6月16日  火曜日

8時起床。

「パパ〜ッ、アサイつくろう」
と娘に起こされる。

フミと一緒に、
アサイー』ジュース作り。

フミは野菜嫌いだ。
その分、好んで飲んでくれる、
『アサイー』ジュース作りに、
俺も熱心になっている。
2歳児にしては、
日本で最も『アサイー』ジュースを
飲んでいるではないだろうか。

そう言えば、
今年のベスト・アサイーニストにも選ばれ、
表彰されることになった。
3年連続、これで殿堂入りである。

10時半、芝浦のスタジオ入り。

TOKYOMX/TVK
博士の異常な鼎談』収録。
宮崎哲弥、一緒。

ゲスト・デーブ・スペクター

このバラエティでもお馴染の、
見慣れたゲストの人選は、
俺のリクエストで実現。

実は、来日して、30年間もテレビに出続けている、
外国人タレントは空前絶後だ。

もう20年前、町山さんが編集した、
宝島ムックの傑作、『異人たちのハリウッド』
に掲載されている、
デーブ・スペクターのインタビューは、
今、読み返しても格別に面白い。

アメリカのセカンドシティ、
シカゴ出身のロシア系ユダヤ人、という出自や、
子役あがりどころか、
ミュージカルの『オリバー』の主役経験。
ジョン・ベルーシと同じ劇団『セカンドシティ』にも在籍、
ナショナル・ランプーン誌のジョークライター出身の
経歴など、事細かく興味深い。

今では、KYなダジャレとすべり芸が売り物、
軟弱な風任せの風見鶏に見えるが、
昔、文春に連載した、
『トウキョウ裁判』は、極めてハードコアだった。

いろいろと俺が気にかかっている、
エピソードを尋ねる。
と言うより、不法入国外国人に対する、
事情聴取だ。

テレビだと、いつも「埼玉県人説」や、
「CIAスパイ説」のイジリどまりであり、
しかも、"間の悪い"デーブのジョークに流され、
煙に巻かれたまま、誰も、その次を踏みこまない。

最近の雑誌でも、『実話ナックルズ』が、
イスラエルのモサド説を踏みこんだくらい。

だからこそ、テレビで今まで見たことが無い、
デーブ・スペクターの裏側インタビュー。

今回の、インタビューの白眉は、
新幹線車内のセクハラ珍事を問い詰めた際、
デーブ・スペクターの切り返し。
日本人ならお馴染の定番ギャクながら、
あれほど、"間がいい"返しは無い。

