7月11日  水曜

 早起き。
 大リーグ、オールスターゲーム、シアトル開催 衛星中継。
 イチローがヒットを打ち、大魔人が締める。
 しかし、本当にこんな時代になるとは、
 夢のようだ。

 漫才舞台に向けて調整。
 最近は、各自練習だけで、
 一度も一緒に合わさないまま舞台に立つことが多い。
 もうベテラン漫才師なのだから、
 ネタ合わせなどをしなくてもと思うが、
 今回は、赤江くんの新車、ハイエースが 練習に快適空間。
 これならネタ合わせも苦にならず、
 俺の嫌なイライラ、 カリカリもなく、調整。

 しかし、舞台前の時間のすごし方は独特なものだ。
 やらねば、やらねば、でも、やらないみたいな。

 いつものことではあるが、
 すでに、自分たちの漫才が、持ち時間を
 確実にオーバーすることはわかっている。
 いつもと同じように大量に、台本を書きすぎている。
 それでも、まだまだ書き足す、
 そして削減、の繰り返し。

 漫才原稿の合間に、
 TVブロスの連載『お笑い男の星座〜第二部』の
 「ダチョウ倶楽部ジモン編」に没頭する。
 ジモンさんに電話、細部を取材。
 ジモンさんの気狂いオモロぶりに一回分増やす。

 『笑芸人』最新号送られてくる。
 「世界のキタノより足立区のたけしが好き」特集。
 今回も内容充実。
 ビートたけし資料として、後世に残る一冊。
 俺は、たけしランドの創設計画対談、
 そのまんま東論書いている。

 「さぬきや」冷やしカレーうどん。
 

 7月12日  木曜

 昼より、赤江号で調整。
 いつも「稽古不足に幕は待たない」状態で舞台に立つ、のだが、
 今回は、昨今の漫才舞台では、最も良い調教ではないか。
 気分的に余裕ありも珍しいこと。
 
 新宿・高島屋、紀伊国屋サザンシアター、
 「高田笑学校しょの拾参」へ。
 松村邦洋、
 X、
 あした順子・ひろし。
 中入り。
 海砂利水魚。
 浅草キッドの香盤。

 いつもより、開演時間が30分押し。
 全ては、Xのスケジュール、X招聘のため。

 もちろん、Xに察しがついているファンも多く、
 テレビ関係者の見学、楽屋への挨拶が殺到する。

 なにしろツービート、17年ぶりの客前の舞台。
 そして俺たちにとっては、
 初めて師匠であるツービートと同じ漫才の舞台共演。
 嬉しくないわけがない。
 しかも、出番は俺たちがトリを任される。
 これはウケないわけには、いかない。

 殿、楽屋で俺たちと海砂利相手に昔話。

 「漫才ブームの頃を思い出すよ、
  あの頃は、楽屋も殺伐としていたよ、
  もう頼むから、前の奴が受けるな、受けるなって
  思いながらよー…
  ネタ合わせしてたら、そのままそのネタを、
   前の出番のヤツに 使われたりよ〜 」

 「受けなかったら5分で降りるからよ〜」

 と言いながら、
 レッサーパンダの帽子を被って舞台袖へ。
 舞台袖の暗がりから、客前へと、
 すーっと消えていくと、
 客席の悲鳴のようなどよめきと、
 鳴り止まぬ万雷の拍手に包まれる…。
 

