8月7日  木曜日

9時起床。
ド・ナイト』ロケ。
ベンチャーセーフネットの
馬主社長こと関口会長のご自宅訪問。
六本木ヒルズの高層階へ。
トキノの鈴木その子社長以来の衝撃。

なにしろ、次々と現れる、
社長専属スタイリスト、
社長専属ソムリエ、
社長専属サラブレッドアドバイザー。
社長専属美術アドバイザーなどなど登場。
我々も、社長専属漫才師に名乗り出る。

例によって「そうそうそう」の全肯定の連続のなか、
和室に剥製のベンガル虎が現れ、
度肝を抜かれる。
ワシントン条約締結以前の輸入物で、
おいそれと手に入るものではないが、
それも大盤振る舞いのプレゼントに。

トラ+馬だから、
視聴者もトラウマになるのでは……。
思わず記念撮影。

専属ソムリエがワインセラーから取り出した、
赤のペトリユース、ロマネコンティー白、飲みながら
食事はあの銀座の名店「久兵衛」が、
寿司職人ごと出前に。

さらに社長のお買い物に同行。
ロールスを超える、世界最高級車マイバッハ、
日本で初めての購入の現場へ立ち会う。
ショールームを含めて、
全てが規格外、桁外れでオモロ。
ホント、この関口会長との「社長漫遊記」は、
シリーズにしたい。

関口会長ロケ終了後、
東品川、「クリスタルヨットクラブ」へ。
『ド・ナイト』スタジオ収録。
ゲスト、飯島愛、
3週に渡る、社長の大盤振る舞いスペシャルの後では、
いささかテンションが下がって見えるのは仕方ない。

物怖じしない飯島愛のクラブのママ風のあしらいに、
ロックフェラー湯浅が、怒ることなくふんばり多弁、
テレビタレントの基本なのだが、
「引いたら負け」なのだ。
立場を同情しつつも、エール送る。

帰途、ノース塾に向かうが既に終了で、
北郷を拾い、百瀬邸に、
テレビ朝日の非売品の「裕次郎記念BOOK」を届ける。
藤原ヒロシ氏、同席し、一緒に桃を食べて解散。

深夜2時にかみさんより電話あり、
陣痛始まるとの報。
予定日より2週間も早いではないか!

《 元留学生ら中国に出国後消息絶つ…福岡の一家4人殺害事件 》
《 シュワルツェネッガー、カリフォルニア州知事選の立候補 》


8月8日  金曜日

7時起床。まったく眠れず。
病院に入ってから連絡とれず、
落ち着かず心配極まりない。
女性は、10ヶ月を期待と不安と共に過ごすのであろうが、
男性は、この一日に凝縮した期待と不安に
さいなまされるのであろう。

それでも、スズキ秘書の運転で、
仕事場のお台場、ニッポン放送へ向かう、
気が気じゃない。
道すがら、10時45分、義母より連絡。
「無事生まれた!母子共に健康!」とのこと。
安堵と喜びに声を失い、
心の底より湧き上がる感情にしばし涙とまらず。


人生は長く退屈で、
世界は明日終わっていい、
自分は生涯孤独で、
遺伝子が途絶えたとしてもかまわない〜
そんな気分で、
生まれてきたことを呪いながら、
無為に青春時代を過ごしたことがある。

そんな俺としては、
40歳になっても惑いっぱなしで、
大人の分別もなく、今なお青臭いが、
これほど自分が存在してきたことを肯定できたことはない。

究極のミーニング・オブ・ライフの実感。

気を取り直して、
第一報を誰に連絡するか?
師匠、実家、兄、相棒、事務所?
順番を考えるが、
ここは感傷に浸ることなく一ギャグ、挟むべしと。
携帯の登録で、名前を検索。
そして、そのなかでも一番くだらない名前に思えた、
ワハハ本舗の猫ひろしに連絡。
電話を俺からかけるのは初めてだ。

