『百瀬博教の柳橋キッド』第1回 2003.3.31 放送

 文化放送 毎週月曜 深夜1:30〜 


オープニング

ご自分のラジオ番組は初めてということですが。


――嬉しい。でも、話に脈略がないので、
ご迷惑をかけてしまうかもしれません。
心から宜しくお願いします。


百瀬さんは、作家・詩人として有名ですが、
格闘技ファンの間では、
アントニオ猪木の隣で野球帽をかぶっている人、
としても知られています。少々謎に包まれていますが、
具体的にどんな人?なんでしょうか。ズバリ一言でお願いします。



――日本一のマザコンです。
裏を返せば親孝行なんですけどね。
北野武、テリー伊藤たちとマザコン大賞争いたいぐらいです。


お母さまはどんな方なのですか?



――父と22歳年齢が離れています。
父は柳橋の顔役で、母は大金持ちの娘。
でも、父は今業平みたいにいい男で度胸もある。
軽石お線香(?)あげたりして、
母親はふらふらときてしまったのではないでしょうか。
私は、父親が56歳のときの子供で、
あまりにもかわいがられて
頭がおびんつるさん(?)みたいになってしまいました。
ですから帽子をかぶっています。


意気込みをお願いします。



――話を聞いた人が元気になってほしい。
世の中暗いですが、僕には不景気がありません。
子供のときから恵まれていて、たとえお金がなくても、
明日、明後日は大丈夫だと思ってる。
過去が大好き。そして将来も好き。くよくよしたことはないです。
お金の心配もしたことありません。ずうずうしくて楽観的です。

不良手帳

*百瀬式考え方。
 百瀬さんの体験から、テーマに沿ったエピソードを語ってもらう*


今日は「出会い」についてお話伺います。
心がけていることは何かありますか?


――「照れない」ことですね。
例えば、昔、地下鉄で
大ファンの西部邁が偶然僕の前の席に座っていた。
「先生、僕あなたのファンなんですよ」と声をかけ、
更に「何か差し上げたいんですけど」と言って、
お金をあげるのもなんなので、図書券15枚をあげました。
「ご本でも買ってください」と言ったら受け取ってくれました。
名刺交換もなく、「さよなら」と別れ、
先生は霞ヶ関で降りていったんです。
でも、その1年後に僕の鳥越祭りに来てくれた。感激しました。


照れずに自分から声をかけるには?


――出来ない人から見ると非常識でずうずうしくて
自分勝手で自己顕示欲が強いと言われる。
そもそも小さい頃からやきもちを妬かれるばかりで
妬くほうに回ったことがない。
強いものは強い、きれいな女性はきれい、金持ちは金持ち、
とその人間の格差を信じていればやきもちを妬かない。
妬く必要がない。
妬く人は、できもしないのに、僻む。妬く。
きれな女性を連れていると僻む。「だったら自分もくどけよ」と思う。
おいしいものを食べたいと僻む。「だったらおまえも稼げよ」と思う。
生まれながらの非常識で歯止めもきかないです。
好きな人がいると座っていられない。
野村沙知代みたいな人だったら、なんとか我慢できますが。(笑)


「会いたい人に必ず会える」不思議な能力があるそうなのですが。


――双葉山、力道山、裕次郎、慎太郎、
ひばり、クラプトン、ジョン・ウー・・・
会えない人はいない。会いたくない人には会わない。思えば通じる。
他の人はその思いが薄い。
例えば、御茶ノ水の聖橋できれいなあなたが立っているとする。
でも、シグナルがなければ誰も声をかけない。
要因ありきなんです。
例えば、お父さんの痔の薬を閉店間際の店に買いに行く
お嬢さんに声掛けても無理。
その空気を読めない人は失敗する。
生まれ持った能力かもしれません。


どうやったらその空気を見極められますか?


――いつでも人を見ていること。僕は人が大好きです。
美術館では絵を見ている人を見る。
喫茶店では、ウェイターが
ブスに給仕するのと美人へ給仕するのとの違いを見ている。
観察眼すごいですよ。
観察騎兵隊みたいなもんですね。(笑)


運命の出会いとは?



――池袋の大学で相撲部でした。
合宿所で燻っているときは出会った人も池袋的な人で、
例えば、「君のこと大好きだ、だから、牛丼三杯食べなさい」
と言ってくるおじさんです。
でも、赤坂で働くようになったら、
「ホテルニュージャパン泊まりなさい」になった。
月給2万で24万のホテルです。
汚れた畳の上からディスポーザー付き、
部屋4つ、泳げるほど広いバスタブの部屋に変わりました。
歩いてる女の人の服も違う。

いい所に行かないといい人に出会えない。
例えば、タイに住んでいたら象使いの孫と出会う。
NYに住んでいたらティファニーの社長の娘に出会うかもしれない。
全然違うんです。それを赤坂で見た。
そういうのをウォッチングするのが好き。

東京カルチャー見聞録

*街や人、ファッションやもの、
など現在の文化を百瀬さん流に斬ってもらう*


今回のテーマは「原宿」です。



――僕が二十歳ぐらいのときはファッションとは縁遠い街だった。
40年前ほど前です。
セントラルアパートに用があって時々行っていましたが、
お寿司屋さんが1件あるくらいで食物屋がない。
焼肉、中華、とんかつ屋くらい。変遷をみてきている。
浅草的な客の迎え方をしないと街は発展しません。
僕は、竹下通りは浅草の仲見世だ、と見ています。

本当のファッションは原宿にはない。
原宿だと、プレゼンテーションがうまいところが勝利している。
本質は関係ないから、手縫いでいいやつはそんなに売れない。
安物買いの銭失いが多くなった。

僕も着てすぐ捨てていいものは原宿で買う。惜しくもなんともない。
でも僕の場合は、母菊江の菊の字を胸に書く。

藤原ヒロシと友達だけど、
彼の店では、Tシャツが10何万、ブーツが17万、で売られている。
それに若者が並んでいる。今の若者のファッションは洋服屋に合わせてる。
それはだめ。
古くからの本、年上の人、いい先生につくことが必要。
ブランドだけで買ってしまう没個性がなくなればもっと原宿は栄える。
没個性はたまらない。
藤原ヒロシに「このどこがいいの?」といつも聞く。
藤原ヒロシが作ったから間違いない、と思わせる、
そこまで信用を得た人が勝つ。

ブルータス誌でヨウジヤマモトと対談したとき、
彼の服の印象を聞かれ、「だめだな」と言った。
なぜなら彼の洋服には集金力がないんです。
「3億取りに参りました」と言えるのが洋服のあやしさです。


個性的であるポイントは?



――ラップが流行ると洋服だけNYのラッパーの真似をする。
肉体、精神が備わってのものだから、
体の発条(バネ)、根性、などそっちを真似したほうがいい。
格好の真似だけの人は見てて笑っちゃう。
時々根性のある人を見かけると、ダイヤみたいに輝いてる。
あてがいぶちのファッションでは、あてがいぶちの人生になってしまう。
我慢しても10年100年持つような服を買うセンスを持ちなさい。

でも、日本は客に媚びてるデザイナーばかりで残念。
ホンモノが原宿にでてきてほしい。
今は、安くかわいいものを提供している人が成功している。
ホンモノを知りながら安いものを買ってほしい。

エンディング

あっという間でした。
脈略のない話を白雪姫みたいな笑顔で聞いて下さってありがとう。
今日帰っていろいろ勉強します。


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