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★ 浅草キッド推奨コラム ★
| つかこうへいの「劇的・解説」
宗男よ、足寄へ帰るのだ | |
『DAIS』02・3・21号 | 凍てつく北の大地に「教養」で雪かきなんかできるわけはない。
偉そうにしてるだけで偉くなれるということを発見したらもう止まらない。 まさに原日本人なのだ。 日本人はその原日本人の影から逃れるために、
必死になっているのが現状である。 宗男のテレビを飽きずに見ていられるのは あの顔がきっと思い出したくない原日本人の象徴であるからなのだろう。
共産党の往々木憲昭氏に追い詰められ ブルブル震えているあの捨てられた子犬のような顔。 いつか飼い主に見捨てられる、その恐怖感がありありと見てとれたのだ。
その飼い主とは党であり、そしてなにより日本国民なのである。 それはいつ職を失うかわからない このリストラ社会の中の日本人そのものである。
誰が宗男のあさましさを笑える。 しかし宗男に一つ誤算があった。 田中眞紀子を支持すれば世相を動かせることを覚えてしまった
主婦たちが立ちはだかってきたのだ。 テレビで宗男の顔を見ながら、「悪いやつだね」と言いつつも、 ふと横を見て自分の亭主とそっくりであることに気づいてしまう。
だからなおさら僧くなるのだ。 そしていまの亭主どもは宗男と同じように悲惨な道を歩んでいる。 必死になって会社にすがりついて嫌な上司にごますって
家族を守ってきたというのに、カミさんやら娘からは、 「ハゲ親父」だ「臭い」だ、と言われる。 給料を運んでくれるときだけいい顔して、
あとは軽蔑しまくるという構図。 マスコミは「悪いことをしたんだから正々堂々と」などとほざく。 お前らだって家に帰れば、宗男と同じ扱いを受けているだろうに。
いま、宗男をいたぶるのは楽しい。 宗男よ、都会を捨て北へ帰るのだ。 雪降りしきる足寄で打ちひしがれて静かに生きていくのだ。
しかし、私は敢えてもう一度言う。 宗男を笑う者は宗男に泣くぞ。 |