「今日、生まれたよ!」と俺の声に、
「はい、今日、生まれました、ありがとうございます」と猫。
「?うん」と訝る俺に、猫が、
「今日、僕の誕生日なんですよ!」
となんたる、偶然であり、猫の引きの強さか。

お台場、フジテレビに到着。
8月8日フジテレビの日、フジテレビのなかのニッポン放送、
丁度、『ラジオビバリー昼ズ』の生放送の直前、
に滑り込みで生まれる、勘の良さ、間の良さで、
わが息子、親父を助けて一仕事してくれた。

「文武両道」、
俺の人生を決定付けた武と文夫にちなみ、
男なら「武」、 女なら「文」、
と10年も前に決めた命名。
その誕生をいち早く高田文夫先生に報告できるのも、
これまた一つの運命であろう。

ちなみに、次男は、きよし、
で新ツービート結成。
三男は、やすし、
で新ドンキーカルテットを狙っているのだが……。

放送は『お笑い男の星座2・私情最強編』、
番外エピソードベスト3を発表。
三谷さんからのメールなどなど盛りだくさん。

中野翠さんの
サンデー毎日の書評は嬉しかった。

帰途、渋滞を避けて通りがかった道に、
糸井重里事務所の看板。
初めて、「明るいビル」がこの場所にあることを知る。
こんな日だから、糸井さんにも会いたいと思って、
事務所を訪ねたが、不在。
『お笑い男の星座2・私情最強編』を置いてくる。

渋谷ブックファーストへ、
雑誌「編集会議」取材。
買いたい本5冊を選ぶ。
好きな本を選んで、しかも買ってもらえる、
なんと素晴らしい仕事か。
しかし、高価な藤田嗣治の画集を選んだら、
「それだけは勘弁してください」と。
得意分野の話題だけに、口も滑らかにろうろうと。
「4ページじゃ収まらないでしょ」と話するが、
後から雑誌を見たら、2ページのコーナーであった。

待ち時間、恵比寿で、
浮かれて何年ぶりかにパチンコやってみる。
もう様式も方法もわからない。

今日の印象に残るものを食べようと、
『筑紫楼』へ。
スズキ秘書、冨永マネを連れて。
フカヒレ煮込みそば、
蟹肉入りフカヒレ煮込みそば、
蟹肉入りフカヒレ煮込みごはん、

生誕記念日と告げると、お店から、
杏仁豆腐が、サービスされる。

19時、フジテレビへ。
『SRS』収録。
PRIDEグランプリ直前情報、PART2
高田延彦、小池栄子一緒。

楽屋からスタジオ入りするまでの道すがら、
ベビー用品が次々と置かれてあると言う、
「SRS」スタッフの心憎いサプライズ演出。
もうリアクションなんて取れない。
胸いっぱいになり感激、感涙。

そして同じ年の高田延彦さんが、
「第一子ですか、それはさぞお喜びでしょう」
と笑顔で声をかけてくれた。
向井亜紀さんの書いた「16週」を読んでいる俺は、
その言葉に心揺さぶられる。

入籍の時も、そして第一子誕生の時も、
仕事が一緒になった、
我が家の巨乳女神の小池栄子が、
「たけ坊に、授乳してあげる!」
とカメラに宣言してくれた。
なんたる羨ましいガキになることか。
これは必ず実現するつもりだ。

そして、番組はPRIDEミドル級グランプリの前煽り、
この大会を見たいがために、
うちの子供は、予定日の2週間も前に、
生まれた来たのだ〜と発言。

帰宅。
一日にさまざまな感情を経験し、
ぐったりとして、北郷と飲んでるところに、
マキタスポーツ、猫ひろしが来宅。
その後、ガンビーノ小林も。
マキタや、ガンビーノも最近、父親になっているだけに、
俺の今の喜びがわかるのであろう。
それを思えば、彼らの出生報告を受けたとき、
「おめでとう!」と言いながらも、
その意味も理解できてなくて、
心から祝ってあげることは出来なかったのは、
本当に申し訳なく後悔することだ。

