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キッドよ、また俺に『男の星座』を与えてくれてありがとう。
THE BEST OF 2003! BOOK 『お笑い男の星座』は唯一文庫本じゃないけど、 真の芸能人のコクあるエピソードが、
読者が選ぶ年間ベスト1文庫 故・梶原一騎は語り部の巨星であった。 この芸人は実在する!(なんちって) なぜだ? なぜこんなにジャンルも内容も違うのに 最後に一言だけ言っておこう。 (大方直哉・お笑い社員37歳・仙台市)
今年、読んだノンフィクションの中では、いちばん面白い!
『お笑い男の星座2 私情最強編』を私は、 第一部・芸能私闘編と併せ、 一級のノンフィクションとして読んだ。 “美白のカリスマ”としてアイドルとなった鈴木その子は、 驚く著者らに、その子は言った。 ノンフィクションは事実を積み上げることで、
一押しです! 耳がイイ! 口語、喋り言葉がリアル! 特に『江頭グラン・ブルー』に感動。
差出人は……えーっ、浅草キッド!? 中を開くと、達筆で丁寧にしたためられた連名の挨拶状に 「宮崎吐夢殿 前作「発掘」の書評ありがとうございました。 今回も褒め殺し、よろしくお願いします」とある。 既に書店で一冊購入済みだった「男の星座2」を手にしながら、 思わず11年前の夏のある記憶がよみがえってきた。 水道橋博士氏の母校の大学3年生だった私は、 「大人計画」には所属しつつも舞台のないときは普通に学生生活を送り、 サークルでは雑誌を作っていた。 次号の企画を練っていた私たちは、 6月の学園祭に浅草キッドが出演すると聞き、 取材を申し込むと幸運にもOKが。 そして当日、緊張する部員を前に 学生時代のエピソードを話されたお二人は、最後に 「みんな今、アマチュアとして雑誌を作っていますが、 現時点で他のアマチュアより面白くなかったら負けだと思う。 自負心を持ち、そしてぜひプロになって下さい。 何年かしてプロになったみんなと会えたら、こんなにうれしいことはないです」 と付け加えられた。 残念ながらプロの編集者にはならなかったものの、雑誌の仕事を通じて、 お二人に再会できた慶びに、感涙にむせびつつ、 一方でまた別のことを思いだしました。 あの日、私は言い出しっぺだったのに、寝坊して取材には参加できず、 その場にはいなかったということを。
×月×日 PRIDEを会場で観るのはこれで五回目だが、 そのたびに顔を合わせるのが お笑い界の「ルポライター芸人」を自称する 浅草キッドのお二人(水道橋樽士&玉袋筋太邸)。 かねてより彼らの笑いのセンスのよさに感心していたが、 『お笑い男の星座2 私情最強編』は、 また一段とパワー・アップしたおもしろさだ。 彼らの本質は「美白の女王」鈴木その子を バラエティ番組「未来ナース」に引っ張りだし、 マスコミの「人気者」にしてしまったエピソード 「白色彗星・鈴木その子」によく現れている。 つまり自らの露悪趣味を露悪趣味と認識していながら、 そのままニヒリズムに落ちることのできない弱さが 彼らの真骨頂なのだが、同時に彼らは、 その弱さを売り物にすれば、 それがただちにグロテスクに転ずることも知っている。 ひとことでいえば恥じらいを持ってお笑いをやっているのだ。 では、そのお笑いの対象となるのはどんな人物かといえば、 そんな彼らのインテリ性をぶっ飛ばしてくれるような、 常軌を逸した怪物である。 童女性と企業性を共存させるという奇跡を演じた鈴木その子、 常住坐臥これ戦いを実践し、ヒクソンと「長期戦で戦う」ことを 念頭に入れて日々のサバイバル訓練を怠らないダチョウ倶楽部の 「自称最強」寺門ジモン、 オウム真理教の修行者を軽く一蹴するほどの肉体鍛練を実践し、 ついにプールに四分十三秒も潜りつづけた愚かにして感動的な 「グラン・ブルー」江頭2:50。 