『藝人春秋』特設サイト



8月1日  木曜日

8月突入。
50歳、最後の夏へ飛び込む。

6時起床。

7時半、NHKへ。
8時15分『あさイチ』生放送。

MC:井ノ原快彦、有働由美子アナ。
出演:森公美子、御一緒。

特集「"女のむくみ"解消スペシャル」
▽超簡単!脚&顔むくみ解消術 
▽むくみ予防する体操 
▽病気が判る?チェック法紹介 

ショートトピック:甘酒の効用
ピカピカ日本:埼玉青なす。
解決ごはん:レタスたっぷりトマトだれつけめん。
このつけ麺、絶品。

今日の衣装は、ブルーハワイのシャツに、
みうらじゅん特製松本清張の顔の缶バッチ。

真面目に〜松本清張として顔マネしつつ
画面を見る。

終了後、イノッチと、
『タモリ論』の話と坂口恭平『幻年時代』の話。

それを横で聞きながら、森公美子さん、
「何? 教えて、読む、読む!」と。

それだけではない。
坂口恭平の異能を説明して、
「ボクがやっている『メルマ旬報』で、
 坂口恭平総理に日記を寄せてもらっています」
「それ、興味あるから読むわ!」

森公美子さんは、
こういう話を聞くと必ず「読んでしまう」人なのだ。

この『あさイチ』の雑談から、
ボクが推薦する『BORN TO RUN』を
次にお会いした時には読了していた。

分厚い翻訳で、挫折する人の方が多い、
あの本を完走するのだから。
本当の本読みだ。


Twitter RT @wannyan(九龍ジョー)
「誰も幼年時代の確かな記憶なんて持っていない。
/だが、その時間は確かにそこにあったはずのものだ。
過去の記憶と、後からの情報による補正の間の、
曖昧で形の定まらない時間に、
確かな形を与えること―
これが坂口恭平の『幻年時代』のテーマである」
http://mkamiya.jugem.jp/?eid=125

11時、帰宅。

清水浩監督デビュー作『生きない』(1998年)
をDVD再視聴。


ダンカンさんがこの脚本を書いた時、
まさに第一稿を隣に居て
読んだのを想い出しながら。
清水浩監督のフィルモグラフィーを意識しつつ。

新作映画『キッズ・リターン 再会の時』のなかで、
怪演する池内博之さんのことを今日考えていたら、
偶然にもNHKの『スタジオパーク』に生出演されていた。

SPIDERで確認。

池内さん、
今は大河ドラマ『八重の桜』で大役をつとめているが、
テレビに出ていない間、
蜷川さんの舞台で鍛えられたのだなぁ。


15時、赤坂のBARへ。

日本映画専門チャンネルの
『キッズ・リターン 再会の時』
の公開記念特番の収録。

清水浩監督と対談。


1998年9月11日に、
TFM『ビートニクラジオ』でダンカンさんと共に出演。
この日以来、
15年ぶりの「再会の時」――。

松田優作に憧れ映画界へ、
投影セントラルアーツを経て、
その後6本の北野武作品の助監督の末に、
『生きない』で監督となる、
清水浩監督の軌跡を辿る。

細部に宿る北野武に天才性について、
その証言の妙味も
この日の収録のノーカット版を保存し、
何時か再生しよう。

清水浩監督が、
『横浜放送映画専門学院』出身なのは知っていたが、
ウッチャンナンチャン、出川哲朗くんと
同級生なのは知らなかった。

その「再会の時」も見たいよ。
先輩には「象さんのポッド」もいるのだな。


Twitter RT @okunnoo
BROTHERのメイキングを見ると
いかに北野監督が清水さんを信頼していたかが
わかりますね。

(博士のコメント)↑まだ見ていませんが、よくわかります。
BROTHER撮影時の話も監督から聞きました。
長くチーフ助監督をつとめていますからね。
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今日、収録現場の
お店のモニターで流れていた、
『ヴァクトリア・シークレット』のファッション・ショーに、
ビックラこいた。

