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1月1日  金曜  
 
 99年、初日。
 フジテレビ『第32回 新春爆笑ヒットパレード』に出演。
 テレビ欄には、
 「空から!神宮から!爆笑問題・浅草キッドの辛口真剣勝負」
 と書かれてあり、恒例のヘリコプター中継を浅草キッドが、
 明治神宮を爆問が中継する。

 しかも出番は、大トリが爆問、我々がトリなのである。
 ただしテレビ・ポジション的には、
 もはや歴然と差があるにもかかわらず。
 爆問は昨年、大きく飛躍し、
 しかもその地位を大方の予想以上に保ち続けた。
 年末は紅白にも出演し赤組応援団である。
 いったいこの年末に何本の特番・CMに出たことであろう。
 正真正銘の売れっ子である。
 もはや我々との差は「周回遅れどころではないのだよ」とは思う。
 それでも、他に淙々たるリスペクトすべき芸人のメンバーの中での、
 最後にこの取り組みに起用されてるのだ。
 
 振り返れば、浅草キッドは、
 90年の一発目に『爆笑ヒットパレード』に出演した。
 殿とさんまさんの司会だった。
 ネタ見せで、当時のディレクターに『サザエさん』をはねられ、
 結局、ああだこうだ言われイジラレ、直され、
 当日もボロボロだった。

 昨年、8年ぶりに出演したが、
 やはり3分テレビネタは、うまくできなかった。
 今年は、あえて9年前にはねられた『サザエさん』を、
 フジテレビ側がNG(最後にGOがでたが)であるが強行する。

 ヘリコプターから見る富士山は、
 昨日の黒い不気味な大きさではなく、雄大で晴れあげってる。
 なんとも気持ちいいことよ。
 上空は寒い、怖いと聞いていたが、
 ポカポカと暖かく、一睡もしてないので眠気が襲う。

 中継は、江ノ島から銀座トキノ、西武球場、明治神宮へと。
 仕込みのアントニオ猪木こと春一番が最後に間に合わず。
 そしてスタジオに戻ってネタ。
 キャブラーに拍手・喚声が飛び交う、我々には馴染まぬ客だ。
 しかも、強行にネタを通しているので、
 すべったら全責任をかぶることになる。
 が、当然ではあるが『サザエさん』はウケる。
 
 エンディングで爆問と一悶着。
 帰りのエレベーターでも爆問と一緒。
 10年ぶりに爆問の座付き作家の堀内と会う。
 「ああ、どうも」とペコリ。
 そういものだ。
 打ち上げでプロデューサーの三宅さんと初めて話す。

 日本テレビに移動。
 『平成あっぱれテレビ』に出演。
 15時半、終了。
 家に帰って、すぐ就寝のつもりが、
 あちこちに電話。
 濃厚な一日ではあるが365 分の1なのだ。

 22時、ようやく眠りにつく。.
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1月2日  土曜  

 17時より『お兄さん会』新年会を我が家で。
 赤江くん、二郎のチャンコ番で鍋を囲む。
 東京ダイナマイト、王様と私、マキタ、
 岩月、国井、米粒・安部、高瀬、
 プレステで『新中野K−1グランプリ』を開催。
 テクニックに優る、武蔵つかいの二郎が2連覇。

 初笑いというかニコニコ新年会でありたかったが
 やはり一波乱あり。
 でもそういうものだ。
 赤江くんと一緒に二人で眠る。.
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 1月3日  日曜

 12時に起床。
 『お笑い・男の星座』原稿。シコシコと。
 FAX入稿。

 JRで新幹線切符。中野丸井で買い物。
 売り場にあった一輪車に魅せられて、
 「これ下さい!」と言ったところ、
 「スイマセン、これは身長120センチまでの方用なんですが」
 と言われる。
 欲しい、欲しい!