いずれも抱腹絶倒だが、意外にいいのが 「癒しの女王・飯島直子」のエピソード。 「スーパージョッキー」で共演しながら、 一度も飯島直子と会話する機会のなかった水道橋博士は、 新年会そ彼女から自宅の電話番号を奇跡的に聞き出すことに成功する。 ある晩、ついに意を決して「頭はいっぱいいっぱい、心臓はバクバク」 の状態で番号をコールする。 が、留守電になっていたので、安堵しつつも 思い切ってメッセージを残すと、なんとその晩彼女から 「博士ですかぁ− 飯島です」と本当に電話がかかってきた。 「博士は全身が硬直し、慌てた。 『あああぁぁぁ……』長い沈黙。 『あれ? 水道橋さんですよね?』の声に思わず、 『ちッ、ち、ちがいますぅう!!!』と怒号で答え、 電話をガチヤンツと叩き切ったのであった。 完全に取り乱した、制御不能の行動」。 この気持ち、男ならだれでもよく解る。 しかし、エピソードはここの「チヨットいい話」では終わらない。 おのれの心の深部も相対化せぎるを得ない「お笑いの魔」に 取り付かれた博士は、これをギャグのネタにして、 大変な迷惑を飯島直子にかけてしまう結果になる。 羞恥心ゆえに恥じらいを超越した人間に憧れるキッドの面目躍如たる一冊。
ルポルタージュの取材相手だったはずの 全米最大の暴走族ヘルズ・エンジェルスにすっかりハマって、 ほとんどメンバーの一員になってしまった。 ジョージ・オーウェルは、 短い記事を書くつもりで赴いた内乱下のカタロニアで、 興奮のあまりその場で民兵部隊に参加して「カタロニア賛歌」を書き、 「最底辺」のギュンター・ヴァルラフは色つきコンタクトレンズを使って トルコ人に変装し、西ドイツ(当時)の外国人労働者の実態を探った……。 ライターとしての浅草キッドの仕事を見ていると、 ジャーナリストの先達のそんな逸話をつい思いだしてしまう。 「お笑い 男の星座2」 〈この物語を偉大なる梶原一騎先生に捧ぐ〉との献辞どおり、 格闘技界から芸能界まで、ひたすら“闘い”にこだわってルポする シリーズの最新刊でも、浅草キッドのライター魂は義なく発揮されている (一流の「芸人」を「ライター」と呼ぶ非礼は、ご容赦いただきたい)。 前作では、城南電機・宮路社長、和田アキ子、美川憲一、 岸部四郎、ガッツ石松……と、メジャーどころを並べた浅草キッドだが、 本書のラインナップは、 鈴木その子や飯島直子らのメジャー路線はキープしつつも、 江頭2:50やダチョウ倶楽部の寺門ジモンなどのシブい人選も見られる。 ネタ切れ――? とんでもない。 浅草キッドの筆は、マイナー=ウサン臭い人物を描くときにこそ、 冴えわたるのだ。 そのひとのウサン臭きを濃厚にたちのぼらせつつ、 そこからぽろりとこぼれ落ちる純なロマンチシズムを拾い上げ、 しかし芸人ライターとして決して”ちょっといい話”では終わらせずに、 最後は再びウサン臭さで人物を包み込む。 みごとな文章芸である。 内容の具体的な紹介は、やめよう。 要約してしまうと、せっかくの面白さが台無しだ。 とにかく笑える。保証する。 紹介の文章はそれだけで十分なのだが… ひとつだけ、ライターとして、シゲマツがたまらなく嫉妬する 浅草キッドの才能の一部を挙げておく。 〈デッでもね、結局、ラッ、ライオンには負けるよ、 オッ俺は5メートルの間近で見たからね〉(寺門ジモン) 〈俺はいまだにぃ、なんで〜俺が、 あの外人のジャック・マイヨールだったのか、 よ〜くわかんないんでしゅよ!〉(江頭2:50) 〈今さあ、あのオウムがよ。 なんか水中に潜って修行とかしてるだろ。 あの水槽に入って息を何分止められるかってやつ。 俺、あれ番組でやろうと思ってんだよ!〉