特集「東京コメディアンの逆襲」  文・水道橋博士

扶桑社 週刊SPA  97 3/12号より 

もともと、強いお笑いが好きだ、ってこともあるんだけど、
テレビってことに限って言えば、見ていて、純粋に凄いのは、
今、逆風だなんて言われてるけど、やっぱりダウンタウンだと思いますね。  

大阪の笑いが勢いがあるって、言われるけれど大阪が凄いんじゃなくて、
ダウンタウンという超強力なソフトをもった吉本興業って会社が
有利に芸能界のシェアを拡大しているんだなと。  
で、座長の多い、吉本印のもと、
ボールの回しあいも増え、優秀なテレビ芸のできる、芸人も育つと。  

でも東京の芸人は個々が弱いわけじゃなくて、芸人の志のある人ほど、
当然舞台、客前にこだわるから、あんまりテレビ欄の升目の
各事務所の陣取りゲーム「そろばんずく」に参加しようとしないんだ。  

そもそも事務所が欲しいのも芸人ではなくてタレントなんだもん。  
コントに何時間かけるより、
効率よく一日に何本も仕事を掛け持ちしてくれるほうがいいわけだから。
今、バラエティ番組って、当たり障りの無いタレントがゲームで遊んで、
うまいもの食ってるの、見せびらかしてるだけだもん。  
タチが悪いのは、今の東京の若手芸人なんか、
ほんとに、このポジションをゴールだと思ってるんだよ。  
なんて言ってると、
小室の音楽を認めない、 売れないフォークシンガーみたく、
冷や飯食って、結局、何でもやりますから
テレビに出させて下さいになっちゃう。  

で、テレビにでれば、芸人が子供のアイドルに突っ込まれるような、
わかりやすい、大げさなリアクションだけを求められる。  

結局、今のテレビの大阪一色を変革するなら、
昔のたけしさん級のド天才が、芸能界規模じゃなく、
日本をヒックリ返す位の地図の塗り替えしなくちゃダメじゃないかな。  
あるいはダウンタウンに匹敵するほどの、
優秀な生涯芸人ソフトを作って会社をあげて、
陣取りゲームに参加するか。  
大川興業なんかは時間をかけて、ほんとに育ててるから、期待大だよ。  

浅草キッドも、
「30分以下の漫才は作らないからテレビで漫才をやらない」
って宣言してから、5、6年経つけど、
もうライブは好事家の集まりじゃないかというジレンマがある。  
だったら、もっとプロレス的に興業と割り切って、
いろいろ仕掛けていこうかなって、今年から、
こまめにライブ打ちながら、線につなげて、
12月に漫才最強王座決定戦をやろうって各漫才師に呼びかける。

因縁の爆笑問題あたりをひっぱりだして、
後楽園ホールとかでやりたいんだけど。  
浅草キッド vs 爆笑問題なんてさ、ある意味、夢のカードだからさ、
お笑いにきちんと、勝ち負けがあれば、ファンも喜ぶし、
シーンも盛り上がる。  
そういう個々を巻き込む竜巻を起こすことで、
東京のお笑い界にも大きなうねりやドラマが生まれるって思うんだけど…   

これって、小室時代に、 浅草で
「ニューイヤーロックフェス」やるって呼び掛けてるようなもん?

 

 

 

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