8月21日  金曜

 中野ゼロホール。
 浅草キッドの『2時間漫才2〜ツービート襲名披露」初日。
 
 定員550名満員、当日券も5分で売り切れ。
 もちろん、稽古不足を幕は待たないのだ。
 毎回、舞台は
 ギリギリのプレッシャーを気持ち良く戯れるつもりなのだが、
 ここまで、切羽詰まって、追い詰められた気分で出るのは、久々。

 今回のイベントが、お笑いのニュアンスより、
 シリアスに捕えられているのか、
 登場および出だしが、
 客が重く、空回り、空回りで、
 「ツービート襲名ネタ」30分を錐揉み飛行でこなす。
 「日本人の質問」に入って空気が和み、持ち直したところで、
 既に一時間を経過。
 用意した、「電話相談室」のネタを全カット。

 中入後、紋付き、袴姿で襲名披露式、
 ビートキヨシ師匠の懐かしの「雨の権の助坂」、
 歌いながらの入場に客席大拍手。
 名義代、10万円手渡す。

 後半、一本ネタ「オレたちの旅・修学旅行」は
 客を手のひらに乗せ「大受け」状態になる。
 まずまず、一安心か。

 舞台終了後、キヨシ師匠ともに、
 全局ワイドショーから取材を受ける。

 帰宅後、明日の対策。

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8月22日  土曜

 2時間漫才。2日目。
 本日も満員御礼。
 本番前に、甲子園決勝で、
 横浜・松坂のノーヒットノーランの快挙を聞く。
 後々、自分史としては、この日として記憶できるだろう。

 ところが、昨日とは打って変わって、
 今まで出た舞台のなかで、もっとも、本番前の緊張感がない状態に。
 いつもは、最終減量後のボクサーのような体調で出るのだが、
 差し入れの寿司まで平らげてしまったのは、自分では珍しいのだ。

 昨日より、重い雰囲気もなく、出だし快調だったが、
 途中からミス、失念増える。
 今回は「電話相談室」入れる。

 が、最後の最後にとんでもないアクシデントが発生。
 エンディングの「スタンド・バイ・ミー」の音が流れず、
 しりすぼみに。
 最後のしんみりの後の、
 「バカが観る〜」〜の舌だし、までがネタであったのに。
 無念では済まされぬ、シャレにならないスタッフ音響ミス。
 これが、今までやってきたことのラストか〜!
 赤江君が一人で舞台にいる、5秒間だけ、
 幕合でポロポロと泣いた。
 
 しかし、こ、こ、こ、れはビートたけしの呪いか。

 赤江くん曰く
 〜「猿の惑星」のエンディングに、
  「自由の女神」が出てこないようなものんだと。

 打ち上げ。

 漫才の舞台には、我々2人のみだが、もちろんこの祭り、
 お神輿をかついでくれる、
 スタッフには感謝感激は言うまでもない。
 
 皆さんの手を取り一人ひとりに、
 「ありがとう」と西川きよし師匠のように、
 ごあいさつしたいところだが、
 自分が一番上にいて、気を使われるって人間関係が、
 どうにも、こうにも、苦手で無愛想でゴメンナサイ。

 2次回、「俺ん家」、3次回、俺の部屋。

 結局、泥酔のマキタスポーツと語ってたらしいが、
 もちろん、記憶はない。

 マキタ、国井くんが宿泊、朝7時まで。

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8月23日  日曜

 もちろん、昨日のネタ「電話相談室」の影響だが、
 昨晩からイタズラ電話多し。
 舞台まで見に来てるヤツらに、
 それほど、悪質なやつはいないだろう
 〜と性善説で考えるのだが、そうでもないみたい。

 辰吉、不本意な防衛戦にリングで号泣。
 背番号11永久欠番、村山実死去。
 
 夜、山口帰りのバウバウ松村くんと、新宿へ外出。
 「ダンカンさんにレカルノ映画祭受賞おめでとうございますって、
  電話を入れたんですよ、そしたら、ダンカンさんが、あんな賞、
  俺じゃなくても誰でも取れるんだよ、それより、なんで、
  俺が日本を留守している間に、阪神が12連敗もしてんだよ、
  松村、ふざけんなよ、てめぇのせいだろうが、どうしてくれる」
 〜って叱られたらしい。ダンカンさんらしくて面白い。.
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 8月24日  月曜