(テリー伊藤) 声が聞こえる。 一人一人の声が伝わってくる。 特に「番外篇」と鈍打たれた 『PRIDE』の仕掛け人・百瀬博教氏など、 声を聞いたことのある人は ほとんどいないはずなのだが、浅草キッドの文章は、 氏の語り口と、そこからにじむウサン臭さとロマンチシズムを、 ほんとうに鮮やかに描き出す。 なぜ、こんなにリアルな再現ができるのか。 それは技巧を超えて、浅草キッドの“惚れっぷり”がいいからだ。 相手のことが好きで好きでたまらないから、 言葉を血肉のレベルで受け止めて、再現できるのだ。 中学や高枚時代、登校するなり、 ゆうべのテレビ番組の面白さを必死に語る奴っていたでしょう? 別の奴が紹介したらたいしたことないのに、 こいつが話すと面白さが二倍にも三倍にもなる、という男…… その延長線上に浅草キッドはいる。 前作の巻末で、ビートたけしは二人にこう言っている。 〈お前らは誰かを好きになり過ぎるんだよ〉 ――思えば、若き日の二人は、憧れのたけしのそばにいたい、 ただそれだけの思いで弟子入りしたのだった。 だからこそ、勝手なリクエストを言うなら、 そろそろ浅草キッドはビートたけしを正面から書くべきではないか。 “好き”を究めた果てに至る、 もしかしたら“憎しみ”にも潜み込んでしまいかねない地平を、 ぜひ読ませてほしい。 キッド(子ども)は、 いつかは父親と対決しなければならないのだから。
2001年1月、元々TVブロスに連載していたものを、 『加筆修正』の範囲をはるかに超えた気の狂うような推敲 &ブラッシュアップを重ねて出版、 のちの文庫化も合わせて10万部に迫る売り上げを記録した 浅草キッド『お笑い男の星座』のパート2。 読み終わるのがもったいないくらい面白いとか、 前作に比べマジ度が高いとか、 『芸能界及び格闘技界の偉人、奇人、変人列伝』のふりして 『男のロマンとは何ぞや?問う超大作であるとか (特にハイロウズ“14才”を引用した 第5章『江頭グラン・ブルー』などは涙なくして読めない)、 矢沢永吉『成り上がり』、ビートたけし『午前3時25分』、 『たけし!』、立川談志『現代落語論』などに匹敵する 『生き様本』でありながら、 それを主人公の視点ではなく読者の視点で描くところが 浅草キッドがルポライター芸人である所以なのです、とか、 そういうことは他のライターや書評家が書くだろうから置いておく。 私が特筆したいのは、これほどまでに一行一行、 ひとことひとことに手間隙とアイディアと 時間がかけられている書物はまず他にない、ということだ。 別に難解な文章ではない。 時代掛かった言い回しながら、とっつきにくさとは真逆にある。 読みやすいよう一文一文が短く切ってあったりして リズム感のいい文体だし、分かりずらい単語や漢字使いは 極力排除されているし、 ただし、ひとことひとこと、 一行一行にこめられた情報量がすごいのだ。 古典落語や東京漫才に通じる粋なセンスの駄洒落、 言葉遊び、比喩、狙った脱線、本題からあえてそらしたこぼれ話など―― 時にはヒップホップのごとく韻まで踏んでいたりする。 つまり、400字詰め原稿用紙10枚書くのに 必要な量のネタや技や情報やギャグが、 1枚に詰めこまれているような密度なのだ。 ってことまで理解する必要はないのかもしれない。 ただ楽しく笑いながら、 そして時には感動しながら読むだけで十分かもしれないが、 将来文章の仕事をしたいと思っている方は、 そこまで味わいながら読んで欲しい。 試しに模倣して書いてみようとすれば、 絶対無理だってことが分かるはずだ。 漫才師としても書き手としても、つくづくキッドはすごい。
浅草キッドはビートたけし以外にも