 K−1ゲームに熱中し、スズキに40勝8敗と大きく勝ち越す。 .
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1月4日  月曜  

 新春恒例の『新日本プロレス〜東京ドーム大会』。
 ホイッスル渡辺さん率いる新年会を兼ね一年に一度の集結。
 あっちゃんとしりとりしながら到着。
 遅れてきたヨシエちゃん他、いつものメンバーに
 赤江くんの息子・あっくん、篤くんなどの新顔を加えて、
 年々、大家族化するのだ。

 大仁田 vs 健介はがっかり、
 小川 vs 橋本は興奮!
 10年に一度の事件、事故ではないか。
 プロにあるまじき試合なのであろうが
 昭和・猪木を汲んだプロレスファンは大熱狂だと思う。
 今年のワースト及びベストマッチ。
 まさにやったもん勝ちではないか。
 メインを見ないで、東京駅へ駆けつける。

 最終ののぞみで岡山へ。
 兄貴の迎え。
 両親と酒。お雑煮。ほうれんそうの白和え。
 百合根の白和え。おいしゅうございました。
 倉の中から、中学時代購入の巨大な猪木パネルを発見。 .
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1月5日  火曜  

 HONDAのロゴに乗って岡山駅へ迎え。
 後楽園、瀬戸大橋の遊覧船。鷲羽山。
 アイビースクエアーで両親を交えて食事。
 夜のイルミネーションのちぼり公園。

 兄宅。唯一の姪っ子になる真穂ちゃんと遊ぶ。
 2回しか会ったことない、3歳児が、
 「まさよしオジさんはパパのおとうと」って言うのに驚き、
 「僕を誰だかわかってるの?」って聞き返すと、
 キリリとした表情で
 「あばいてやる!!!」ってのたまわった。
 いったい、なんの正体をあばかれるのかと思ったら、
 よく聞くと「おぼえてる!」って言ったのだ。

 400坪を越える巨大古本屋『万歩書店』で古本大量購入。
 事務所でも、絶版で探していた
 殿の詩集『キッド・リターン』が5冊もあるのだから、
 その凄さがわかるだろう。

 上原くんから昨日の新日本の小川戦に興奮してTELあり。
 「ニューオリンズへ高阪vsルッテン戦を見に行ってきます!」と。 .
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1月6日  水曜  

 美観地区、大原美術館。
 2時間たっぷり鑑賞。
 アイビー学館で近代美術史展。
 こんな環境なら、
 子供のころに熱心に通ったら画家になれただろうに。

 倉敷で評判のラーメン店『マルハチ』へ足を伸ばす。
 480円でラーメン一品のみ。
 豚骨スープにチャーシューが山のように入っていた。

 『紙のカミヤ』へちらりと寄り、母に送られ
 岡山駅へ。ひかりで帰京。
 ア・イ・ウ・エ・オ〜記念撮影。 .
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1月7日  木曜  

 スズキとT-ZONEへ。
 新宿の丸井。

 東京スポーツに『浅草キッド早稲田受験』が大きく報道される。
 のんびり正月気分だが、こりゃあ、本格的に忙しくなるな〜。.
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1月8日  金曜  

 渋谷ビデオスタジオへ。
 お兄さん会芸人に流布する
 マキタA型を恐れて風邪薬を大量投与する。

 『北野チャンネル』19本撮り。
 前回より、9本減ったが一日がかり。
 個人的にはもっともオモロな「日本の先生」では
 全日本女子プロレス会長、松永高司、
 過激な仕掛け人、新間寿をゲストに、
 プロレス裏話に盛り上がる。
 「浅草コレクション」では、
 サダハルンバ谷川、Tシャツマニアの植地毅を紹介。

 20時終了、
 楽屋でニトロとダイナマイト打ち合わせ。 .
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1月9日  土曜  

 6時発。羽田空港より釧路空港へ飛ぶ。
 陸路3時間、日本の最東端、根室へ。

 『新春お笑いゴールデンシリーズ』のライブ会場へ。
 メンバーは大川興業の男同士、松本ハウス、
 そして東京ダイナマイト。
 豪華なメンバーだが、
 元浅ヤン・ディレクターの近(近藤)ちゃんが
 地元・根室に帰り、このライブを企画。
 最近は元浅ヤンのスタッフとの仕事がドッと増えているが、
 この仕事もありがたいかぎり。

 キャパ1000人の会場で2ステージ。
 ダイナマイトとは、初めてのプロの営業。
 2ステージ目は大受けしていた。
 我々も2本のネタを変えて、手抜きなしの演芸をたっぷりと。
 松本ハウスの人気は絶大ではあるが、
 会場はフルハウスには届かず。
 江頭ちゃん、相変わらずのストリップまがいのステージで、
 厳重注意を受けるが、
 2本目でも強行しようとするのを、乱入して食い止める。

