水道橋博士 映研活動中の博士のDVD棚を発見

「ブルータス」2006年12月1日号より

『太陽を盗んだ男』に衝撃を受けた映画青年が、
笑いの道へと進み、今は一男一女の父に。
子供の誕生で映画を観るスタイルが変わったという博士。
その映画愛とは?

僕の映画元年は1979年頃。
長谷川和彦の『太陽を盗んだ男』を見て映画の虜になった。
将来は、ゴジ(長谷川和彦)か殿(ビートたけし)か、
どちらかに弟子入りしようと思ってた。
結果的には殿で正解。
だって、それ以来、ゴジは一本も撮って無いもん(笑)

あとは、『時計じかけのオレンジ』も忘れられない。
このリバイバル上映見るために、東京に行ったくらい。
あの頃は、「日常はなんてつまらないんだ」って思ってて、
映画館に生きている実感を求めた、
ウディ・アレンの『カイロの紫のバラ』じゃないけど、
孤独でスクリーンと向かい合っているときが、至福のときだった。
思春期にデートで映画、見たことが無かったから、
今、カミさんと映画館に行くのが最高に幸せ。

あと、息子が生まれてから自宅にプロジェクターを入れた。
テレビみたいに日常の延長じゃなく、
明かりを消して暗闇に光を投射して非日常のなかで
大画面を見るのが映画だもん。
そのプロジェクターで息子と映画を見るのが「水道橋映研」っていう部活動。
「今日はキングコングの新旧を比べよう」とか、毎回課題を決めている。

「映研」で、最初に見たのは『ビッグ・フィッシュ』だったね。
あれは父親の息子の物語でしょ。
将来、初めて見た映画が『ビッグ・フィシュ』だって意味がわかったら
息子も感激すると思うんだよ。
息子が生まれてから、映画の見方が大分変わった。
昔だったら絶対に見なかった『E.T.』を観ても泣いちゃうんだから。
最近、涙もろくなっちゃってさ、目にオムツつけたいくらいだよ(笑)。

DVDを買い始めたのは息子が生まれてから。
地方に行ったときに量販店の閉店セールを見つけると大変。
1回で150点も買っちゃって、点数の多さにカード会社から
「カード、盗まれていませんか?」って連絡がきたよ。

作品は、一応、作家性を重視。
子供が将来、「黒澤を観たい」「スコセッシを観たい」と思ったら、
すぐに観られるように一作目から買い揃えてる。
実は息子には将来、格闘家になってもらいたいんだけど、
無理だったら映画監督。
ま、両方無理だってだって(笑)。
勉強させずに、体鍛えて、映画見てればいいだけでしょ。
タランティーノみたいな人間は作れると思うよ。

それに、僕は勉強より映画からのほうが、
人生を学べるって思ってるから。

 

 

 

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