7月1日  日曜

 あまりの暑さに目覚める。
 眠ってられない。
 「近代が素晴らしい理由を一言で言えばエアコンがある」
 とは、その通りだと思うが、
 そのエアコンが壊れた。

 今日も〆切に追われる。
 何の雑誌の何時の〆切か、わからなくなってきている。
 『日経エンタテインメント!』に、
 いかりや長介の「だめだこりゃ」と
 長嶋一茂の「三流」の書評。早目に提出。

 スズキ(同居人)に頼んで、本日開催の
 「タイタンファイト」のインターネットライブで見る。
 アマチュア大会ではあるが、
 子へび倶楽部(スネークピット・ジャパン)所属の選手が出場。
 残念ながら、敗北。 他人事ながら無念。
 ああ、あんなに練習していたのに…。

 スズキと共に、バーゲンへ。
 最近の季節の変わり目、恒例行事になってる。
 以前は自分に課した、義務だったのが、
 最近は興奮になってきた。しかも、明らかに必要の無いものまでも。
 中村うさぎ的衝動。

 新宿「なか卯」で親子丼。

 帰宅後も原稿、資料整理を延々と。
 モニター前に釘付け。
 こういう作業が、好きな人には苦にならないだろうが、
 俺には、 モニターを見続けるのは実に退屈。
 刺激が足らない。
 職業を間違えたと思う。
 あまりのつまらなさに、メールチェック頻繁に。
 そして時間も無いのに、さまざまなメールを書く。
 こういう時間、
 なんで俺はこんなに懐古的でセンチメンタルなのだ。

 TBSの24時間テレビ、ファイトTVでは、
 WBA世界ライト級チャンピオン、畑山が敗れる。
 壮大な前フリ、なんのための24時間なのか。
 残酷。

 が、海の向こう、タイ国では、
 「スネークピット・ジャパン(蛇の穴)」所属の、
 望月竜介選手が、 ラジャダムナンスタジアムで、
 日本人初のデビュー戦をKOで飾ったとのこと。

 望月選手は、俺が初めてスネークピット・ジャパンへ行った、
 その日から、ずっと俺の目の前にいた。
 俺が行く日には、例外なく必ず居る。
 俺が毎日通っているわけではない。
 それほど、彼が毎日ジムに来ていたということだ。
 そして、傍目に見ていても、その恵まれた素質や成長が、
 手にとるようにわかる選手であった。

 やがて、ラビット関選手、新田明臣選手、内田康弘選手など、
 キックの世界チャンピオンクラスが調整する昼間の大江慎教室に、
 デビュー前の新人なのに入った。
 仕事をやめてアマチュアからプロへ転向する決意を固め、
 来る日も来る日も練習する姿を、俺は俺で
 淡々と定点観測のように 1年間に渡って見てきた選手だけに、
 とても思い入れも、感慨深い。そしてとても嬉しい。
 心よりスターになってもらいたい。

 前田日明社長に、「プロジェクトX」のビデオ送る。




 7月2日  月曜

 13時半、天王洲入り。
 TX 『火の玉スポーツ列伝』ST収録。
 一本目、
 熱弁サミット「セ・リーグオールスター選抜サミット」
 出川くん、高田文夫先生、デーブ・スペクター。
 ターザン山本、飯星景子、関秀章、

 高田先生初出演。楽屋に御挨拶。
 高田笑学校に出演するXの調整ぶりを聞く。     
 
 クイズ激突バカ一代。
 「猪木王」、浅草キッド対決。
 なんと2本分けてのオン・エアーになる。
 それでも、猪木様知識の、雑談うんちく無駄話部分が、
 かなりカットされてるのが残念。

 二本目、
 熱弁サミット「史上最高のスポーツマンガはこれだ」
 薬師寺保栄‥‥‥あしたのジョー
 中田久美‥‥‥‥アタック・1
 北野誠‥‥‥‥‥グラップラー刀牙
 有坂来瞳‥‥‥‥スラムダンク
 ターザン山本‥‥タイガーマスク
 飯星景子‥‥‥‥エースをねらえ
 浅草キッド‥‥‥侍ジャイアンツ
 関秀明‥‥‥‥‥キャプテン翼、

 本番中、
 ターザンさんの中田さんを見る目が猟奇的で笑った。
 あれじゃあ、ハンニバルがクラリスを見る目だよ。
 ターザンの日記には、この日をこんな風に書いてある。

 午後2時半、天王洲アイルにあるテレビ東京のスタジオに行く。
 テーマは『スポーツアニメで最強は何か?』だった。
 ハイライトだったのは飯星さんが『エースを狙え』の
 ラストシーンを語り始めた時、
 パネラーの吉本多香美さんが、泣き出したこと。

 それにつられてあの中田久美さんも目にうっすらと涙が。
 一体、これは何が起こったんだと私はとまどってしまった。
 結局、私は2本撮りともさしたる出番はなく、
 ああ、今日は完全な膠着で終わったかと思ったら
 最後で奇跡が起こった。
 