飲みながらも、ずっと携帯電話を離さず、
ご報告だ〜と番号リストを眺めながら次々と電話。
普段、携帯電話依存ゼロの俺だけに、
よっぽど嬉しかったのだろうな。
朝方、気分良く、大盤振る舞いなどあったらしい。
結局、夜明けまで高揚感に浸って飲んでいた。

《 白装束施設で助教授変死…福井、外傷と熱中症複合か 》

8月9日  土曜日

結局、昨夜は一睡もせず、
台風接近の嵐の中、
6時半、一人新幹線に乗り込む。

名古屋着。
タクシーで中京テレビのそばにある、
第2赤十字病院へ。

病院のお見舞いに行くたびに、
空間の悲劇性にめいる俺なのだが、
産婦人科病棟は、
赤子の鳴き声と希望に満ちている。

病室に入ると、
既に元気一杯、笑顔満面のかみさんに安心。
「よくやった!」と感謝を込めて強く絆の握手。

そして子供と面会。
新生児室のガラス越しに、
「赤ちゃん泥棒」しかねない俺の視線。
ずらりと並んだ赤ん坊、
ワンオブゼムの我が子を探す。

看護婦さんにお願いして、
新生児室から個室へ連れてきてもらう。
しばし、この2970グラムの小さきものと対面。

人生初の体験にクラクラする。
今まで自分が子供好きなのかどうかも自信もないし、
自分の子供を見ての反応も予想できなかったが、
我が子を目の当たりにして、
一瞬にして不安は吹き飛び、
親バカになってしまった。

根源的な沸き起こる愛情への実感に、
感情の制御もなく抗う術もない。
父親に成った自覚にしばし浸り
奇声を発して頭がバカになる。

今日から、こいつの「悪童日記」が、
始まるのだなぁと感慨。

子供を返した後、かみさんのベットで仮眠。
元気を急速チャージする。

名古屋駅へタクシーで引き返す。
運転席の横に赤ん坊の写真、
「初孫なんですよ」と運転手さん。
「今、僕、初めて自分の子供に会ったんです!」と俺。
しばし、二人で人生しみじみトーク。
降りるとき、
「今日は、私にサービスさせてください」と運転手さん。
「俺のほうが、ご祝儀きりたいくらいですよ」とお互い譲らず。

名古屋駅にて、相棒、冨永マネに合流。
駅弁の日本一抹茶ひつまびし、食べながら……。

広島、パルコのクアトロへ。
出張「グレート・アントニオ」サイン会。
井上きびだんご君一行と合流。
控え室で武藤敬二選手、
「SPA!」の記者らと一緒。

東京から続々とプロレス格闘技関係者を呼んで、
このイベントを仕掛けている、
地元のプロレスマニアのアナと、
20分、PRIDE話などを濃密にトークして、
その後、本とTシャツのサイン会。

広島駅より、帰途、新幹線に。
ホームで買った「たこ天」美味し。
車中、原稿、ケツに火がつきながらも、
揺れが大きい、のぞみで執筆は不可能。

「裕次郎時代」を読了。

もうすぐパパの井上きびだんご君も、
やたらとデジカメの赤ん坊を見たがる。
その気持ちもよくわかる。

広島駅で、土産に買ったふぐの一夜干しを食べながら就寝。

《 拉致で日朝協議設定の用意−6カ国協議でと中国次官 》
《 プレイガールの「おネエ」沢たまき議員が突然死 》

8月10日  日曜日

8時起床。
朝日新聞朝刊を見て「オオオ!」と声をあげる。
書評欄の亀和田武さんのマガジン評
TV BROSを取り上げて、
『お笑い男の星座』に言及し大絶賛しているのだ。

これで、一週置きに朝日新聞朝刊の書評に登場している。
予想していなかっただけに、これにもぶっ飛ぶ。

朝日の書評ページに2週も登場し、
各誌に書評が出ているのだから、
『お笑い男の星座2・私情最強編』
ホンモノではないか。

ただし、まだまだ満足なんかしていない。
書評なんか気にもしていない連中。
本や活字に影響なんか受けない連中。
いまだに、この物語との邂逅が実現しない、
オマエらに必ず届けて、心の底から揺さぶってやる。

