| 『百瀬博教の柳橋キッド』第4回 2003.4.21放送 |
| 文化放送 毎週月曜 深夜1:30〜 |
前回の放送では芸能界一の百瀬さんファンの 水道橋博士にメッセージを頂きましたが、 リスナーからもお手紙が来ています。
泪橋キッドさん17歳。 『百瀬さんに相談があります。 学校のクラス替えで、めでたいことに、 男子が3人の女子クラスになりました。
女子のいい匂いを嗅ぎながら、 楽しい青春を謳歌できると大喜びしたのも束の間、 大変なことを知ってしまいました。 集団化した女子達には恥じらいがないんです。
僕らが見ていても平気で豪快におならをしたり、 股を広げてスカートの中を下敷きでパタパタやったり・・。 やつらに大和撫子の心を取り戻させる方法はないものでしょうか?』
――この、泪橋キッドっていうのは、めちゃくちゃな醜男なんだろうね。 おまえが醜男だってことがよくわかったな。 下品な女の人だっていうのは、
キッドくんに対して全然目線がいってないからなんですよ。 例えば窪塚洋輔とかガクトとか キムタクの親戚の子供とかが同じクラスだったら、
下品な女は下品なりにかっこつけますよ。 何とか自分に目をつけてもらおうと思って。 親父の財布からお金盗んで、 「窪塚さん、チョコ買ってきました」とか、
「ガクトさん、このノート使ってください」 「キムタクによろしく」とかね。 パタパタなんて絶対やりませんよ。 楊貴妃だって誰もいなければパタパタなんかやってたと思うんですよ。
自分が見られてるってことがね。 要するに、全員ブスなんだろうね。 ブスと人間離れしたキッドくんが出会っちゃった、っていう。
キッドくんは、ロマンティックでさ、女の子のいい匂いをかぎながら、 とかいってるけどね、無理なんですよ。 もともといい匂いの女なんて、世の中に一人も居ません。
いないよー。 小さい時は、母親の鏡台から香水を盗んでつけたり、 姉さんのを盗んだり、デパートのただの香水をつけたり、 してるからいい匂いがするんで。
女は好きな男のために装う、化粧する。 好きでもない男が来たって無視する。 そいつに好かれちゃ困るから、パタパタする。 まず、ゆっくり鏡を眺めて、自分の性(さが)の拙さに泣くしかない。
ずばっといえば、自分がいい男に生まれなかったってことに泣くしかない。 いい女に会いたかったら、自分が、女の視点をうける男になるしかない。
自分も小さい時から鼻ぺちゃとかいろんなことがあったけど、 僕には勢いがあるんですよ。 早合点する女は勢いに負けて身を許すとかさ。 ただでいい女の匂い嗅ごうなんて奴にいい女の匂いなんてかげませんよ。
親父の貯金通帳から50万盗んで香水を買って、 クラスの女全員に「君たち使いなさいよ」とかやれば、 20秒くらいだけど、「ヤッホー」ってかんじで女も喜ぶと思うけどさ。
後はだめだね。 下品な女はいない。男が下品だから女も下品になる。 男が女の鏡になって映ったら、自分もこういうふうに映ったほうがいいな、
っていって下品なことなんて一切しない。必ず上品にしますよ。 君が美男子じゃなかったことがクラスの乱れを生じたわけだから、 俺に相談するなんてずうずうしすぎる。
これにもめげず人生を歩んでください。 ――そうです。 ここで修行して、この女を見返すために技を身につけて。
このキッドに近寄りたいなって女に思わせて、 鼻ったらしのその女たちをぶん殴って下さい。 「上品と下品」 百瀬さんが意識しだしたのはいつ頃ですか? ――うちに来るおばさん達をみて、覚えた。
子供のころからウォッチングが好きだった。 小さい頃からそういうことを意識するってことは、 おませさんだったんですね。
――そうでしょうね。 おませさんというより頭がよかったんでしょうね。 全部金歯のお獅子さんみたいなおばさんがいた。
思想っていうのは顔に合わせてつくるものだから、 金歯のおばさんは、顔もお獅子みたい。 吉永小百合だったら、歯が欠けたからって金歯はいれない。似合わない。
白い歯を入れるでしょ? 平気で金歯を入れられる精神がもう下品なんですよ。 だから、そのおばさんから小遣いをもらったことはありません。
身なりとかみて、識別するという・・・ ――うん。色彩感覚とかあるんですけどね。 千円のものを着ていても上品な人は上品。
野村沙知代みたいに1億円の洋服着てても怪しい人は怪しい。 あるじゃないですか? ありますね、その人の個性っていうのが。
――個性っていうより、間違いでしょうね(笑)。 だから、それはしょうがない。 昨日もお世話になったのに沙知代さん、ごめんね。
でもこれが俺の本心なんだよ。 直接会ってますからね。そういうこと言っても平気ですね。 一番身近な存在では同級生がいたと思いますが。
――小学生のときから上品な女の子しか友達になったことない。 下品は嫌い。教養って思いやりでしょ。 10歳は10歳の、30歳は30歳の教養ってあるじゃないですか。
親が人に対して思いやりを教えないと思いやりってないんですよ。 その思いやりがないから、こんなことやったら男が失望するだろうな、 っていうようなパタパタやったりおならしたりするんですよ。
僕も、人の前で7年に一回くらいおならしたときは、 「本当に申し訳ありません」っていうくらい おならひとつにしてもそういう姿を見せちゃいけないって思ってる。
小さい時そういうことを習ったからでしょうね。 高校2年の時、美人がブスに見える瞬間があったということですが。
――僕は柔道が弱い生徒だったんですよ。 高校1年のとき、柔道のことろくに知らないのに、 学校代表選手の7人のひとりになって、
