『百瀬博教の柳橋キッド』第5回 2003.4.28放送

 文化放送 毎週月曜 深夜1:30〜 


オープニング


GW真っ只中ですが、百瀬さんのご予定は?



――藤原ヒロシとラスベガスへK1を観に行こうとしていた。
で、馬鹿みたいなんですけど、
帰りにロスに寄ってアントニオ猪木に会いたいな、って言ったら、
「会えませんよ」って言うんで「なぜ?」って聞いたら、
「同じ5月2日に東京ドームで猪木さんが大会をやるんです」
アントニオ猪木にはお世話になっていて失礼なので
急遽ラスベガス行きを取り止めました。
東京大会を見に行きます。

その後は大阪へ行って、佐竹っていう空手家に案内してもらって、
万博会場の太陽の塔の写真を撮ろうかな、なんて思ってます。
っていうのがGWの予定です。


リスナーからのメールが来ています。
モーニング息子さん。20歳の大学生。
彼女とディズニーランドに行ったときのこと。
やたら人なつっこい外人の子供が話しかけてきた。
英語が苦手な僕は、その子が何を言っているかわからず、
にやにやするだけ。
その子はあきれてどこかに行ってしまい、
彼女にも馬鹿にされた。自己嫌悪に。
百瀬さんはボブサップを初め
いろんな外国人の友達がいらっしゃるようですが、
英語はペラペラですか?
よい勉強方法があったら教えてください。


――全然できないけれど、ナットキングコールが夜歩いてきたときに、
「グッドナイ」って言ったんですよ。
そしたら向こうも笑って、「グッドナイ」って返してくれた。
それだけでいい。
「グッドナイ」って言葉が発せない人は意思が向こうに伝わらない。
意思を伝えることを修行すれば、英語なんてできなくても相手に伝わる。

20歳のとき、白木屋ってところに
フランスエレガンス協会っていうのがあって、
ヨーロッパの選り抜きのモデルを5人連れてきた。
ミス・オーストラリアのルイザ・カロイマイヤーって人がいて、
ソフィア・ローレンの100倍きれい。

で、一目惚れして、お話したいな、って思ってたら、
運良く、フランスエレガンス協会に顔の効く
東西通信の奥野さんって言う人がいて、
彼女達に会わせてくれた。
彼女達を赤坂のニューラテンクウォーターに招待したら、
ミス・イタリアがちょうど誕生日だった。
20歳かそこらの日本のぶすな少年が、それは僕なんですけど(笑)、
こんなところに招待できるんだってことで、
めちゃくちゃ大金持ちと勘違いしてくれた。
で、僕がアテンドするようになったんです。

そのうちにミス・オーストラリアは、
僕が好きだってことを気付いて優しくしてくれた。
ある日、「銀座でブラウンとイエローのマテーリオを見つけた」
って言うんですよ。
英語がわかんなかったから、マテーリオが何かわからなかった。
ラテンクウォーターの支配人の吉岡さんに聞いて、
キレだってことがわかった。
彼女の写真をもって銀座の有名店を回った。
彼女に見覚えのある店員さんと話してて、
「黄色いキレを気に入ったらしいんですけど」って言ったら
「これですよ」って出してくれた。それを買った。
で彼女にプレゼントであげた。
彼女は大感動して、「I shall never forget your kindness」
みたいなかんじで言ってくれた。

英語を習うよりも前に、素直に、
「君はかわいいね」「好きだな」「どこに住んでらしゃるの?」
っていう心を養わないとね。
フランス語を8000語知ってたって、
英語でも三省堂の字引を全部暗記してたって、
言えない人は、英語知らないのと一緒ですから、そこを修行してほしい。

とにかく人を好きになるのは全て勘違いだから、
そういうことで、彼女がばかにしたら
「俺はこの子に勘違いしてるんじゃないかな」とよく考えて、
勘違いしてるんだとしたら、
ポストに「今までの勘違いを許してください。さようなら」
そういうことでやってください。
それから英語を勉強して下さい。

不良手帳

「異文化交流」
百瀬さんはいろいろな方とお付き合いあると思いますが、
初めて外国人にお会いしたのは?