昨年の『Dynamite!』に匹敵する
この夏一番のお祭り、
PRIDEミドル級GP、当日。
斎戒沐浴して、さいたまスーパーアリーナへ。
スズキ秘書、北郷、赤江くん(玉袋)、赤江くんJrと。

会場に着くと、
マリオ・スペーヒー、マーク・コールマンと
百瀬博教さんの握手会を見学。

一緒にいた大山選手から、柔道でヒョードルに勝った男、
小斉選手、紹介される。

『SRS』オープニング収録で、
長谷川京子ちゃんと久々顔合わす。
「子供の写真見せて!!」とせがまれる。

赤江くん友達一行と、
石井アナら招待席に案内。

会場は、4万人を超える、記録的動員。
なにしろ、ヘビー級王者が一試合目から登場するのだから、
白熱、熱狂は必至だ。

リングサイド最前列に居た、
幻冬舎の見城社長が、
こちらへ来て、以前のご無礼を詫びたいと、
丁寧な、謝罪とご挨拶をしてくださる。
「とにかく『お笑い男の星座』を幻冬舎に
 持ってこれなかったのが、私の痛恨の至りだ!」
とのこと。
『お笑い男の星座2・私情最強編』、
序章の編集者と俺たちのやりとりは、
つかこうへいの「腹黒日記」のつかさんと見城さんのやりとり、
梶原一騎と編集者とのやりとりを二重に引用したオマージュだ。
そんな人に高く評価してもらえて、嬉しいかぎり。

PRIDEミドル級GP 一回戦
さいたまスーパーアリーナ 観衆4万316人

【第1試合】
○ エメリヤーエンコ・ヒョードル(1R1分9秒 TKO)G・グッドリッジ ●

【第2試合 GP1回戦】
○ チャック・リデル(1R3分9秒 K O)アリスター・オーフレイム ●

【第3試合 GP1回戦】
● ムリーロ・ブスタマンチ(判定 1−2)クイントン“ランペイジ”ジャクソン ○

【第4試合】
○ アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ (判定 3−0)リコ・ロドリゲス ●

【第5試合】
○ ミルコ・クロコップ(1R1分29秒 KO)イゴール・ボブチャンチン ●

【第6試合 GP1回戦】
● 田村 潔司( 1R5分6秒 袖車絞め) 吉田 秀彦○

【第7試合 GP1回戦】
● 桜庭 和志 (1R5分1秒 K O )ヴァンダレイ・シウバ ○



田村 vs 吉田、ベストバウト。
この試合はアリーナが揺れた。

メインの桜庭和志の入場が最も感極まる。
大観衆の絶対的声援のなか、
その負ける可能性に想いを馳せた時、
その勇気に身震いした。

そして、桜庭まさかの敗戦。
これだけ、望まれるハッピーエンドが訪れない、
見世物が世の中にあるだろうか?
これぞPRIDEである。

勝者・シウバのマイクで、
「息子が2日前に誕生!」と発言。
ガビーーンと衝撃。

親バカの俺の中では、この日、
日本とブラジルで同じ日に生まれた、
「ケインとアベル」の物語が始まった。

桜庭敗北のシーンのなかで、
百瀬さん、PRIDE名誉会長として初マイク。
「日本一のマザコンだから亡き母親に見せてやりたい」と。
いつか、相撲の理事長のように、
四方に頭を下げて挨拶してみたい〜
子供時代の夢をかなえたその瞬間を感慨深く見守る。

勝敗レース、冨永マネ的中。

恒例のフェアーウェル・パーティーに
チラリと顔を出す。

帰宅後、フジテレビ同日地上波放送。
オンエアーチェックを済ませて就寝。
明日も、子供に会いに名古屋へ。

 

 

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