千葉県で2・3番目に強いような、 しかも、スペイン人みたいなハンサムな選手と試合した。 あと何十秒かの時投げ飛ばされた。 小学校の時好きだった、
ロシア風のカチューシャみたいな人と再会したんですね。 会って話してるうちに、 「百瀬さんって柔道とっても弱いんですね」って言った。
いきなりその女の顔が鱈に見えましたね。 人間て、言葉で翔ぶんですよ。なんでもそう。言葉は大切。 その女は、今だに鱈でなおんない。鱈のまんま。
人間って相対的なもの。 言葉の綾でカチューシャから鱈になっちゃうんですよ。 「がんばってらっしゃるのね」って言ったら、 その時江戸川の土手を歩いていたんですけど、
金町を越えて、小金井の桜の堤まで歩いていってもいいんですよ。 でも、私はそこで足がぱたっと止まりましたね。 こんな鱈と1秒でもいたくないってかんじで、
女を川に投げ飛ばして行こうかなって思ったけど、 小学校の教頭先生の娘だったし、頭がよかったんですよ。 教わったこともありました。 でも言った途端に、もうこの女から分数も日本史も本も習いたくない。
っていうふうになった。 その女が俳優座の養成学校に行ってたんですけど、 俳優座の芝居も遠ざかりましたね。 言葉って身を守る鎧なんですよ。
この間も話したけど、あなたがどんないい女で聖橋に立ってても、 タイロンパワーがいきなり現れて、抱きしめたり、キスしたりしませんよ。
「I want you. I need you.」なんて言ったんで、いくわけだから。 言葉の選び方が下手だと、金もガールフレンドも友達も手に入らない。
きっとその女も、電気マッサージかなんかかかって このラジオ聞いてるんでしょうね。 「ざまーみろ、たら!」 日本一上品なまち「銀座」 「日本のアメリカ文化発祥の地」 ――今の松屋だったところに、「岩屋てんぐ」っていう、
明治時代に税金を200万円払ってたタバコ屋があった。 昔はキセルだったのが、巻きタバコで吸うようになって。 巻きタバコを発生させたってことで、「岩屋てんぐ」。
歌舞伎座の裏に「マガジンハウス」っていうのがある。 アメリカって広いじゃないですか。 ニューヨーク、シカゴ、サンフランシスコまで
買いに行ったりできないんで、山の中で猟師とかやってる人たちが、 家族に贈り物するとき、カタログってのを見て注文するんですよね。 今度の12月のクリスマスに娘になんか買ってやろうとかね。
ところが、日本はカタログなんて ろくなもんじゃないっていうのが20年前までの思想だった。 それを木滑良久っていう頭のいい編集長ががぱくってですね、
大当たりした。 その大当たりしたやつをホットドッグとかがぱくった。 日本の青年をだめにした元っていうのはマガジンハウスじゃないかな、
って思いますね。 それくらいいんちきくさい本をいっぱい出すようになった っていうのがマガジンハウスじゃないかなって。 学生の就職したい会社の上位ですよね。
――でも、今は違うでしょ。 出版はだめでしょ。雑誌とか難しい時代だし。 「銀座のアランドロン」
――23歳になったばかりの時フランスに行った。 行く前に、地下室のメロディーっていう映画を見て アランドロンかっこいなーと思ってた。
ファンっていうほどでもないけど世界一の美男子だから、知ってた。 森田政治(まさじ)って銀座のボスのお供で 「やなぎ」ってオカマバーに行った。
元歌舞伎役者のひちやっていうのがいて、 「はいー」ぐらいしか言えないような役者なんですけど、 ドアのところに立ち塞がって、「今日はいけません」って言われた。
「俺が入っちゃいけないのかよ。どけ」ってずかずか入っていったら、 おしま、っていうママが出てきて、 「森田さんだったらいいわ」って入れてくれたんですよ。
そしたら、そこにアランドロンが来てて。借り切っていたんですね。 天下のアランドロンがやなぎで遊んでた、 ではイメージとしてよくないって思ったんでしょうね。
森田さんも、僕よりも遅れてたんですけど、 地下室のメロディーを見たんですね。 相手役のジャンギャバンみたいな人なんですけど。 「あそこに俺にそっくりなやつがいるじゃないか」っていうんですよ。
笑っちゃった。 横顔がマーロンブランドにそっくりのいい男なんですけど、 自分のことアランドロンだと思っているんですね。 「あの人はアランドロンですよ」って言ったら
「そうか、俺に挨拶させろ」って言うんですよ。 で僕がつかつか行って、 「彼は銀座のギャングスター」だとかいって、 でたらめだったんですけど、英語を駆使したら、
アランが気持ちよく握手してくれた。 「アランドロンです」「森田です」ってね。 僕もついでに握手したけど、そのときの握力の強さったらなかった。
すごいなー、って思って。 役者になる前は鍛冶屋かなんかで働いてたんですね。 「しばしも休まずつち打つひびき」(村の鍛冶屋)っていうかんじでね。
だから、すごい力あるんですよ。 かっこいい。男っぷりはあるし力はあるし。 その時「あっそう」で帰ってたら、 一生アランドロンを見ずに終わってしまった。
そこをずうずうしいふたりが勢いでいったって言うのがよかったんですよ。 そういう話なんです。 今日も質問してくださることがとってもいいので、 気持ちよく話せました。 あなたも、鱈に見させることができるので、
親しき仲にも礼儀ありで、緊張して、好きな人はたててください。 第3回 第2回
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