10月11日 土曜

 「PRIDE.1」東京ドーム。高田・ヒクソン戦。
 「リングの魂」観戦ツアーで、ゲート前に待ち合わせ。
 メンバーは、ナンちゃん、ブラザーコンさん、桑マンさん、
 勝ちゃん、森本レオさん、オーケンらと一緒。

 安生選手もオープニングには居て、
 そこに前田日明兄さんが途中から現れると聞き、なにやら、
 きなくさい雰囲気に。
 赤江くんは便所で、高橋義生にも遭遇したりした。
 メインの入場式は感極まったな〜。
 テレビカメラに号泣する姿を撮られるのは、
 仕事の一つの形とはいえ、やっぱり、抵抗がないわけではない。
 恥ずかしい。

 結果はかなり、ショックが大きくて、いろいろな感想があるのだが、
 「紙のプロレス」には800字で感想を寄せてくれとのことで、
 赤江くんと話をしながら、我々の感想をまとめる。

 本当にファンとしては、いろいろ言われてたけど
 主催したKRSには大感謝しないといけないね。
 何度も暗礁に乗り上げながらも、
 この一戦をとうとう実現したことに意義があるもん。

 昔「最強」を唱えた男・猪木のチンポの汁の一滴から、
 これほど、大怒張の勃起をさせてもらえるような、興奮状態、
 高ぶりで試合を見せてもらえるとは。
 「やりたい」と決めたら裸一貫、リスクを顧みず、
 生板本番に登る男の心意気っていうものを全体に感じましたね〜。
 よく言うところの昭和のプロレスファンの最近のインポぶり、
 萎えぶりは深刻だったもん、
 まだまだ、こんなに男騒ぎで勃たせてもらえるとは。
 どんな強精剤よりビンビンに効いたよ。

 会場のリングサイドに陣どった、番長の前田、雪辱を秘めた山本、
 さらにその近くにいた、ヒットマン高橋義生、
 そしてセコンドについた忠治一の子分、安生、
 さらにハン・ソロのように帰ってきたさすらいの流れ板(?)宮戸、
 それぞれの思惑はともあれ、こういう状況を待ってたんだよ、
 って言う気持ちはありますね。
 整理され、棲み分けられ、
 オシャレなスポーツ化に向かう流れではなく、
 渾沌とした局地戦、渦巻く心理戦の綾を感じつつも、
 誰もが一心に高田の勝利を祈る気持ちが通じてる大劇場なんて、
 確かに昔の猪木一人屹立してた頃のあの求心力を思いだしつつも、
 ああ、この現場に立ちあえた〜って感激に震えたな〜。

 やっぱり、プロレスって連綿と続くドラマであり、
 師弟に引き継がれる遺伝子や、人間の集合離散の物語なんだな〜
 って思うんだけど、その思い入れってプロレスを見続けてきた
 記憶の賜物だからね〜。
 それを全部、ご破算にした、ヒクソン・グレイシーって男は、
 敵ながらあっぱれな「憎みきれない想い出殺し」なんですよ。
 結果はあっけなくてもいいじゃん。
 その前の膨大な記憶とドラマがあるんだから。
 とにかくこの大会には、批判なし、
 どの団体のレスラーでも次ぎのヒクソンにチャレンジできる
 土俵作りを願いたい。(キッド談)

 六本木で番組打ち上げ。
 桑まんさんと初めて飲んだのだが、
 今まで、さんざん酒乱エピソードを聞き及んでいたので、
 どんなドンチャン騒ぎなのか?と思っていたら、なんだか、
 自分でその酒癖を自覚しながら、確かめるように、
 静かにエンジンを噴かしてるような、大人の落ち着いた飲み方だった。

 『博士の異常な愛情』に書いた、
 「クワマン、カイマンとタチマン」
 って貝満ひとみとの異種格闘技戦の話をおそるおそる聞いたら、
 「ああ、書いてくれて全然いいよ、
  もっといいエピソードがあるんだよ。
  その貝満と交わった、ワニにロケ先で偶然会ったんだよ。
  思わず、「お兄さん」って呼んだよ」だって。くだらね〜。 