――小学生になるかならないかの時。
トムさんという医療関係の軍人。
静かで立派。教養があった。
最初からその人がかわいがってくれたから、
外国人を怖いと思ったことはない。

でも、がらっと変わって、小学校5年生のとき、
怪しいガールフレンドを持ってるアメリカの兵隊さんにさらわれた。
知り合いの家で、怪しい日本の女と、
たぶらかされてる米兵が何日も泊まったりしていたが、
結局その女は詐欺師で嘘ついてたんです。
それをうちの父親が見破って、
その女にお金を払うか突き詰めたら、逃げてった。
僕と兄貴とまずるさんとおっかけってた。
一緒に自動車に乗っていったが、
最後に逃げられた。誘拐といえば誘拐なんですが。
それから評価が最初100だったのが20くらい下がった。
アメリカ人は怪しいな。


百瀬さん流外国人とのつきあい方は?



――結婚するとき赤飯たくとか、ルール・風習があるじゃないですか。
それをしっかりおさえるのが大切。そうしないとうまくいかない。
19歳の時、赤坂で世界中の芸人をみて覚えた。


語学力はあったほうがいいのでしょうか?



――語学力はあったほうがいいが、
日本語の力がない人は語学力がない。
語学を習うのならば、岡倉天心じゃないけど、
日本語のものすごくできる人にならないとだめ。
実際PRIDEなんかの選手でボブ・サップなんかが来て、
この通訳駄目だなと、思うと、通訳の話を聞いていないのがわかる。
受け手を見てるとわかる。うまく伝わっていないんですね。
上辺だけができる感じで、深い所までいかないんじゃないですか。
今は、テレビで何言ってんだかわからないこと言ってるのがかっこいい。
小さい時、現地に行くのもいいんじゃないか。


いろんな国の人がいると思いますが、
特徴みたいなのはありますか?



――何人でもそうですが、教養のある人は教養のある顔をしている。
自分の教養で相手の教養がわかるから、
まず自分の教養を磨かなきゃだめ。
初めてフランスに行って観光バスに乗った時、
黒人のご夫婦が乗ってきた。
めちゃくちゃかっこよかった。成りも態度も。
威厳があった。


そういうときは声かける?



――挨拶はする。
そうすると向こうも挨拶してくれる。
日本人くらい挨拶下手なのはいない。
クリスマスにエレベーターの前に15人くらい職人が並んでる。
日本だったら、最初の人が「ごめんね」って言ったら
後の人はずらーっと行ってしまう。
ところがアメリカは、
15人が15人「エクスキューズミー」って言いますね。
それは素晴らしい。
そういうのを習うには、英語に親しむのはいいんじゃないでしょうか。
僕は語学力なくて、人の顔とかしかわかんないけど。
この人は小遣いくれるおじさんかな、違うな、っていう、
そういう感性を養ってきましたから。
その感性で僕は生きてきましたね。

東京カルチャー見聞録


「六本木・麻布周辺」
イメージは?



――桑畑が海になったくらいの違い。
20歳くらいの時は寂れて、人もいないし、
8時くらいになるとおいはぎがでるんじゃないかっていう町でした。
今は、がっちゃがちゃの、朝まで眠らない町みたいになってますね。


「たけしの森」



――僕が作った名前。これにはヒントがあるんです。
飯倉っていうところにイタリアンレストランのキャンティがあるんです。
そこの奥の左側に、誰にも見えないで、
ちょうど恋人が二人で入れるテーブルがある。
そこを、作家の山口洋子さんが恋人の森と名づけた。
今度、西麻布の支店ができたとき、
右の奥に、7人くらい座れるテーブルができた。
誰からも見えないから、恋人を連れてきたり、
打ち合わせ・商談・お金のやり取りとかにつかう。
僕はいつもそこに座らせてもらう。

西沢っていうマネージャーに、
「もしたけしさんが来たら、いつでもどくから、ここに通せよ」
って言ったんですよ。
僕だったら、「あ、猫が飯食ってんな」で終わるけど、たけしさんだったら、
「あっ、たけしだ」とかで、おちおち食べれないじゃないですか。
そこを僕がたけしの森と命名した。


たけしさんとの出会いっていうのは?