 もう、惚れ惚れとかっこいいったら、ない。
 
 「コマネチ!」から始まりたっぷり15分の舞台。
 演芸場時代のゴルフネタ、
 往年の空手ネタなど。

 ノーテレビ。この500人の客ためだけの舞台。
 まさに「フィールド・オブ・ドリームス」

 例えて言えば、メジャーリーグ、
 オールスターゲームのカル・リプケンを見るようだ。
 居るだけで充分なのに、そこでホームランを打つ。
 スーパースターなのだ。


 俺たち、トリ。
 やはり、持ち時間オーバーしながら、 23分。

 「開戦!パールハーバー、参議院玉袋立候補!」
 (って、毎回ネタにタイトルをつけてるわけではないが…)
 危なげなく、気持ちよくウケ責任を果たす。

 高田先生、ツービートを交えて、座談会。

 打ち上げ。
 殿、先生、キヨシ師匠に囲まれて……。
 プレッシャーから開放されて、
 安心したのと、幸せだったのだろうなぁ。
 俺、お酒の席で、気を失う。

 7月13日  金曜

 何故だ? 6時起床。寝ろよ! 俺。

 大阪へ。関西テレビ「2時ドキッ!」
 ゲスト、羽賀研二さんと一緒。

 バカ・コメンテーターとして、
 オンエアー上では、皆から集中砲火を浴びてはいるが、
 ビデオが流れている間、
 裏では、芸能界事情通ぶりを発揮、
 その人脈、ミスターどっぷり芸能界ぷり、抜群にオモロ。
 仕事はジリ貧、借金王として見られる羽賀さんであるが、
 その収入額を聞いて驚いた。

 大阪より、とんぼ帰り、TBSへ。
 『ここヘン、世界陸上』打ち合わせ。

 深夜、六本木、アークヒルズ、
 ANB、『虎ノ門』へ。
 「朝まで生どっち?」。
 「小泉首相、髪型を変えるなら、
  パンチパーマか、角刈りか」
 水野晴郎先生。
 蛭子能収、海砂利水魚、上田、
 勝俣ちゃん、清水ミチコさんらと一緒。

 楽屋で、水野先生と蛭子能収の映画話。
 人生を振り返って、今まで見た映画のベスト1は?
 蛭子能収さん
 「遊星からの物体X!」と答えて周りから総スカン。
 「普通だったら、水野先生がいるんだから、
  『風と共に去りぬ』とかあげるでしょう。」と言うと、
 「そんなもん、見たこと無い」とのこと。
 蛭子さんらしい。
 さらに、
 週刊新潮で、「日本をダメにしたバカテレビタレントランキング」
 誰が出ているのか、気になって買って読んでみたら、
 自分が出ていた〜って話し。
 さんざん、「傷ついたとか、失礼ですよね〜」と言っておきながら、
 「蛭子さんだったら、誰をあげます?」と尋ねたら、
 スラスラを名前をあげていた。

 「虎の威を借るTV大予想」まで居残り。
 次週、「どっちの料理ショー」を予想。
 早朝帰宅。原稿FAX入稿。
 
 

 7月14日  土曜

 9時、TBS集合。
 意識朦朧。
 TBS『クローン・キッド』2本収録。
 8月1日開催の「キッド祭り」に向けての宣伝活動篇。
 ナニワキッド、水着姿のデストロイ子を連れて。

 TBSにて、宣伝部、TV雑誌担当者に挨拶。
 ロケバスの中で、ぶんか社『ペントハウス』誌の密着取材、
 早稲田大学へ、
 アイドル研究会へ売り込み。

 原宿駅前、路上ゲリラライブ、
 あまりの猛暑に、観客はほとんどなし。

 護国寺、光文社『フラッシュ』編集部、グラビア撮影。
 一ッ橋、集英社『プレイボーイ』編集部、取材、グラビア撮影。

 『プレイボーイ』は、もう何年読み続けているのかわからない。
 俺たちのスタイルで今まで接点が無いことが不思議なほどだ。
 思わず、突っ込んで編集者とお話。

 『SPA!』編集部、
 親・浅草キッドの編集者とお話。
 テレビの世界より雑誌界のほうが俺たちのシンパは多い。
 扶桑社刊の話題の『新しい教科書』、頂戴する。

 お台場、ゲリラライブ。
 ナニワキッド、村川絵梨、田野あさ美、上原香代子、川田由起奈、
 知名度、認知度は、まだまだ。

 そのまま、20時、
 BSフジ、『お台場トレンド市場』3時間生放送。
 さすがに眠気。

 左肩に原因不明の不調発生。
 野球なら2軍オチ確実だ。

 帰途、紙プロの山口編集長からTEL。
 桜庭和志選手の誕生パーティ、真っ最中、
 来ないか?との お誘い。
 しかも、俺ファンのスチュワーデスを紹介との、
 魅惑的条件を掲げられながらも、
 泣く泣く、断念。
 さすがに寝不足なので明日の仕事をしくじりたくない。

 