今週、面白く読んだ本の話を書きたい。 『お笑い 昇の星座2』(浅草キッド著、文藝春秋)。 五万部も売れたという好評エッセー集の第二弾だ (出版不況の今、五万部といったらちょっとしたベストセラーよ)。 タイトルから察しがつく通り、 TV界やマンガ界やプロレス界など娯楽の世界に賭けた男たちの 「ロマン」というか「狂気」を熟く語っている。 浅草キッドは憧れの的である梶原一騎のエッセー集 『男たちの星』を評して、こう言う。 「なんとも、大時代的な物言いであり、 しかも今の御時世では考えられぬ吃立したマチズモ、 時代遅れの臭気である。 しかし、その古臭い、男らしい匂いが、 俺たらに、かぐわしく、懐かしくも、頼もしいのも、これまた事実!」。 熟い憧れとクールな分析能力。 その絡まり具合が、浅草キッド本の面白さだ。 私は梶原一騎にもアントニオ猪木にも興味が薄いが、 本を読んでいる間は、「男のロマン」系の、 ナンセンスなまでの迫力に圧倒されてしまう。 自分をとてもつまらない、小利口(小馬鹿か)な人間のように感じる。 小利口より大馬鹿のほうが素敵なのに決まっている。 意外だったのは寺門ジモンの特異な性格について書かれた章。 小馬鹿ではなくて、確かに大馬鹿の域にまで達していて、 思わず笑いながらリスペクトしてしまった。
むしろそこで無期限の潜入取材を続けている と表現したほうがふさわしい浅草キッドが、 己のルポライター芸人ぶりを発揮させるライフワーク。 それが、この『お笑い男の星座』シリーズである。 前作ではビートたけし、アントニオ猪木、前田日明、 水野晴郎、ガッツ石松、爆笑問題、YOSHIKIなどの巨星 &たとえ小さくてもテレビ的に旬な星々に容赦なく斬り込んだ結果、 なんと和田アキ子に対する “男の土下座騒動”まで起こしたそうなんだが、 続く第二部は、 鈴木その子、寺門ジモン、飯島直子、江頭2:50 といった人選がさすがに地味なこともあって、 雑誌連載時には正直パワー不足だとさえ感じられた。 ところが、だ。 推敲を重ねることで練り込んだレトリックや小ネタの連発によって 文章には圧倒的なパワーが宿ったし、 なおかつ単行本用の書き下ろしで、 “PRIDEの怪人”こと百瀬博教氏も登場するんだから、もう文句なし! たとえ芸能界の住人として危険な領域に踏み込もうとも、 「未だ世間に知られざるこの希代の怪人を 世に知らしめる最初の語り部でありたい」 との思いでいまも潜入取材を続ける二人のルポライター気質には、 敬服するばかりなのであった。
笑ったなあ、ほんとにくだらない。 「くだらないことに情熱を燃やす姿」に好感を持つ。 これは社会的にはあまりいいこととはされておらず、 むしろ「くだらない」がほめ言葉とすら理解されないことのほうが 圧倒的に多い。 適度な「笑い」なら「ユーモア」とか言われて 社会的に認められるといった程度の「笑い」への認識。 まあ、しょうがない。
“先生、十八番のホメ殺し よろしくお願いします。
昨夜読んだ本のなかでは、 全編「普通の人が出来ないバカバカしいところを、どこまで出来るのか」
前作の『お笑い男の星座』は大ヒットした。
移動中、 出たばかりの浅草キッドさんの「お笑い男の星座2」読む。 はっきり言う、今世紀最高! 芸人が書いた本では多分ここまですごいのは 読んだことないっていうくらい面白い。 真摯で繊細で、でも暴力的で知的で破壊的で。 ありとあらゆる知性を駆使して。 またその方向が人間の面白さ、すなわち笑いにしか行ってないという潔さ。 くやしい、ただくやしい。 読み終えてそう思う。 全ライター、全ネタを書いている若手芸人必読の本。 俺も芸人だ。 絶対負けないぞと。 江頭さんの回は芸人なら誰もが目頭熱くなるだろう。 |
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