宮崎哲弥さん、この番組の後、
朝日ニュースターで、
安倍晋三元総理と共演とのこと。
しかし、どんなダブルヘッダーだ。


帰途、『神戸クリニック』へ。
視力検査。
井筒さん、毎度、親切に応対してくださる。

夜、ゲリラ豪雨のさなか、
8-style』の橋口さん、来宅。
俺のカスタムデザインした、
脳内BAAROにサイン。
いろいろ、新作グッズも頂く。

7月3日には、8-style主催のイベント
『SAMURAI GATE』が高円寺で開催されるようだ。


マキタスポーツに連絡。

子供を預けて、『ラーメンズ』のライブ終わりを見た帰り、
珍しく、マキタスポーツと希ちゃん夫妻二人。
なかなか、そんな機会がない。


どしゃ降りの雨の中、東中野、
BARバレンタイン』へ。

俺が、夜中に飲みに出かけるのは、
極めて珍しい。

「締め切りがあるので、
 必ず24時には、帰ってきてください」
とスズキ秘書に念押しされる。

このお店。
旧知のムネくんの経営するBARだ。

ハードコアチョコレート』を率い、
今や、Tシャツ界で顔のムネくんとも、
板前稼業の素人時代から、
振り返れば、長い知り合いなのだが……。

Blogがあるので、その出世ぶり、
仕事の変遷は知っているのだが、
ずっと気になったまま、ちゃんと話をしていない。

そんな旧交を温めつつ、
マキタスポーツ夫妻と、
高田笑学校話をひとしきり。

たまたま、編集者のハギワラくんがお店に。
編集した、義太夫さんの著書、
『糖尿だよ、おっ母さん』を頂く。

丁度、明日、ミヤネ屋で、
糖尿病の特集があるところだった。
なんたるタイミング。

Tシャツ関係で、旧知の『スカラビジョン』の山下さん、
東京ポッド許可局』の局長などなど。


そこに、元・大川興業のプチ鹿島
扉を開けて入ってくる。

『浅草お兄さん会』時代は、
「骨太熱」というコンビで、何度も出場してもらったが、
当時は、話をしたことがなかった。
あまりに芸人的、
ヒエラルキーに開きがあったのだろう。

しかし、マキタスポーツとの『東京ポッド許可局』を聴いて、
芸人には珍しい、時評の出来る、
異質な論客であることを初めて知った。

話してみると、大川興業育ちらしい、
プチ・ウラ情報、知識の埋蔵量多く、打てば響く。

しかし、俺が芸能界に於いて、
楽屋の無駄話に出口がないように、
鹿島くんも、また出口がないだろう。

と、昔なら断じていた。

しかし、今は、blogがあり、
ポッドキャストがある。

小さなボリュームなら、
誰でも声を発せられることは出来るのだ。

しかし、それが、観客の"野次"に近づくのか、
プレイヤーの"声"になるのか。
いろいろ、覚悟と方法論もいる。

夜の24時を過ぎても、
右を振り向けば、ムネ君が話を振り、
左を振り返れば、プチ君が話を振る。
十数年の年月の積もる話と、
俺には、ありがたき感謝状の数々に、
おおいに、照れながらも、
結果的に、おおいに語る。

帰宅はなんと、朝4時半。
我が家で始発を待って帰るマキタスポーツ夫妻、
雑魚寝。
明日は二日酔いだ。

《 日本は制裁強化、北と貿易全面ストップへ 》
《 イラン大統領選で不正指摘部分の再集計も 》



6月17日  水曜日

9時40分、東京駅へ。
諏訪マネ、一緒。

水曜日代打の『ミヤネ屋』収録へ。

二日酔いに苦しみつつも、
行き、のぞみ車中。
グレート義太夫さんの
『糖尿だよ、おっ母さん!』(幻冬舎)
手に取る。

日本人の糖尿病、潜在人口は、
なんと2200万人。
5人に一人は危機に晒され、
今も、右肩上がりに増大している、
国民病であることを、思えば、
これは、明日にも役立つ、実用書だ。

そして、極めて読みやすい。

俺たちが漫才を始めた時、
いつもネタ見せを披露していたのは、
グレート義太夫さんだった。

何故なら、義太夫さんは、
お笑いのネタの構造がわかっていて、
漫才の作り方を知っていて、
何より、後輩に優しかった。

そんな義太夫さんが、
1995年から、糖尿病を発症。
長く患いつつも、
その後の15年で、結局、腎不全まで悪化させ、
今は、人工透析を週3回も受ける、
第一級身体障害者なのだ。

