石丸元章さんの料理うんちく
昨日食ったもの
大ヒラメのフライ:
イギリスの名物料理であるフィッシュアンドチップスの魚のフライを
すごく上等にしたカンジの一皿。
付け合わせに着いてくるポテトサラダも美味しいの。
とんわさ:
焙った豚肩ロース肉をわさびとしょうゆで。
カニクリームコロッケ:カニぎっしりカニの味がすごくするカニコロ。
もしかしたらクリーム自体カニの甲羅からダシをとっている
(アメリメーヌソースふうに)かも知れない。
洋風もつ煮:
下町であるからして居酒屋には必ず「もつ煮」があるわけですが、
それをあの店流に洋食として解釈してみたのがあの料理。
タンや心臓、軟骨といったいろんな部分をトマトベースで煮込んだ。
ガーリックトーストと一緒に。
アメリカンサラダ:
特徴はたっぷりはいったグレープフルーツと自家製カリカリベーコン。
あの後和風スパゲティー食べました。
あとあそこは、お気づきになったかも知れませんが、
酒を頼むと着いてくる漬け物が自家製でとっておいしいの。
それだけでも一品であるんだけど。あの店の特徴は、
下町にありながら「下町」感覚を売りにした洋食屋ではなくて、
どっちかっていうと「山の手感覚」というか……いやちがうな、
店主の考える「美味しい洋食」という概念が
メニューや店の運営に感じられるというところ。
僕的には、
アドバチックの二子多摩川特集で紹介されるにふさわしい店、
みたいなイメージなんだけど。
なんか「客の健康」とか考えながら作ってるカンジがするんだよね。
メニューを見るとあの店、
ハヤシライス、とかオムライスといった典型的下町洋食がないでしょう。
各料理それぞれにたっぷり野菜がついているのも特徴なんだけど、
一般的に下町洋食というのは野菜がないがしろにされている、
というかメインの料理に比べるとサラダが実にどうでも良いというか、
一角下の扱いしかされていない場合が多いんだけど、
あそこはサラダに力が入っているんですよ。
ドレッシングとかオリジナリティーが高いしすごく美味しい。
で、ミラノ風焼きカツとか海老とポテトのクレープ包みグラタンとか、
下町洋食の範囲を逸脱している、というか、
その店が下町洋食をアピールしたかったらだったら
絶対にあってはいけないモノがあるわけです。
ハンバーグのソースも、本格的デミグラスで
(僕はあんまり好きなソースじゃないけれども)
下町感覚だったらもうちょっとトマトケチャップふうの
ソースにするべきなくらいなわけです。
で、自家製のベーコンや生ハム、ドレッシング、
タルタルソース、ポテトサラダなど、脇役がじつにおいしい。
だというのに、あれだけ細部に気を配っている店が、
こだわりにこだわって入荷していた鶏肉で食あたりをだし、
5,6年たったいまだに「チキン」がメニューから削除されたまま
封印されていることは、爆笑的におもしろい話しなんだけど、
それは書かないで下さいね。多分あの店のオヤジとしたら、味もともかくそれ以上に、
「健康」とか考えた野菜たっぷりのメニューつくって、
そのくせこの界隈の店じゃどこも出していない食中毒おこして、
「おれはなにやってんだ!」ともう、人一倍死にたくなったと思うんだけど、
その事件を一生の戒めとするために、
恐らく一生チキンをメニューに載せないんじゃないかと思うんですよ。食いたいのになあ、
あそこのチキンソテー抜群にうまかったから。
本所吾妻橋の路地にあるから無名ですが、
あの店、もしもっと都心にあったら
絶対雑誌なんかでばんばん紹介される有名店ですよ、間違いなく。