 大槻ケンヂに団鬼六の短編「宇宙人の将棋」の話をしたら、
 俄然興味持っていた。
 そこそこで、引き上げる。

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 10月12日 日曜

 お台場。10時入り。
 「東京ごはん大好き祭り」イベント。
 この間、ゴールドラッシュで優勝したプラスドライバーと一緒。
 ライブシーンでは、やたらと評判のいい3人組みなので、袖で拝見。
 コントなのに、ハンドマイクでやらされるのは、かわいそうだった。
 こういうのって、主催者と事務所が事前に準備してやるべきことだ、
 それで、芸人がやりずらそうなのも、
 イベント自体が本来盛り上がるべきところまで、いかないのも、
 もったいないことだ。
 ましてはタダ見の客ってのも、てこずるだろう、
 彼らには、まだ、ボキャブラ人気なんてのもないのだから。
 でも、ゴールドラッシュで優勝するのもうなずけた。うまい。

 我々も1時半、4時半とネタを変えて、やる。
 一昨日の角川ひろしさんではないが、こういう場所でも
 10年選手として、場慣れ営業慣れしてるところを一応、見せる。
 ま、メインは我々ではなく、オスカープロが仕掛ける、
 「業界初のマルチメディア型タレント」の
 メディア・ガールズのコンサートだ。

 出番前から、絡みやいじりについて、中尉事項を事細かく言われ、
 言われれば言われるほど、うざったくなるものだが、
 彼女らの溌溂とけなげに輝く美貌、スタイル、向上心に打たれ、
 浅草キッドらしからぬ、相手を立てまくる、ソツのない司会する。

 私服姿のメディア.ガールズを見てたら、
 いったいどんな男がこんな女性に相手するんだろうと思うよ。全く。
 でも一応、指相撲で4P手込めしておく。
 夜、赤江君とネタ合わせ、さらにネタ大きく変わる。

 結局、フジテレビと松本人志のケンカは、
 「ごっつ」の打ちきりで決着した。
 なにより、「ごっつ」のコントが見られなくなるのが、惜しい。
 もったいない。
 今や、日本で唯一の先鋭的なコント番組であり、
 実験的なお笑いを高いレベルでやってる時間なのに。
 この位のことで、松本の人間性やら、大人じゃないなどと攻撃し、
 さもダウンタウンの地盤沈下のように世評を形成する
 連中の気が知れないな〜。
 横山やすしのワガママとはまったく違うだろうに。
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10月13日 月曜

 ビバリー起床。ゲスト談志師匠。
 「自分が芸を見せるところが、神殿である」と、
 小朝師匠の武道館に対しての発言。
 談志師匠らしい。

 そして、第2回「浅草お兄さん会」
 200席満員立ち見まで出る大盛況。
 「2時間漫才」「高田笑学校」と手を抜かず、
 全力入れてネタをかけてるのが、客席に反映しているのだろう。
 やたらと年配のお客さんが多い。
 一時は浅草キッドの動員力もこれまでか。
 と思った時期もあるが、まだまだいける。
 「お兄さん会」の精鋭率いて客おこし、やったる。あきらめない。
 それでも、東京のライブでもっとも女子高生率の低い、
 そして男性客の多い、お笑いライブだろう。
 それが本意であるわけではないが…。来たれ、女子高生!