男の夢じゃん。
エロスの祭典だ。
これは、ほぼカルチャーショックだ。


本日、「週刊藝人春秋」
連載13(リリー・フランキー編)が、
掲載された『週刊文春』が発売。


Twitterで反響、嬉し。

Twitter RT @haradasenmonka(原田専門家)
世界には色々な単位があるんだな。
と週刊藝人春秋を読んで。
その後の四谷猥談も気になる。

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Twitter RT @idea_ink(アイデアインク)
水道橋博士さんの連載「週間藝人春秋」、
今週はリリーさんのラブドール話。
リリーさん主演の『ストリッパー物語』(三浦大輔演出)
を見たばかりだから否応無く話に深みが増す。
江口さんの描いたドールがエロすぎる!

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Twitter RT @iijjiji
浅草キッド いいとも http://bit.ly/14YXADs
リリー・フランキー いいとも http://bit.ly/VnEu6T
水道橋博士日記 http://bit.ly/11ImBVj
リリーオールナイト http://bit.ly/Xdd3NS

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高橋ヨシキさんの新刊。
『暗黒映画入門 悪魔が憐れむ歌』(洋泉社)
嗚呼、本として、タイトルとカットの、
このカッコ良さ!!



Twitter RT @ash0966(深町秋生さん)
"暗黒映画入門 悪魔が憐れむ歌 - 深町秋生のベテラン日記"
http://htn.to/JX3ifb



8月2日  金曜日

4時起床。
よし起きた。

やるっきゃない!(土井たか子の声で)


Twitter
RT @aizawaaa(相沢直くん)
水道橋博士年表、ブロスのときの最後は
吉田拓郎のアルバムを延々リピートしてた。
いま、5万字年表を作りながら流してるのは
電気グルーヴ「FLASH PAPA」。
正しい選曲だと思ってやってます。

(博士のコメント)↑ご苦労様。
年表受け取りました。足します。
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相沢くんから引き継ぎ、
7時半までぶっ通しで、
8月17日の東京ポッド許可局イベント、
赤坂サカスで先着300名に無料配布する、
「水道橋博士半世紀LIFE年表」作業。

ベースは『TVBros』の特集、
相沢くん、小倉くんの筆であり、
自分の年表で、
自分も参加するのは照れくさいことだが、
記述の正誤を含めて
客観的に空欄を埋めていく。

「決して読めない水道橋博士半世紀年表」作業、
配布紙の字数容量一杯の6万字でストップ。

Twitter RT @aizawaaa(相沢直くん)
水道橋博士の6万字年表読みながら、
ああそうか、「男の星座」ゴラク連載と
浅草キッドのフランス座修行時代は
完全に重なってるのか、と今更気付く。
年表は8月17日の赤坂サカス・ポッド許可局イベントで
配布されるそうなので皆様是非。

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Twitter RT @tomikohan(消しゴム版画・とみこはん)
水道橋博士の完全版年表、凄そう。
ブロスの年表読んだときに、
「ライオンが自身の歴史家を持つまでは、
狩りの物語は狩人ばかりを賛美するでしょう」
て言葉を思い出した。
博士はライオンであり、歴史家なんだよな。
年表、歴史家の歴史家が現れたんだなーって、
相沢さんのツイート読むたびに思う。