この話を聞いて、
殿が、芸名を改名しろと、
「夏目透析」と名付けた。

しかし、この本、
それほどの深刻、最悪な事態を、
淡々と書き進め、ジョークを忘れない。

それでいて、そこまでの事態に至る楽観主義の陥穽。
生活習慣の問題点を列挙していて、箴言だらけ。
実にためになる。

『情報ライブ ミヤネ屋』生出演。
宮根誠司、森若佐紀子、司会。

大宅映子、加藤譲、高尾友行、御一緒。

糖尿病特集、
ずっと義太夫本をプッシュだが。

隣の大宅さんも、宮根さんも、
義太夫本を手に取り、しばし、読み込む様子。

この本、もっと売れるな〜と確信。

帰途、新幹線を
あえて、「のぞみ」ではなく、「こだま」に乗車。

この時間、こだまのグリーン車両には、
乗客は、俺一人。

しかし、昨日、飲んだ分の遅れを取り返さねば……。

『博士の異常な健康』の文庫化ボーナストラック、
山本化学工業の山本社長との対談構成を、
根を詰めてやる。

対談の構成は、好きな仕事。
4時間が一瞬のタイムカプセルの中だが、
お陰で、さらなる極度の眼精疲労。

東京駅より、
中央線、快速の満員電車に揺られて帰宅。

スズキ秘書と共に、
バイオラバーと高速水着問題について、
事実関係の整理をしながら、さらに原稿。
たぶん、スズキ秘書は、
複雑怪奇な、この水着問題に関して、
今、日本で最も詳しい素人の一人だろう。

《 腕利きスナックママは高校生 無許可営業容疑で逮捕 》
《 近畿大生ボクサーが強盗…余罪十数件、部は活動停止 》
《 全国初の裁判員裁判で73人に呼び出し状 》
《 06年W杯ドイツ大会の悪夢再び…日本、豪州に逆転負け 》



6月18日  木曜日

9時起床。
『アサイー』ジュース作り。

12時半、自宅タクシー迎え。

新番組、TBS系の動画配信サイト『goomoTV』、
『桜組』ロケ。

新宿センタービル。
42F、NAC本社へ。
瀟洒なオフィスで衣装、メーク。

BSの別番組「時事魂」懇談会へのコメント収録。

新番組の冒頭。

この部屋で、俺が、YouTubeの動画で、
忍者姿で歌う、
謎のアイドルユニットの「桜組」を発見。

そのCMなど昭和テースト満載の違和感。

いったい、何者なのだ?
ネットで情報を入手するシーン。

そのまま、42Fの会長室で、
NACの西山由之会長と初顔合わせ。

NACは東証一部上場企業であり、
創業者である西山会長は日本経団連の理事。
そして、67歳になった今、
今までの恩返しに、芸能界に進出し、
アイドルユニットを手掛けることに。