 私は
 「今日はどのアニメが最強を決めるよりも
  多香美さんがMVPですよ」
 と言ったらそのあと突然、多香美さんが
 「もしかしてターザンさんてタイガーマスクなんですか?」と発言。
 出演者は全員、その瞬間、ポカーンと口を開けたままの状態。
 私はうれしくなって
 いきなり立ち上がりガッツポーズをとったのだった。
 「よし、これはいただいた」の気持ちである。
 なぜ多香美さんにそんな言葉を吐かせたのか、不思議で仕方がない。
 この多香美さんは昔でいうとジャクリーン・ビセット似の美人。
 でも最近、結婚したとか。

 私はディレクターに
 「今日は中田久美さんに会えたらそれでもう大満足です」と言った。
 「いやあ、彼女にそのことを伝えておきます」ときた。
 それって本当? 
 

    (ターザン山本のwebマガジン『
マイナーパワー』より)

  
 猪木王、2週目。
 浅草キッド直接対決に、
 思いの外、皆さん、シリアスに感動で語られる。

 番組終了後、竹芝へ移動。
 22時、竹芝客船ターミナル、
 『Tokyo Boy』スタッフと合流。
 井筒監督、酒井若菜、松村邦洋、くるすゆみと一緒に。
 待合場所から早速、監督とビール始める。
 
 東海汽船『さるびあ丸』に乗船。
 特一等客室の上の特等。べランダ付きVIP待遇、
 こういう船旅は初めてのこと、
 俺たちはすっかり浮かれる。

 赤江くん(玉袋)も井筒監督も、
 青春時代、フリーセックスの楽園、
 新島伝説に惹かれて、 この船に乗ったと言う。
 ま、赤江くんはボート部と同乗して最悪だったそうだが…。

 その頃、俺は自分の部屋を出る、勇気もない、
 元祖ひきこもりだったのだ。

 井筒監督と共に、飲みながら…。
 ここのところの映画、「パールハーバー」や
 「A・I」「USJ」などを、話の肴に
 俺流「こちトラ自腹じゃ!」を一晩中、語る。
 まるで映画青年の学生時代のようだ。

 この航路は、本来は、五時間で着く所を
 海上で 時間調節をしながら、
 島に、朝一番に着くようになっているのだ。
 

 7月3日  火曜

 朝7時、新島港着。
 二日酔いと寝不足で寝ぼけまなこのままだが、
 上陸、そのまま、前フリ撮影。

 晴天、そして北野ブルーの海。
 この自然のグラデーション。
 「あの夏、いちばんウルサイ海」になりそう。





 8:30 新島名物、くさや工場見学。
 アオムロ、ムロアジ、飛び魚、サメが原材料。
 300年も寝かした「くさや汁」に漬けるとのこと。
 魚嫌いの若菜ちゃんは朝から辛そう。

 11:00 テリー伊藤さん合流だが、
 なんと予定されていた、石原都知事は風邪で欠席。
 ガラパゴスから新島へ、はじご島はダメみたい。
 もともと、都知事の発案のロケだけに、
 準備に余念のなかったスタッフはなんとも残念なことだろう。


 間々下海岸にて写生大会。
 湯の浜露天風呂
 (24 時間営業で入浴無料。但し要水着着用)が目の前。
 海の向こうには式根島、
 神津島も見渡せる絶好のロケーションなのだ。

 これは、天国に一番近い島だ。
 皆が描いた作品は新島港船客待合所に展示されることに。

 こんなところにいれば、人生観をさまざまに考える。
 椎名誠的、嵐山光三郎的人生、
 それが何が悪いのか。
 この日々のあくせくに、どれほどの意味があるのか?
 芸能生活とはいえ、
 たいした人気も得られず、
 仕事が後には残らず、
 人に影響を与えず、
 芸能史に名を残さず、
 どえらい大志も持たず、
 いそがしくしたところで、
 しょせん、小物の仕事ぶりではないか。
 ましてや、いまだ家族も作らず、
 なんの責任感も持たないまま、
 ぶらぶらとしている。

 でも、これからも、
 毎日を悶々と気を揉みながら、
 つまらないことでも 必死に しがみついたりして、
 ダメだ、ダメだとつぶやきつづけているのだろう。


 ああ、今日も生き恥をかくって思いながら、
 しょせん英雄にはなれないって言いながら、
 男らしくカラっと出来ないまま、
 マッチョではない女々しさをもちながら、
 心から謳歌することはなにもないってわかりながら、
 そういう自分とおりあいをつけながら、
 こんな俺でも、たまには、イイことがあると思いながら…
 
 いつまでも 続いていくのだろう。
 それでもいいではないか。

 昼前、流人墓地へ。共同墓地の一番低いところに118基。
 中には、生前好きだった酒樽やサイコロをかたどったお墓も。
 哀しい歴史に思いを馳せるのも、また一つの歴史なり。
 

 間々下海岸に戻って昼食。
 地元のおばさん、元・ミスくさやが作ってくれた、
 おにぎり、焼きくさや、
 「たたき汁」〜明日葉とむろあじのすり身の味噌汁。美味!

 ( つづく )

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