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午後、腰痛治療で、
S治療室へ。

「先生、バナナが腰にイイ気がするんです」
と言うと、先生からバナナ・筋トレに
肯定的良き、伸ばし方のアイデアを頂く。

17時半、赤坂BIZタワーへ。
『水道橋博士のメルマ旬報』の編集会議
&8・17配布の半世紀年表レイアウトを相談。

原カントくん
「もう、この字数は絶対ライブ会場で
 読めるものではないですよ……」と。

そこで正式タイトルを
「決してLIVEでは読みきれない
 水道橋博士の半世紀LIFE年表」に決定。


移動、MXテレビへ。
21時、『ニッポン・ダンディ』生放送。
出演:園子温、高山善廣、
関谷亜矢子、サヘル・ローズ、ご一緒。

映画解釈コーナーのテーマ:映画のカッコイイ男
ゲスト講師:高橋ヨシキさん


生放送終わりで、
園子温監督と新宿ゴールデン街へ。


先客に『キングレコード』の
キング・大月プロデューサー、
業界の大立者の氏と久々にご一緒した。
相変わらず、ぶっ飛んでいて、
人として面白い。

串揚げ屋『どんがらがっしゃん』は、
70、80年代の歌謡界の貴重映像が流れるお店。

「昔の歌謡番組の中継と今が違うのは
 天井の高さなんだよ。
 『ザ・ベストテン』から変わった」と」

大月さんの昭和歌謡論。
現場からの叩き上げなので説得力が違う。

ボク達の世代の女神、筒井真理子さんが合流。
この時間から来てくださるのに感激。


朝5時帰宅。

8月3日  土曜日

8時起床。
寝室へ。
夏休みに朝からテンションが低い奴は、
許さねぇ!

「オテンション・プリーズ!」
と子供たちに言いに行ったら、
「とっくに起きてるよ!
 パパの方がテンション低すぎるよ!」
と言い返される二日酔い。


マンガ誌に「まんしゅうきつこ」さんへ
応援コメントを寄せる。
素晴らしく芳しいお名前だ。
マンガも実に味わい深い。


Twitter RT @haradasenmonka(原田専門家さん)
まだまだあまちゃんですが、
8月3日、4日、10日、11日は、
高円寺のギャラリーめばちこでパ紋の個展。
開催中は在廊してます。



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屋上日焼け部の後、
ご近所なので、
歩いて娘と末っ子を連れ、
原田専門家さんの
パ紋(パーソナル家紋)の個展へ。

昔からお気に入りなので、
新しいバージョンも、
発注したいのだ。
お忙しそうなので遠慮していたが、
今後も、新たなパ紋も発注。


昼、長男が再びサッカー合宿へ旅立つ。
今回は御殿場へ3日間。
学校の行事ではないので、
周囲は全員見ず知らずの環境へ。

震えている――。
未知への緊張感が半端ない。
でも少年よ、未来へ旅立て!!

ボク、終日、6万字年表作業へ。
自分の話だ。
既知への回顧感が半端ない。
でも老人よ、過去へ旅立て!!

長男がサッカー合宿、
カミさん、娘、末っ子は、
ママ友のゴルファー宅で
芝のバーベキューへ。

都内でゴルフ練習場を持つ……。
ってどういう家なのだ。


夜、カミさん一行は楽しそうに帰ってきたが、
ボクはひたすら年表作りと、
『水道橋博士のメルマ旬報』次号Vol.19用の、
タモリ特集の編集長作業に明け暮れる。


8月4日  日曜日

6時起床。

『水道橋博士のメルマ旬報』の締め切り日。
と言っても昨日が締切日だ……。
ボクもやらねば。

薬師丸ひろ子の来生たかお作曲メロディーを聴きながら、
『水道橋博士のメルマ旬報』用の日記を書き続ける。
今回も3万字を越えてしまった。
誰が読んでいるのだ。

8時に、
「オテンション・プリーズ!」と、
子供部屋へ起こしに行ったが、
「…………」
昨夜は遅かったので、
誰の反応もなかった。

一昨日、ゴールデン街でボクのバナナなくしてしまった。
そんなバナナ。
今はバナナ無しでは生きられない。

ブラジルじゃないほうの密林Amazonから、
よしもとじゃない方のバナナが4本届いた!