コンビ名は桜組。
桜紅丸&欄丸の21歳の中国人双子。
中国政府銀行の高官の娘であり、
中国の芸能学校を優秀な成績で卒業している才女。

今まで、宮路社長、鈴木その子さんや、関口会長などなど。
数々の名物社長のバラエティ企画のコラボを手掛けた、
我々だが、この会長も久々にワクワクする、掘り出し物。

何度か、社長モノ企画には、出演されているようだが……。
腕が鳴る。

移動、西新宿4丁目『キャピタルプロダクション』スタジオへ。
桜組の2人の歌を聴きながら、
初顔合わせトーク、
まだまだ日本語はたどたどしいところが、可愛らしい。

ド派手なピンクに彩られた、
宣伝用の街宣車も、お披露目。
これは、さぞかし、目立つことだろう。

移動。

町田の名物と言われる、西山邸。
NACの工場がひしめく、企業城下町のなか、
まるで本丸のように、山の中腹に聳える。

巨大な門を入口に、山中にある会長宅へ。
併設されるのは、西山美術館。
4000坪の庭園と共に、
ロダン、ユトリロの彫像、絵画が飾られる、
個人美術館。

最初は、大尽社長が作った、
名物秘宝館ぐらいに思っていたが、
館内は、まったくもって本格的な美術館。

ロダンもユトリロも本物なのである。

管理、維持費も膨大であるだろう。

そして、会長自らが、
コレクションの絵を解説する会長の朗朗たる弁、
該博な知識、番組の趣旨を忘れて聞き入る。

ロケを続けていくうちに、
最初は、立志伝中のワンマン社長と思われたが、
地道な勉強家で教養豊かな趣味人だ。
聴けば、大学で、経営管理学を教えていたりする。

さらに食器がマイセンで統一された喫茶コーナーで、
シャンパンを開けて乾杯、
今後の目標を交えて総括して終了。

現場にTBSの角田さん。
『goomoTV』の説明を受ける。

今まで、このgoomoTVのシステムに関して、
まったく理解していなかったが、
スコンと抜けるように腑に落ちる。

従来の形式より、また一歩先に進んでいる。
と思う。

放送・通信の将来について、
門外漢ではありながら、
『博士も知らないニッポンのウラ』
『博士の異常な鼎談』に、
ゲストに呼んできた、
井上トシユキ氏やら、元・通産省の岸博幸氏やら、
ホリエモンやらの資料読みで、
テレビとネットの融合についての
ビジネモデル例を散見してきた。

その時々に、
俺が思った疑問、限界、問題点の数々を、
一気に氷解されるアイデア、
突破口を見出しているではないか。

ロケバス帰宅。
『桜組』をマネージメントする社長の娘さん、
桜組の二人と話し込む。
中国の一人っ子政策の話など興味深い。

帰宅後、明日のラジオ準備。
父の日特集のアンケートなど読んでいると、
ウルウル来てしまう。やばい。

《 「脳死は人の死」案通過/衆院、臓器移植法改正 》
《 サッカーW杯、北朝鮮が44年ぶり出場決定! 》
《 永井大 広末涼子に“公開告白”も障壁あり? 》



6月19日  金曜日

9時起床。
『アサイー』ジュース。

12時、TBSラジオ入り。
13時、『小島慶子 キラ☆キラ』生放送。

募集テーマ「父の日直前。嗚呼!お父さん☆スペシャル」

メールで寄せられた、
「老父が始めたblogを読んでいる娘」
っていう設定で、もうウルウルし……。
父が亡くなる前に読んでしまった、父の日記
を思い出すと、
どうしても涙腺がゆるんでとめられん。

ペラペラ「草野仁伝説(1) 相撲伝説」

15時台、町山智浩コーナー
「GM破産後のデトロイトにアポなし取材したときの話」

終了後、移動。

青山・ブルックスブラザーズへ。
兄に貰ったスーツの直し。

こうじんクリニック』へ。
越智先生とお話。
新型インフルエンザ対策。

17時半、世田谷・TMC入り。

熱血!平成教育学院』収録。

司会:ユースケ・サンタマリア、高島彩。
出演:劇団ひとり、スピードワゴン・井戸田、宇治原史規、
岡田理江、久保田磨希、平山あや、三浦奈保子、
渡辺真理、中野裕太、新井聖二、一緒。

本番前、ユースケ先生と、
映画『レスラー』の話。
2度も劇場へ通ったとのこと。
ユースケ先生、多忙ながら、
よく映画は見ているのだ。

芸能人予選を勝ち抜いた、
早稲田理工学部出身の芸人、
新井聖二が、初出場。

新コーナー、2択クイズ登場。

俺、総じて好調なのだが、
理系算数問題がなんとかなれば……。

エンディングは、
クイズに答えて愛を叶える、
映画『スラムドック$ミリオネア』
のように劇的であった。

お宮の松に運転してもらって帰宅。
いつものように、子育て話。

松嶋×町山 未公開映画を観るTV

「OUT FOXED」の前編。

オーストラリア出身のメディア王、
ルパート・マードックが、
いかにして、新興のFOXテレビを、
全米bPの、ニュースチャンネルに育てあげ、
世論を支配し、意図的にイラク戦争を扇動したのか?