 打ち上げで花咲き蟹にありつく。てっぽう汁美味し。
 松本ハウスは札幌へと移動。

 2次会、3次会は、
 「ロシア娘と合コン」という合言葉とは尻目に
 最終的には地元っ子20名以上と大宴会。
 俺は芸人連のお目付け役で携帯の裏を、見つめながら、
 自制しつつ、時間は過ぎゆく。
 とにかくこのツアーを異常なほどに楽しみにしていた赤江くんに
 なんとか旅先のリリーでもいてくれればよいと思っていたのだが、
 最後の最後で寅さんは寅さんなのだ。
 二郎の部屋で寝ようとするが、
 眠れず、ぶんか社新刊本のチェックで一睡もできず。 .

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1月10日  日曜  

 6時起床で、釧路空港へ。
 途中、雪景色のなかでダイナマイトの特訓風景撮影。
 空港の『はまなすラーメン』はいかがなものか?
 六花亭の『バターサンド』と松前漬けを土産。
 羽田空港で、男同士はバレ。

 帰宅後、仮眠しようとするが眠れず。

 19時より、オフィス北野新年会。
 東さんも溌剌と参加。
 「東、ジャンジャンが話があるそうだから(笑)」
 と言い残し殿退出。
 軍団の兄さん方と会うのも、
 スーパージョッキーに出ていない我々は半年ぶりのことだ。
 親方からお年玉頂く。

 途中抜け、殿宅、宅配ビデオ屋として訪問。
 持ち込んだ橋本・小川戦ビデオ観戦。
 1本100万のロマネ・コンティーを頂いていたら
 突如、しゃっくりが止まらなくなる奇病。
 二時間も続く。

 帰宅後、
 新日レギュラー中継の乱闘収録の橋本・小川戦を再見。
 言葉で説明できないこの心の騒乱を
 言葉で的確に表しているものは、ないか?
 この試合の感想でもっとも同意の意見をネット(マイナーパワー)
 で拾ったので再録。


タイトル:小川よ!凶々しいヒールになれ!
お名前 :KEITA

かって佐山はセメントを仕掛ける前田との一戦を収拾すべく、
レフェリーに金的をアピールし続けた。今、佐山の弟子、小川
の仕掛けに橋本はレフェリーを巻き込む事で必死に戦局を収拾
しようとしている。その弱々しい面影を探せば新日時代のブッ
チャー?いや、倒れ伏して昏倒する様は遠くG.アントニオの
記憶まで呼び覚ました。
リング上の戦慄は脳の琴線を震わせ、眠っている様々な記憶を
呼び起こす。リング上は既に現実を遠く離れ、因縁のおもちゃ
箱がぶちまけられたサイバーワールドです。
倒れ伏したその巨躯を蹴り上げる小川の姿。
そう、これはやはりアントニオ猪木の影だ!

血の匂い、死の予感、不吉な香り。
人々が木戸銭払って格闘技を見に行く裏には、いつもこの生臭
い風が吹いている。それを内部にいる関係者が回避しようとす
るのは当然だ。興行を打つ側は事故のない予定調和を求めてい
る。惨劇の予感も計算尽くのチラリズム。

例えば、大仁田vs健介がこの範疇に収まる試合だった。シス
テムは円滑に動き、観客のエスカレートした幻想は瞬時に現実
の中に取り込まれた。大仁田と長州という百戦錬磨の興行師の
辣腕を見る思い。

しかし、猪木は違う路線に賽を振ってきた。興行の予定調和性
を否定したのだ。本当はこれが見たかったんでしょう、と観客
の劣情を刺激し、これも取り込んでみろ、と興行師を刺激した
のだ。
猪木が久しぶりにちゃぶ台をひっくり返した。その上ではNW
Oも邪道も肘を突きあわせて飯を食っていた。蝶野の反抗も大
仁田のアジも、ちゃぶ台の上の飯の取り分への主張だった。今
回のドームでは猪木もその客人の一人に過ぎないだろうとマス
コミも含めて高を括っていた。しかし、猪木は別の腹を括って
いた。