 14時30分に入り、こまごまとライブの運営を指揮。
 ボランティア部隊も会場設営から動いてくれる。
 ありがたいことであるが、いろいろと指示を飛ばしたり、
 個々に話をしたりするのは苦手なので、
 オレとしては愛想がなくて申し訳ない。

 今回から賞金マッチを導入。
 我々がネタ見せした新人、無名芸人9組が
 観客の投票で賞金1万円を競い合う形式。
 優勝は予想通り、東京ダイナマイト。
 ほとんど舞台童貞みたいなものなのだが、なぜか「ウケる」。
 ただブタマンを買いに来る客と店員だけの設定なのだが「ウケる」。
 このレベルでネタ何本もできれば、
 すくなくとも演芸シーンのなかでは化けるだろう。
 スピジーは2位、3位は18KIN 。

 我々は新ネタ「自虐のバラ珍」ネタ下ろし。
 大ウケにはならなかった。
 司会と新ネタでけっこう神経衰弱する。
 ネタ見せなんかえらそうにしながら、
 自分らがヘタをこいていられないからな〜。
 にしても、アンケートを見ても、
 今まで、オフィス北野主催でやったライブの中では、
 もっとも充実した内容であったと思う。
 経費節減で打ち上げもなく、家でビール2本でコテン。
 

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10月14日 火曜

 ガブリンチョ、ロケ。
 「研修医なな子」の収録現場、目黒スタジオへ。10時半入り。
 名医決定戦・お医者さんゲームを出演者に出題。
 佐藤藍子に生遭遇。
 廻りのスタッフ、マネージャーの気遣い、すんごいね。
 CMの女王たるスタッフ・ワークだわ。
 
 毎回、ガブリンチョはそうなのだが、
 昼休みの30分しか時間をもらえないので、
 いきあたりばったりなのだが、柳沢慎吾さんがとにかく、
 現場を盛り上げてくれるので助かる。
 でも指相撲で負かしておく。
 (バレーボールで指が鍛えられ、親指が180度曲がる特技を持ち、
  今まで指相撲で負けたことがなかったそうだ)

 帰宅後、ドゥへ。

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10月15日 水曜

 ビバリー起床。
 「ラブ・ジェネレーション」VTRで。
 PRIDE1の速報号の雑誌買いあさる。
 
 夕刻、ドゥへ。
 ライブスタッフ募集で来ていた、旧知の井上くんが、
 家の前で待っていたので話聞く。
 バイトもやめて、今日からでも住み込みしたいと思い詰めて、言う。
 とりあえず、もう既に男3人暮らしなので、難しい旨、伝える。
 むしろ芸人になりたいなら、自分でコンビを組み、ネタを作り、
 ライブのネタ見せにいけばいいことだ。
 才能しだいでなんとでもなると話はするが…。

 でも、もともとオレが殿のところに行ったのは、
 芸人になれるからではなかった。
 舞台など、このオレが立てるとは思ってもみなかった。
 なんとか、現状を変え、血を入れ換え、
 どうしようもない自分でない人になりたいからだった。
 その頃、自信もないし、自分に才能があるとも思わなかった。

 だから、こういう駆け込み寺みたいにオレを訪ねる人でも、
 失礼でない奴なら、話は聞いてしまう。
 でもな〜。深刻に聞いていてもしょうがないし〜。
 お笑い的解決方法として、お金を貯めるために、
 まずキャバクラでのバイトを推奨する。
 話をしているうちにオレが働きたくなった。

 とりあえず、ムゲにはできなくて、
 無毛鈴木くんとコンビを組むことで、結論。
 どうなるかは、わからん。
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10月16日 木曜

 ビバリー起床。
 夕方、ドゥへ。
 ハゲ鈴木くんがやりたがるので、ジャズダンス授業を受けるが、
 まったく、なんにも出来ない。
 しかも、鈴木くんの姿は、まるで、
 ナイトメァー・ビフォー・クリスマスの
 ジャックが踊ってるようだったな。
 