驚愕の事実であり、興味深すぎる。
こんなことが、実際に起こったことを、
日本では、うっすらとしか知らないし、
知らないからこそ、日本にも起こり得る。

メディア関係者なる、誰もが、
YouTubeを追っかけても見るべき問題作。

深夜26時、就寝。
明日は、フミを連れて、山登りと思うだけで、
なかなか興奮。

《 伊首相 今度は買春疑惑!渦中女性が寝室撮影 》
《 西松建設の巨額献金事件・初公判、前社長が起訴内容認める 》
《 男性長寿世界一の田鍋友時さん、113歳で死去 》
《 三沢光晴さん告別式 棺にフィギュアやタイツ 》



6月20日  土曜日

朝4時起床。
ほとんど寝ていないが、
今日の登山が楽しみで目が覚めてしまっている。
子供か!
締切の原稿仕事を全て済ませる。

一昨日、21日の「父の日」に備え、
夜行で、出雲へ行くという、
タケシと二人旅という計画をしていた。

その予定を俺がカミさんに語っているところ、
横で聞いてた、フミが
「ずるいぃ、あたしもいきたい!」と言いだし、
計画は振りだしに。

一度は、朝霧高原のキャンプに決めかけたが、
明日は雨の、天気予報を聞いて、
急遽、第3案の高尾山、
フミの初めての山登りに決定。

しかし、しょせんは、まだ、2歳の女の子なので、
ハイキングに連れて行っても、
どうせ、「オンブに抱っこ」になるだろう。
そうなると、足手まといになるだけだ。

しかし、
「ふみぃ、ぜったい、ばんばる!!」
と手を握り、独自の仕草で言われると、弱い。

さらに、どこの家でもそうだが、
第二子以降の、下の子供ほど、
基礎体力は高くなる傾向がある。
第一子と一緒に遊ぶ分、引っ張られるのだ。
その説で言えば、
確かに、フミのほうが、歩く、走る、
などの能力の発達が早い。……ように思える。

タケシは、この2年で、
高尾山は、既に計4回目。
俺と、スズキ秘書は3度目である。

準備をしているうちに、出発が遅れ、
高尾山口駅、到着は13時。
駐車場は、どこも満車。
やや離れたところに車を止めて……。

ケーブルカーの清滝駅前広場を
13時10分、出発。

改めて、今回のルールは、
フミの「抱っことオンブの禁止」だが、
フミが「帰る!」とギブアップ申告したところで、
下山することに。

その代わり、下山するときは、
抱っこもオンブありなので、
ギリギリまでがんばれと激励。

そのため、おんぶ紐を持参した。

高尾山登山コースは6コースあるわけだが、
通いなれた一号路(表参道)を出発。

薬王院に直結、参拝するための表参道、
この道は、全て石畳で舗装されている。
ここなら、幼児でも、安心、安全だ。

3人で、エイエイオー!を済ませると、
二人、楽しそうに、駆け出し、
そして、手を繋いで登っていく。

幼児二人が、大自然に囲まれ、
目の前の坂を、元気に登って行くのは、
なんとも言えない光景だ。
天気も良好。
一歩一歩、変わりゆく風景に退屈しらず。

平成19年にミシュランの
3つ星観光地に選ばれて以来、
登山者が殺到し、
その分、観光化されてしまったことを、
嘆く声が一部にはあるが、
俺は、高尾山で後悔したことがない。

しかし、2歳と5歳だ。
気を惹かれるものが多すぎる。
昆虫やら、チョウチョや、看板、切り株、
なんにでも目がとまり、
観察をはじめ、小休止。

一度止まると、しばし、子供時間。
そのため、一向にスピードがあがらず、
大人の我々も、そのスローペースに疲労してしまう。

中腹のケーブルカー乗り場まで、
たっぷり、2時間かけて到着。

土産物屋を冷やかしたり、
アイスクリームを買ったり、
望遠鏡を覗いたり。

フミも疲れただろう。
「もう、かえろうか?」と言いだしたので、
ここで引き返すことにする。

しかし、まだ、体力がありあまるタケシが、
承服しない。
「フミちゃん、ちょうじょうには、キリンがいるんだよ!」
なとど、嘘をついてまで、フミを巻き込み……。
結局、フミも、「ばんばるーぅ!」と言いだし、
そのまま、続行することに。