プロレスというジャンルは守るべきものではない、という事を
猪木は本能として知覚しているのだろう。ジャンルはその赴く
ままに走らせろ!しかし、これはとんでもないペシミズムだ。
ジャンルとは自然発生的なものである。それは人為的に作り出
せるものではない。プロレスは、他のジャンルと同じく神から
の授かりものなのだ。その天然自然なものを人が囲い込み、守
る事など本質的に出来ない。ジャンルはその乳房に誰がしがみ
ついていようが、気にせずにあさっての方角に走り始めようと
する存在だ。それを括り付けようとするとジャンルは衰退す
る。人間はジャンルに直接働きかけようとするならば、いつ自
分が振り落とされても仕方ねえ、と諦めた上でジャンルと関わ
った方が良い。その方がジャンルの活力と広がりを、受け手は
ストレートに感じる事が出来る。少なくとも猪木にはそのペシ
ミズムと、それゆえの自由さがある。ジャンル自体が動いた先
で、まだ自分が選ばれていたならば、そこでジャンルと新たな
関わりを始めればいいじゃないか、というペシミズム。

しかし、多くの人間にとってそれは恐怖としか映らない。彼ら
はジャンルの足を括り、その下にシステムを作り、安定した恩
恵を受けようと腐心する。長州はその作業にひたすら邁進し
た。しかし、そんな事は出来ねえよ、と猪木は笑ってみせた。
長州が大仁田の件で取りたてたアクションを起こさず、小川の
時に血相変えて飛び込んできたのは何故だ?という会場の反応
を感じたが、ジャンルの付き合い方において長州と大仁田は同
衾だ。ジャンルに対する猪木の対応こそ、長州のコンプレック
スとプライドを追いつめるのだ。

蝶野の言葉は攻めの言葉としてファンの耳に届いただろうか?
NWOはシステムに対する戦略は持っているが、ジャンルに対
する戦略は全く持ち合わせていない。彼は蚊帳の外にある自分
を見つけて狼狽したに違いない。逆説的に猪木は蝶野の立場も
斬った。彼の立場が結局は長州に庇護された上でのそれであっ
た事が暴かれた瞬間でもあった。

この10数年、猪木はジャンルとの関わりに対する彼なりの哲
学を肉体で証明出来なかった。しかし、猪木はとうとう化身を
見つけた。そして、小川はとうとう新日本というシステムに噛
み付いてきた。

猪木は小川をヴァリートゥーダーとして育てる意志はないだろ
う。予定調和的なものに人は金を払わない、と猪木は身を持っ
て知っている。これはプロレス界に今もっとも失われているノ
ウハウだ。またジャンルが動き始める時期だ、という感覚に強
い切迫感を持って望んでもいるだろう。猪木が小川に望む事
は、この変動期に対応する技術と胆力を持ったファイター像で
あると思われる。それこそが最もお客が見たいヒーローなの
だ、という猪木の興行師としての嗅覚もあるのだろう。これも
一度ヒーローになった事がある猪木独自のノウハウだ。
一方、仕掛けられた橋本の対応は平時に慣れ切った純粋培養の
弱さを曝け出してしまった態がある。

ハプニングが起きた時は、読み替えればチャンスの時なのだ。
橋本はそれを活かさなかったし、活かせない資質を多くのファ
ンに見透かされた。失地回復には組織と自分の距離感をもう一
度見直してみる必要がありそうだ。橋本が恐れるべきは小川で
はなく、場への感性を枯渇させてしまう、自分の軸足の在処
だ。三銃士の場は結局長州が用意している場である事が、あか
らさまにファンに伝わった夜でもあるのだから。
カレリンが言う、リーダーは周囲が認めたエゴイズムである、
という直感を橋本にも持って欲しいと思う。

小川よ、凶々しいヒールになってくれ!ヒールはシステムの外
から、その限界を撃ち、その境界を時に押し広げる。アウトサ
イダーとしてプロレスに紛れ込んだ小川は、やはり外からプロ
レスをシュートする方が相応しい。予定調和に収まろうとする
システムの根底を揺るがし、ジャンルとしての生々しい生命力
を、広い野に放って欲しいと願う次第です。

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