいたりするんだろうけど、
 結局はひとりで死んでいくしかないわけで、
 俺の場合、そういった怯えを誤魔化して、
 生きていく上での最良の糧になるのは「勝者には何もやるな」。
 この言葉を繰り返すことに尽きるんですよ。
 仕事だって空しさを埋めるものにはなり得ないよね。
 どんなにうまくいこうと、どんなに闘っていようと、空しいよね。
 ヘミングウェイもずっとそうだったと思う。中略

 結局、俺は自殺すると恩う、
 いつなのかは分からないけれども、自殺すると思いますよ。
 だからヘミングウェイが自殺した時の気持ちってすごく知りたいよね。
 

.

 2月4日  日曜
 
 6時半、起床。羽田空港へ。
 7:55羽田発のJALで函館へ。
 機内の日光寄席では、我々の漫才「想いでラーメン」が。
 自分の漫才とニアミスするとは思わなかった。
 気がつけば、映画『ファーゴ』のような雪景色。
 
 HBCラジオのイベント「大沼雪と氷の祭典」
 北海道らしい、食事を期待していた俺たちではあるが、
 楽屋に出されたのは、コロッケ定食。

 舞台の上で糾弾。
 氷点下のなか40分の漫才。
 久々の「サザエさん」など、
 凍てつく寒さでありながらホットに受ける。
 
 帰り際、主催者からたらばカニをお土産にもらった。

 空港で、カニ、ロイズのチョコなど、倉敷へ。

 18時、羽田着。
 疲れてはいるのだが、文藝春秋へ直行。
 三刷りには、間に合わないのだが、
 四刷りのために、目崎さんと校正、直し。
 百ヶ所以上もある。
 さすがに「これは編集者として、恥ずかしい」って話になるのだが、
 これは、入稿の方法に問題があったのだ。
 個人の責任問題ではない。
 朝までかかるかと思ったが、意外にも早く終わる。
 今までモヤモヤとしていた、つかえが落ちる。

 小林よしのり『新ゴーマニズム宣言』9巻。
 読むのに、2時間半たっぷりかかる。
 これで、定価千円は、エンターテイメントとして優れてる。

 TBSラジオ『北野誠の世紀の雑談』テープで。
 みうらじゅんさんの「青春ノイローゼ」ぶりに笑う。
 特に、家に友達を連れてきて、帰らせず、
 泊まらせ、添い寝しながら、嫁に対して、
 『「男同士やがな!」いとこい先生のように、言うのが好きなんや』
 ってところ、吹きだす。


.

 2月5日  月曜

 日刊スポーツ、
 高田先生が書いて下さる。
 
 高田文夫の娯楽極楽お道楽 第129回

 このところ面白い本が次々と刊行され送られてくるので、
 おちおちと眠ってもいられないから一日8時間しか
 熟睡できない‥‥って、そりゃ寝過ぎだっつーの。
 「ダンカンが行く!」。「激安バスツアー最前線」だの
 「男性エステでモテモテくん」だの、ただひたすらバカな旅日記。
 同行記者のお間抜けぶりを生き生き描写。字で読む漫才の趣。
 ダンカンは見事に日本で数少ない上質のユーモア作家となった。
 拍手は‥‥なし。
 兄弟分の浅草キッドも骨のある文体。
 腰の据わった内容で「男の星座」。芸能界大河小説。
 早くも増刷とのうわさ。軍団は××ポも立つが筆も立つ。
 頼もしいかぎり。「文夫」と「武」イズムを受け継ぎ、
 その名の通り「文武両道」な男たち(松尾伴内だけは別だ)。

 千代田ビデオスタジオ入り、
 ホットドッグプレス取材。
 「500号記念カッコイイ男たちの変遷」

 MXテレビ『Tokyo Boy』三本収録。
 テリーさん、井筒監督、山東昭子さん、大原かおり、
 松村がお休み。

 スイス、ダボス会議帰りの都知事。
 個人的に興味があることもあるので、
 話しかけてみたい気持ちはあるのだが、
 今日も、本番以外は、遠くに眺める。
 ○ 眠らない街〜東京、ドンキホーテ。
 ○ 善良都民を探せ
 ○ 築地市場再建計画。
 
 監督、大原に献本。

 時間をかけて、回り道をして「サイキック」などのテープ聞く。
 帰宅後、ZAURUS。
 メール依存症が、ぶりかえす。
.

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