草間彌生をアクセントに入れてみた。
既に、段ボールの中がアートだ。


原田専門家さんのパ紋の展覧会。
昨日に続いて家族で再び訪れる。

同じ形が連続して続く、
モノグラムのポスターも奥深し。

子供たちはパパの紋を探す遊びに熱中。


齢五十。
たいていのことは慣れているはずだが、
地下室に娘がこの姿で突然、
現れた時には驚いて絶叫したなぁ……。


愛飲している黒糖焼酎『陣松』を夏のご挨拶に頂いた。
よく、これはどういうお酒と聞かれるが、
『くら』誌に紹介された一文を紹介。


昨日からフジテレビの
『27時間テレビ』生放送が始まっている。

このときほど毎度、痛感させられるのが、
SPIDERの便利っぷり。
これだけ長い番組の全録画で、
SPIDER視聴者が面白いと指摘した瞬間に跳べる。

27時間テレビに賛否両論あるが、
ボクは完全に面白い派だ。

「今夜は眠れない」は相変わらず、
さんまさんの勢い衰えず、
スタジオと中継を繋ぐことすらしないで、
淡々と大型セットでボケ続ける、
殿のコーナーにも矜持を感じる。

『すべらない話』 
突如、勃発した、
大島vs西野は、
鈴木おさむが進める、
バラエティのプロレス化だった。


8月10日発行
『水道橋博士のメルマ旬報』
VOL.19号は、「タモリ特集」――。
編集作業を終日。

続々と原稿が集まる。
この号は特別寄稿を入れて31大連載になる。

新たに「それぞれのタモリ論」(仮)と題し、
短期集中連載として、
ネットで「タモリ名言集」がお馴染みの
「やきそばかおる」さん登場することに。


明日は6時半出発、
岡山で瀬戸内海放送の
「報・動・力」収録の日帰りへ。

送り迎えを事務所の後輩
「マッハスピード豪速球」のガン太がつとめるが、
運転手就任以来、名前負けし、
渋滞を繰り返し、逆に、スピード違反になったり……。
アイツで大丈夫だろうか。


8月5日  月曜日

6時起床。
「オテンション・プリーズ!」
と子供たちを起こすこともなく出発。

ガン太の運転、何も起こること無く、
車内、照英話の録音を聞きながら、
羽田へ到着。

「アテンション・プリーズ!」
と本当にCAに言われながら、
8時出発のJAL便で岡山へ。

本をまとめて読む暇もない毎日だ。
機内、読書が楽し。

Twitter RT @ahobontetsupe 今オススメの本は何ですか?


(博士のコメント)↑今日の旅のお伴をしている本たち。
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岡山空港から瀬戸内海放送岡山本社へ。

空港からの道中の山間、
どこまでも深く、広がる
蝉の鳴き声の大合唱が印象的。

市街地へ。
故郷感がどっと押し寄せる。

今日は、この後、
岡山シティミュージアムで
『報・動・力』の収録。

その後はどうしようかと――。
日帰りしている場合か、夏なのに。
狂ってこそ、夏だろう。
岡山駅前、全日空ホテル20F、
厨・せん(サンズイに、存と書く)で、日和御膳を頂く。

瀬戸内海放送・多賀さん、
黒田さんと一緒に。
五木寛之の「地方都市の風景」の話題。


本日の収録会場、
岡山シティミュージアムへ。

昨年10月常設展示になった
「岡山空襲展示室」へ。

館長補佐(学芸員)小野田くんは、
高校時代の同級生だった。

しばし、
ボクの暗黒の高校時代の空白を
思い出してもらう。

「岡山空襲展示室」で、
第5回『報・道・力』
「平和をつなぐためには……」収録。

岡山空襲の語り部・澤田和子(84歳)さん、
香川県原爆被害者の会の会長で、
ジャズ・ピアニストの好井敏彦(67歳)さんと、
山陽女子高の校外学習、
就実高校の放送部、
女生徒6人とのトークの司会。