 7月15日  日曜

 朝、7時起床。
 チャージ完了、元気に俺、運転。
 アクアラインを突き抜け、千葉県富津市へ。
 富津市民ふれあい公園。
 『ここがヘンだよ日本人』ロケ。

 題して、「第1回、ホントの世界陸上」
 殿、東さん、ラモスさん、江口ともみさんと一緒。
 外国人100人。
 なんと熱中症で、全国で死人も続出した本日、
 このカンカン照りの炎天下の運動会。


 本部席でのテント実況。
 外国人に比べて、恵まれた涼しい仕事ではあるが、
 実は、内心、俺も彼らと走りたいと思っていた。

 障害物競走、400メートルリレー。1500M走。
 大玉転がし、相撲大会、フットサル(サッカー)

 番組は、バラエティーなのであるが、
 やっている彼らは、文字通り、
 自国の威信を賭けた 戦争である。

 ゾマホン、俺を見つけて、ウインク。
 今は、立場が違うのだから、
 普段の俺との黒い交際、他人に見せない。
 実にクレバー な人だと思うのに……。

 リレーの決勝でラモスに敗れたゾマホン、
 レース終了後、本部席に座っていたラモスに絡む。 

 実は、俺はゾマホンがこれほど運動神経が良いとは知らなかった。
 俺は、ゾマホンが、一日中、勉強漬けで、
 ほとんど、一日3時間睡眠なのを知っているから……。
 
 「ワタシハ、ズット、キョウギ二、デテイル、
  アナタハ、イママデ、ヒカゲデ、ヤスンデイタ、
  アナタニハ、マケナイ、イマ、ココデ、モウイチドショウブシロ!」

 ラモスが日本の国で、
 そして番組のなかでも特別な存在であることは、
 わかっているはずだ。
 しかし、それでも突っかかっていく、
 なんたる負けん気、闘争心!!
 俺と一緒に居る時のゾマホンとは思えない。

 ラモスも言葉使いが一気に変わって応戦。
 一日中、ゾマホンとカメラ抜きで口論。

 聖人の位置にいる、ラモスの大人気ないところも、
 その聖人を意識しないで絡む、ゾマホンもまた、
 俺には、信じがたいメンタリティーであり、凄い。

 異国で異国の言葉でケンカのできる連中である、
 根性の座り方がやはり違う。

 そして相撲大会、
 とにかく、名試合の連続。
 奇跡的な展開で、スタッフの思惑通りの対決実現。

 「モシマケタラ、ワタシ、クニニカエルヨ!」

 ゾマホン、出番前までずっと祈りを捧げ、
 大将として土俵に立つ。
 その決意と、悲壮感。
 貴乃花の鬼の形相を超えるものがあった。
 
 いや、あの姿、俺の中で、生涯、忘れられない!
 よく頑張った! 感動した!!
 
 最後にフットサル大会。
 東さん、400走、1500走と出場し、
 精力使い果たした後も、
 まだ、炎天下に審判、3試合。
 しかも、バラエティーを意識した、
 偏向した審判振り、
 我を忘れて、抗議する外人たちをものともしない、
 体を張った、ギャグ。
 これまた「お笑い」の仕事ぶりとして感動。
 東さんに惚れ直す。

 「素晴らしい」と思いつつも、
 終了後、全員参加の慰安会には参加できず、
 再び、アクアラインを抜けて、 次の仕事へ向かう。
 
 18時、新宿御苑のビプランシアターへ。
 ストリッパーの新人を公募している、
 「ショーダンサーオーディション」のゲスト審査員。
 ストリップ小屋出身の俺たちとしては、
 やるべき仕事なのだろう。



 愛染恭子さん、映画監督、河瀬直美さんらと。
 知り合いの女の子が出ていたりして、ビックリ。
 21時、終了。
 左腕故障悪化で、スズキ(同居人)に運転してもらう。

 帰宅後、何度思い返しても、
 今日の「ここヘン」の外国人たちは素晴らしい!!
 思わず、ゾマホンに電話、
 打ち上げから帰宅中の、 中央線の中から、

 「ハカセさん! アイタイヨ! ワタシ、ガンバッタヨ!
  ツカレタヨ! デモ、マケナイヨ!」

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