 新宿ニューアートで写真撮影。
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10月17日 金曜

 ビバリー起床。
 若手の連中が面白い、面白いと評判になっていた、
 「めちゃイケSP、ナイナイ岡村、ジャニーズJrに挑戦」を
 調達させてビデオで見る。

 なんだか、ダビングにダビングを重ねた、
 初期の裏ビデオみたいな画面で、見づらかったのだが、
 それも気にならなくなるほど、バカ面白かった。
 バックステージ物、スマップ、踊り、5万大観衆、掟破り、
 などなんだか、「オモロ」の要素、てんこ盛りで最後に向けて、
 ヒートアップしていくうねりはドキュメンタリー・バラエティー
 としては、もはや、上質に作品化してるのではないか。
 岡村が、あのスマップを相手に最終的には、ねじ伏せるところが、
 なんとも、かっこいい。

 17時、渋谷ビデオスタジオ、 TOKYO FMのスタッフと顏合わせ。
 事務所、森社長とミーティング、伊従さんと下北沢で飲む。

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 10月18日 土曜

 二日酔い。
 ハゲ鈴木くんは、泊まり込みで、タップダンス講座へ。
 オレは止めやしないが、そんなにやる気なの?
 北郷も殿の坊やで、外出。
 ひとりぼっちで、外出せず。わびしいもんだ。

 「オルタカルチャー日本版」読む。
 昔、サブカルと呼んでいたものが、今や、
 オルタカルチャーと呼ばれるべきものなのだという、
 前提に編集された字引きなのだが、
 こういう言葉辞典ものにしては、
 まるで飽きもこない、名解説そろいで、
 かつ、項目への情報量も多く、
 なによりオレの好きな人も数々、載っているのだが、
 相手を揶揄したり、皮肉たっぷりというより、
 偏愛と愛情あるオマージュ揃いで、本を置けないほど。
 全ての項目にURLが付いているのも、
 この本、長く飽きさせないだろう。
 なるほどね〜の連続でありながら、
 オレが疎いことだらけにもかかわらず、しかし妙にオレとの関心が
 クロスする項目も多いので、執筆者みたら、
 やたらと知りあいのむしろ仲のいいライターだらけで、驚いた。
 おい、なら「浅草キッド」もいれとけよ。まったく。
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 今日で、書類送検から一周年。
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10月19日 日曜

 北郷に朝起こすよう、頼んだら案の定、寝坊。
 急いで、スクーターで東京駅へ。間に合う。
 新幹線で福島に向かう。
 「福島コメ王国」〜王国フェスティバル〜イベント。
 このところ、お米イベントづいてるな。
 会場の四季の里の風景がのんびりと田舎していて、つくづくと、
 こんなところで、のんびりとドライブでもしてみたいもんだ〜
 とオレらしからぬ妄想をする。

 「白線ながし」の酒井美紀ちゃんと一緒。ほんわりと、可愛らしい。
 でも嫌がる美紀ちゃんを指相撲で手込めにしておく。
 ミニコンサート、浅草キッドネタ、クイズコーナーで終了。
 ぽかぽかと暖かい秋空のなかで、気持ち良く漫才してたな〜。
 福島在住の元ハガキ職人の
 井上もやし先生が、家族連れで来ていて、
 一緒に写真をとったりする。
 なんだか、こういう家族の瞬間を見たりすると羨ましくも感じる。

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 10月20日 月曜

 ビバ起床〜と心おきなく書く。
 ゲストは大滝詠一仙人。3年ぶりの出演。
 今や「ラブ・ジェネレーション」の主題歌担当としては、
 まさに時の人ではあるが、
 我々より上の世代のカルト・ヒーローに
 ありがちな「デブしょう・ジェネレーション」の代表者なだけに、
 貴重な肉声の生登場。
 こうして、たまに生存が確認されるだけでも、
 ありがたいことなのだ。
 「最近の近況〜」を聞かれ、
 「毎日、ビバ起床です。水道橋博士のネット日誌ではないけれども」
 と答え、高田先生ともども
 「あの日記は絶対やめちゃあいけませんよ」とのお言葉。
 びっくらこく。大滝先生まで読まれてるとは。
 ますます書けなくなるではないか。

 14時からTOKYO FMへ。作家志望の小泉くんを連れて打ち合わせ。
 番組の立ち上げというのは、やってみなければわからないもんだ。


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