広島・長崎、東京大空襲は語られることが多いが、
1945年6月29日の岡山空襲では、
1700人以上(2000人の説も)犠牲者が出た。

この空襲の話は両親から聞いたことがあるが、
この規模であったことを50歳で初めて知った。
総人口の80%が戦後生まれで、
戦争体験者は高齢化して、
当時の体験を語れる人が少なくなっている。

ゲストの岡山空襲の語り部、
沢田和子さん(84歳)のお話。
その語りを聞いているだけで……

16歳の時、焼夷弾で8歳の妹さんが、
目の前で焦げ死ぬ瞬間が浮かび上がった。

好井敏彦さん(67歳)は、広島で体内被曝した。
職業はジャズ・ピアニストだが、
手を見ると、あまりに指が短すぎる。
ちなみに世界で一番指が短いピアニスト(笑)
と自称している。

子供の頃、ピアノの前に座ると、
誰に教えてもらったわけでもないのに、
生まれつき、ピアノが弾けたらしい。

ピアノを見たことすらない時代に、
何故、自分が生まれつき弾けたのか、
自分自身、わからなかったそうだ。

大学で吉田拓郎が仲間に居て、
坂田明が同級生だった。
そして導かれるままジャズ・ピアニストへ。

ある日、自分と同じく、
広島で被曝したピアノが巡り巡って、目の前に。
このピアノを弾いた瞬間、
自分の天命を知った。
「嗚呼、このために自分は今まで生かされていたのだ」と。

今は世界中で反戦のピアノを弾いている。

現代史で最も大虐殺のあった、
ルワンダの復興にも携わっている。

話を聞きながら、
人生は夢のようなものだ――と思った。
番組の最後にコメントを求められボクは――

「戦争を知らない子供たちが、
 そのまま大人になった時、
 戦争を知らない子供たちを戦場に送る。
 だから疑似体験であっても、
 戦争はその悲惨さを
 大人も子供も知らなければならない」