――彼が出始めの頃は、忙しくてテレビを観なかったんだけど、
どんどんどんどん彼のやることを見ていったら、
啓蒙される人で、会いたいなって思ってた。
不良ノートを読んでくれていた。
キャンティに行ったら、彼が座っていて、
「百瀬さん、お話しましょう」って言われたんです。
安西水丸と二人だったけど、
「ここじゃあれだから奥行こうよ」ってことで
3人でたけしの森に入って行ったんです。


「赤シャツの息子」



――坊ちゃんって小説。
森鴎外と並ぶ明治の文豪で夏目漱石ってのがいます。
英語がよくできる人だった。
四国松山の人で、赤シャツっていう人がいたんです。
横地鉄太郎っていう人なんですが。
自分の語学力では、愛媛県のレベルがあがらない、ってことで、
自分の月給より高い額を出して、東京から夏目漱石を呼んだ。
その人は教頭先生だった。
赤シャツってあだ名。ほんとはいい人だけど、
本では、自分の同僚のマドンナを取っちゃう悪い教頭にしてる。
ほんとはすごい人。

赤シャツ、って西麻布の横地さんっていう家なんですけど、
僕は偶然そこの家にいって、
ご子息は僕より30歳くらい上だったんですが、かわいがってくれた。 
紋付を作ってくれたりした。
口幅ったいことなんですが、
夏目漱石にとっても僕にとっても、いいことをした人。
ほんとは悪役ではない。
詳しく知りたいお利口な人は岩波に「図書」っていう無料の本がある。
25年くらいの著書を見れば、横地鉄太郎さんて人がどんな人か書いてある。
コピーして読んでみてください。


「日本料理店 高よし」



――高橋豊子がそこのご主人。
その人は、僕が高校3年のとき、2年で、電話をくれた。
「○○高校の高橋です。相撲のファンなんです」って言った。
その時、市長選の後援をやってて、
そこに彼女が来てくれて、初めて顔をみた。
その後、赤坂のクラブにボーイフレンドと来た。
「高いからよせよ」って言ったら、「平気なのよ」
大金持ちのご主人だった。

ここからはちゃんと聞いてほしいんですが、
「絶対好きな人やボーイフレンドに手を抜いてはいけない」って話です。
その高よしが、いつも「ごはん食べにいらっしゃい」って言うんですよ。
行くと、サランラップに巻いたご飯を、
冷蔵庫からだして「チーン」して出す。
僕は蒸したご飯っていうのが大嫌いなんですよ。
僕は小さい頃から、おやじに殴られようが、おふくろが泣こうが、
おばあさんが蹴飛ばそうが、食べたことないんですよ。
おやじもあきらめて食べなくていい。ってなってた。
それを知らない彼女はいつもサランラップから
「はい」って出してくれるけど、
僕は食べないんですね。

で、「ご飯食べにいらっしゃいよ」って言われて、
「僕は行かないよ」って言ったんですね。
「なぜ来ないの。私はこんな美貌なのに」とか思ってるんでしょうね。
美貌だろうが何だろうが、
蒸したごはんを出すような女のところに俺が行くわけないんですよ。
それ以来彼女のうちいってご馳走になってません。
そしたらこの前手紙をくれて、
「もう決してごはんは蒸しません。これからは目の前で炊きます」
とかいってね。
「嘘つけこのやろー」と思って、それで行ってないですね。
それが高よしです。

エンディング

とにかく今日驚いたのは、
あなたの顔がどんどんどんどん美しくなっていく。
最初は誰かに百瀬は不良だから気をつけろということで、
硬くなってたんじゃないかと思うんですが、
今日はほんとに目にも優しさが漂って、いい放送でした。

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