 ビバ起床だが、
 3カ月に一度の古館節に惚れ惚れ。

 ワイドショーでは、
 「新ツービート」襲名が各局流れる。
 初体験の、この事態だが、あんまり感慨わかない。

 K−1ドクター中山先生と連絡とりあい、仕込み。

 お台場、フジテレビ『SRS』
 格闘お宝鑑定。2本収録。

 芸名、「元浅草キッド」で出演。
 「元プリンス」〜みたいでいいな〜。
 我々はアンディ・フグの靴下と、たこ八郎のトランクス出品。
 この番組のプロデューサーとスタッフの人が、
 一昨日の漫才の舞台に来てくれていたので、
 それだけでも、安心して、お仕事が出きる。
 (〜って書き方は抽象的だが、つまり、本来の浅草キッドらしく、
  テレビ対応にハメ込められず、過ぎたるを良しとされるような、
  求められている仕事ができる〜ってこと)

 鑑定人の「流対力学」のハゲ野さんこと前野さんとも久しぶりに。
 (昨年の2時間漫才の感想で、
  一番急所をくすぐる文章を送ってくれた人だったので、
  今回も来てくれるものと思っていたのだが、
  海外出張だったらしい)

 待ち時間、何故か丸ボーズ頭の大槻ケンヂとトーク。
 最近の我々の東スポ的露出を面白がってくれる。
 オーケンも以前、
 ロックのプロレス的アングル化って試みをやったが、
 うまくいかなかった〜と。

 唯一、プロレス的アングルが成功したミュージシャンは、
 X(エックス)だけである〜と。
 海外デビューやら、デビット・リンチ監督作出演やら、
 いろいろアドバルーンをあげ、最後は、 hideの自殺と。
 あれこそ、壮大なアングル崩れではないか?〜と。
 (もちろん、冗談ですよ)

 深夜、1時まで収録。

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8月25日  火曜

 朝起きたら、日刊スポーツ一面に
 「ダンカン指名手配犯逮捕」とデカデカと。

 空き巣泥棒(しかも、2回目だよ)を捕まえた〜だけの記事だが、
 バカバカシイ。ほんとに〜よ〜やる。
 これぞ、茶番だ、宣伝だ!〜って。偉〜い。
 これから、宣伝やりたい若手芸人はダンカンさん宅に押し入れ!
 連日のオフィス北野バカ祭りに笑わせてもらった。

 「ういすぱー」で『TVブロス』取材。
 「通販商品について」

 渋谷、喫茶店にて『MAC POWER 』取材。
 真面目に答えつつも、
 「ネットは面白さでいえば、キャバクラほど面白くない〜」と訴え、
 合コン、ネット不倫コーナーを大プッシュしておく。
 みなさんも、ヨロシク。
 炎天下写真撮影。

 そのまま、WOWOW9月からの鴻上尚史の映画番組打合わせ。
 残暑の中、渋谷のキャミ姿のギャル連に赤江くん、ともども、
 涎たらりん状態。
 おさまりつかんです隊の絶叫!
 本当に、オレたち、ナンにもない夏だった

 ライブの感想メールも多々届き、ありがいことだが、
 ただ「あなたにほめられたくて」「もてたくて‥」が、
 演者の根本だから、それ以外をいろいろ評論されてもね〜。
 どうってことねぇですよ。

 この日記にも、以前、書いていた、鶴見済の獄中からの帰還本、
 『檻の中のダンス』(太田出版)読了。
 概ね、ごもっとも。なるほど。
 「読書はムチャムチャつらい」とおっしゃるとおり。

 一昨年、『免許事件』で
 4カ月の自宅謹慎って空白を味わった、オレとしては、
 この頃は、日常のなかの檻については意識せざる終えなかった。
 それを強制する、個人が代表しない見えないシステムにも、
 (そんなもんは、どんな時代でもあるのだが)
 実にあっさりと押しつぶされた。
 もっと振り返れば、ままならぬ思春期の檻から飛び出すことが、
 芸人になることであったが、
 再びここでさえも、檻だらけだと感じるよーにもなった。

 なら、踊れ!ってことだが、 

 いまだに、踊れ! ない俺は、
 寝る! か、風呂に入る! かオナニーする!
 くらいしかないな。(踊る! かわりに漫才する! なのかな)
 でも、強いて言えば、SEXする! が一番なのかも。