薬王院の入り口、浄心門を左に入るルート、
3号路(かつら林)の道を選択することに。

表参道ルートは、舗装され、安全で、
登山者も老若男女も数多いのだが、
この道は、トイレや茶屋休憩所もない、
全長2・4キロの迂回路である。

傾斜は急ではないが、
道幅は狭く、文字通りの崖っぷちが続く、
鬱蒼たる、本格的な山道。

もちろん、舗装されていないので、
雨が降れば、泥濘になり危険だ。

初めて、タケシの幼稚園の遠足で来た時、
帰り道に、何も知らないまま、
このルートを選択してしまい、
延々と続く、けもの道の連続に、恐れおののき、
さらに、変わりやすい山の天気の、
突如の雷鳴、雨雲に追われ、
肝を冷やした道なのだ。

それでも、子供たちは、
こちらの道がいいと言う。

まず、雨は来ないだろうと判断し、
この道に入るが、
山の南斜面に、悠久の時間と共に、
育った原生林に陽光も閉ざされ、
すぐに、ジャングルムードに。

分け入っても分け入っても青い山……。

幼児には、明らかに難所だが、
こういうスリルがたまらないのだろう。

二人とも、今までの観光気分が抜け、
冒険ムードに酔い、俄然、意気軒昂。

フミも完全体力回復。
安全のために、手を繋ぐことも嫌がり、
真剣そのもので果敢に進んでいく。

タケシが先頭、リーダー気取りで、
「あしもと、きをつけて!」
「ここから、みちがほそいです!」
などと声を挙げ、
気分は、インディ・ジョーンズ。
先日、観たばかりの、
スタンド・バイ・ミーを思い返しているのかも。

後ろから続く、俺たちも一瞬も気が抜けない。
樹齢1000年級の巨大杉が並ぶ光景は、
いつ恐竜が現れても不思議ではない、
ジュラシック・パークだ。

とにかく無事に歩くことだけに専心、
時間も距離もすっかり忘れ、
約1時間半の道のりを経て、
ようやく、人の気配と頂きが見えてくる。

フミ、一度も、グズることなく、抱っこもなく、
最後の500メートルは全力疾走。

4時40分、標高599メートルの山頂に到着。
山麓の出発から、数えれば、計3時間半。
よくぞ、頑張った。
去年のタケシの富士登頂も誇らしかったが、
フミが2歳で、最後まで自分の足で登ったのは快挙だ。

頂上の店は、もう閉店準備。
しかも、18時には、ロープウェイが最終便になる。

下りは、俺のおんぶ紐にフミを括りつけ、
一身同体に。
まるで、ヨーダを背負った、
ルーク・スカイウォーカーか。

「パパ、ばんばれぇ〜」の声を励みに、
修験者の如く速足で。
当たり前だが、
今まで、娘に、こんなに一体感を感じたことはない。

薬王院を抜けるルートを選択。

恐竜は流石にいないが、天狗は出没する。
薬王院の守り神だ。
大天狗、小天狗に挨拶。


参道を駆け下りて、
ロープウェイ乗り場まで、
約30分で到着。

ロープウェイは、
わずか所要時間6分で麓まで。
日本一の急こう配から見える景色に、
タケシは先頭に行きたがる。

予想を超える大満足で下山。
父の日、一日前倒しの企画であったが、
俺には、一生、忘れられぬ、
娘からの思わぬプレゼントになった。

帰途、甲州街道沿いの焼肉『七輪房』で食事。

20時半、帰宅。

子供たちは、今日の大冒険の話を、
得意げに、カミさんに報告するが……。
そりゃあ、母親は心配するって。


《 都議選応援でまた失態 麻生さん「惜敗を期して」 》
《 夫婦げんか、嘘の110番でパト197台出動 》
《 今年初の猛暑日 熊本で35・7度を記録 》


 

 

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