とまとめた。


明日のスケジュールを見ながら、
日帰りのはずを
急遽、岡山泊にする。

何時も送迎してくれる、
兄に連絡するが、今日はお店の改装で、
多忙とのこと。

ここからは思い立ったら吉日だ。
知り合いに電話をする。

前回の倉敷シンポジウムで知り合った、
商工会議所の秋葉くん、小野くんに繋がる。
今日の予期せぬ「旅の仲間」だ。

そして、2人は社会人なのに昼間から、
岡山シティミュージアムにお迎えに来てくれた。
「今日の夜はどこまでもお伴しますよ!」と。

岡山の新おしゃれスポット、
問屋町を車で流す。
かなり広大な街全体が駐車スペースになっていて、
基地の街のようだった。

車内トーク。
12歳も年下だが2人共、
昔からの地元の友達のようだ。

倉敷へ到着。
80歳の母の施設へお見舞いに。

「お母さん、明日、
 娘と一緒に親ばか特番って
 テレビに出ますから見て下さいね」
「あんなオテンバさんが……まぁー……」
と驚く母。

しかし、その話が覚えられず、
数秒後には、
同じ話を何度も何度も無限にループし、
話は終わらない。

介護の方々へお礼を申し上げ、
部屋を後にする。


倉敷の実家へ。
現在リフォームの真っ最中。

たまたま、お隣の蔵を改装した
住居に、引っ越したばかりの、
お義姉さんが居て、しばし、お邪魔する。

今日は会えなかったはずの兄とも偶然に遭遇。
2階、改装部分のブルーシートの前で一枚。


二階を取り壊すため、改築中の築七十年の生家。
茶道具や掛け軸など、
「なんでも鑑定団」向けの骨董品が次々と発掘される。

こういう機会がないと埋もれたままだったのだな。


実家を離れて二人の案内で夜の街へ。

美観地区近くの再開発の路地裏のお洒落カフェ。
ソファの配色がイイ。
ボクが遊んでいた場所に知らない間に、
新世代のお店が次々と出来ている。


亡き父の最も忘れがたい想い出として、
『キッドのもと』(学研パブリッシング)に書いた、
小学生の頃、週末、
父に連れられて行った「愛文社書店」へ。

ここでボクは本好きになったのだ。

胸いっぱいになる。
店の佇まいも、
そして、ご主人夫妻も40年前と何も変わらない。

本棚に『藝人春秋』発見。
思わず「サイン本にさせてください!」と。
キュンキュンする。


倉敷の地元の海産の名店『多幸半』――。

最近は、倉敷に帰ると、必ず行っているが、
美観地区に出来た新店へ。

大将は小野くんの高校時代の同級生。

カウンターに座って、
寄島でとれたばかりの瀬戸内海産の絶品料理
次々といただく。




初対面の大将(名前が「渡辺準!」)も一緒に。

西寺郷太くんが『メルマ旬報』の連載で紹介してくれた、
岡山のクラブ王、あの阿野くんも合流。


「ではいきますか、今日のクラブ活動へ」

と、ボクの実家の近くへ再び。

ボクが生まれたのは稲荷町。
その実家から歩いて50歩、
同じ町内であり、小学生時代の通学路に、
昭和レトロな建物を居抜きのまま飲み屋街にした、
『クラシキ ゴールデン横丁』が7月末に開業した。
男四人で繰り出して梯子酒。

まるで今度、公開になる映画、
「ワールズ・エンド」ツアーだ。


『クラシキ ゴールデン街』で店を変えつつ、
阿野くん発案の
「おしゃれ〜シリトリ」を続けつつ、
路地裏を次々と店を変えていく。


お店の切り絵ひとつとっても郷愁。

すっかり酩酊した深夜、
「こーなったら倉敷の竜宮城へ行きますか?」
タクシーへ乗り込み水島へ向かうことに。

「海外は浮気自由と妻も公認している。
 本州は国内だけど、北海道、九州、四国は海外。
 それだったら水島は島だから、
 表記上は、つまり海外だから」

と強引な理論をボクが展開する。


行き着いた先は、工業地帯の水島、
住宅街、民家の並びの中に、
不夜城の如く現れる竜宮城は、
その名も『六本木』、
3階建ての巨大ゴージャスキャバクラ、
今日のボクは泊まり先さえ決めていないのだ。

こうなったら、旅の恥はかき捨て、
「六本木心中」を誓って入店。


水島の「六本木」で、
10年ぶりのキャバクラ豪遊していた……。

平均年齢20歳前半の女の子が次から次へと。
佃煮にするほど、うじゃうじゃと発生している。

しばらくすると
「何の仕事をしている人ですか?」
と女の子が……。

どうやら自分が単なる白髪の若作りお爺さんとしか
認識されていないのに気がつく。

皆、本も読まないし、テレビも見ない、
スマホだけを見ているのだ。

それでも、独身貴族を装っていた。

しかし、阿野くんの友人、
岡山放送の社員の白井くんが合流し、
着いた途端に、
「博士、明日の親バカ特番を楽しみにしています」
と、ボクにご挨拶し、
本日の東京からやってきた浦島太郎、
全ての虚構の城が瓦解する。

竜宮城の鯛やヒラメの舞い踊りの最中に、
完全に玉手箱が空いたよ。


壮大な空振り。

水島で見ていた竜宮城の夢から覚め、
亀に乗って、
いやタクシーで引き返し辿り着いた先は
秋葉くん宅。

秋葉くんの引っ越ししたばかりの新居。


家には0歳、4歳児も居るのだが、
酔いに任せて、
「田舎へ泊まろう」。
奥様は既に寝入っていた。

しかし和室へ綺麗な布団と
パジャマが用意されていた。

先に図々しくシャワーを浴び、
阿野くんを一緒に寝床に誘っているうちに
虚ろになり、
夢の中へ落ちていく。

2011年 12年

 

 

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