 たしかに、考えたってしょうががねぇ!!(帯の台詞参照のこと)
 ただ、怠惰な遅刻魔のジャンキーを標榜する、著者でさえ、
 これだけの内容の著作を綴る、
 実に勤勉な労働者であり、生産者である、
 また、それを整理して正当化もできる、知的なエリートであり、
 ある種の啓蒙を使命(生業=金もうけ)とする、
 そろばんずくな思想家でもあるわけだ。

 だが、この本によってそうでもない、
 本当に怠惰なジャンキー連を多いに結構!
 と容認する下地を作るのは、いかがなものか?
 (な、ことは著者は知ったこっちゃないし、ここまで言い切るから、
  この人の本はセンセーショナルに売れるわけだけど)

 今日的な最も問題意識を活字化しているのだと思うし、
 最近のオレは、ダラダラ続く日常があるかぎり、
 こういう厭世観にもとずく、心境、境遇は、
 今や避けられぬ事態だと〜思っている。
 無意味な「生きる」ことを自覚することが多くなっただけに、
 半径5メートルの全うな幸せを大いに良し〜とするようなことばかりを
 言いきかせるようになった。

 林真理子が体外受精でも子供を授かるように、
 根本的な、既存の人生観の方が良しと思える。
 (「親子はよし」「夫婦はよし」
  「師弟は良し」「恋は良し」「友人は良し」などなど)

 歳を経れば経るほど、それはない〜といは言えなくなる。
 「大河の一滴」でもあるまいし、
 そんなわかりきったことを、今更言ってんじゃねぇ。
 って、思うのだが。
 
 でも、この著者が体験したような本物の牢獄があるかぎり、
 またビートたけしの弟子であるかぎり、
 非合法のドラッグはボクはやりませんがね。

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8月26日  水曜

 ビバ起床、江頭ちゃん、ゲスト。
 バイアグラ事件の話し。
 終了後、江頭ちゃんから、TELあり、
 「ボク、捕まったりしませんかね〜」と。

 府中の試験場に免許証の更新へ、ハゲ鈴木君と。
 ライブのせいで、時間がなく、誕生日を過ぎていたのを更新。
 考えてみれば、この試験場には、
 さまざまな、突拍子もない、扮装、仮装で出掛けたもんだ。
 さすがに、写真撮影の際には、
 「いろいろ、あった人だね〜。今回はマトモだね〜」
 と声をかけられる。

 帰途、「天下一品」でラーメン。
 高円寺で古着。
 一か月振りにドゥへ、千メーター水泳。

 鈴木その子の「奇跡のダイエット」読了。

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8月27日  木曜

 12時、事務所。
 『週刊大衆』取材。
 インタビュアーは、我われの舞台を見ていないで、
 今回の「襲名披露」についての見解を求めるので、
 質問も答えもトンチンカンに。

 14時、『オリコン』取材。
 インタビュアーは我々の舞台を見てから
 お約束を踏まえて、面白がって、聞いてくるので、スラスラと。
 
 16時より、TBSラジオ「荒川強敬のデイキャッチ」に生出演。
 夕方の番組で聴視率1位を誇る番組。
 強敬さんの、日景忠男に似て蝶ぶりに笑う。
 堀井憲一郎さんとご一緒。
 堀井さん、2時間漫才も観覧していたのだが、
 ストップウオッチで実質ネタ時間を計測していて、
 正味2時間ありと確認していたのが、笑った。

 下北沢タウンホールへ。
 大川興業主催・第64回「すっとこどっこい」に
 覆面飛び入りゲスト出演。
 一昨日、総裁から、TELあり、出演依頼、
 「最近の客が女の子ばかりなので、
  掛け合いの漫才の基本形を見せて欲しい」
 との要請。

 2時間漫才終わったばかりで、当然、しばらく休みたいところだが、
 総裁からの要請であれば、「押忍!出ます!」の一言である。
 たけし、高田、総裁、この3人に言われれば、どんなことでも、
 私には、「NO」にはない!

 楽屋で、為谷をからかう。
 (一時期、為ちゃんこそ、恐るべき子供、天才芸人だと思ってたので、
  このところの、伸び悩みをやたらとからかうのだが、この人はゲラ
  ゲラと、受け止めるので気持ちいい)

 さすがに、ボキャブラ世代の女の子の客だらけで、
 出番前は、ロートル漫才師、東・京丸、京平の心境に。
 「電話相談室」を30分。なんとか。
 その後、トーク。
 舞台終了後、総裁とマネージャーの久保ちゃん、
 赤江くんと4人で下北沢に飲みに行く。
 総裁はウーロン茶で。
 いつのまにか、自分たちのことだけを語っているのが、
 総裁との会話の基本だ。
 決して総裁本人のことが語られることがない。
 
 でも、この人と出会ってるだけでも、
 芸人になって良かったって思える。
 ま、談志師匠みたいなもんよ。

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8月28日 金曜

 ビバリーにビートキヨシ師匠が生出演で、
 キヨシ軍団、いや、弟子としてFAX送信。

 LF『乗ってけラジオ』でテリーさんが、
 最近の大流行である、発掘お宝写真や、
 アナウンサー盗撮などの、雑誌の企画に
 編集者として、志が低すぎる〜と叱り飛ばす。
 「学生時代に女と遊ばず、雑誌や本しか読んできてないような、
  もてない連中が、今、同じ境遇の読者に向けて発信してるだけ」
 と〜。
 オレもそう思うよ。まったく。
 単純にカッコ悪くね〜か。
 学生時代のダメ人間の復讐なり、敗者復活戦なりの、
 ダメ人間カルチャーって認めてるつもりだが、
 あの、お宝発掘写真モノってのは、根限り、
 下衆で、自分の血を流さない、さもしい、死体漁りの仕事だね。
 まだ、そういう下賎のドブ板と腹くくってやってる連中はいいが、
 大手出版社にはいってまで、やるなよ、そんなこと。

 夕方、T−FM打合せ。
 そのまま、代々木代2体育館で、
 「Kー1BUSIDOU」を観戦。
 小川戦に間に合わず。
 波乱無く、佐竹の優勝。
 日本人相手だと、佐竹は本当に強い勝ち方をする。
 長井も安生も負けた。
 
 この日、ニュースステーションの大目玉として、
 Kー1速報流れる。
 今までのフジ独占が、崩れる。
 たぶん、フジとの契約本数状の問題だろうが、
 義理人情に縛られない、情報公開、市場開放、
 こういうところが、Kー1の前向きさである。

 江頭ちゃんから、電話。
 これから、このバカの王国のバカ王子の誘いで、
 長い〜長い、一日の始まり。
 高円寺から、歌舞伎町、はしご。

 震度4の地震の際には、バイアグラ、飲みながら、
 キャバクラ嬢宅に。
 勃起耐久レースの真っ最中。
 3人の女と江頭とスッ裸でいたのだが、
 隣の住人が外に逃げ出して、オレたちは困ったね。
 チンコおっ立てたまま、どうしようかと。

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8月29日  土曜

 フラフラながらも、バカの王様に連れられ、
 新宿から脱出、夕方まで池袋に。

 いったん、帰宅後『CSでゲーム!』
 「 TOWER 2 」に。
 サロントークは、伊集院の、モアスレンダーの犯人推測。

 ところで、伊集院の横に影武者のごとく付き添う、
 構成作家の渡部くん、
 とにかく、有能なデブ大統領補佐官ある。
 伊集院が発する硬軟おりまぜた、バカ質問に、
 何を聞いても知っている。
 何でも答えられる。
 オツムの出来の良さを、なんだか無駄にラジオのハガキだとか、
 バカカルチャーに向けたんだろうな〜。

 風貌は、ジラ太りでモテナイ指数200%、
 野球の出来ない左門豊作。
 この人が、深夜に、かの朝日新聞社屋から、
 スクーターで帰る姿は、まさにワビサビの境地。

 こういう人をあえてプロ化して使おうとするのは、
 ラジオに拘る、伊集院の大将軍たるところだ。
 お宝発掘人などより、よっぽど、マシで健全なのだ。

 赤江くんとチーム出演。ハワイのホテル建設。

 帰宅、2日ぶりに死んだように眠る。

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8月30日  日曜

 今日より、年中行事である、赤江家の家族サービスデイ。
 毎年、大騒ぎの中で、出掛けていくわけだ。
 この大雨、台風の中、どこに行ったんだろう。
 我々はハゲとドゥへ。接客。
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8月31日  月曜

 ビバ起床。
 早坂が、崔洋一監督の新作の映画撮影で、
 ビバリー仮卒業とのこと。
 初耳で驚く。

 肝臓が悲鳴なのか?全身脱力、大睡眠。
 誰かオレにヒ素でも混入したか?
 保険金でもかけているのか?
 
 北朝鮮からミサイル???日本海にドボン。
 テポドン?夜になって、本土を通過と判明。
 いつのまに?「静かなるドン」と命名。

 博士の悪童日記<98年9月上旬へ>

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