博士　しかし、２回目のＷ―１はどこもかしこも賛否両論だったな。

玉袋　特にプロレス雑誌は相当叩いていて、「非」の方が圧倒的でした。

博士　でも、世間的には全く「是か非か」なんて、
　　　話題にはなってないのが現状だ。

玉袋　あくまでもプロレス村の中で騒いでるだけって気がしますよ。
　　　あの時間にテレビ見ている人に、そんなプロレスの歴史的背景なんて
　　　意識してみてる人間なんて殆どいないでしょうからね。

博士　それを証拠に、前回よりも視聴率アップしたし。
　　　物議を呼ぶモノが無かったからね。
　　　インパクトを与えてるだけでもＷ―１は成功と見るんだけどな。

玉袋　でも、いきなり東京ドームは大変でしたよね。

博士　確かに今のW‐１ではまだ東京ドームじゃスカスカ感だらけだった。
　　　空席が少しあるだけで「あれは失敗だ」なんて声も上がっちゃう。

玉袋　それは「レジェンド」に対しても失礼ですよ。

博士　サップ、ホースト、ヒーリング、ランデルマン、コールマン、
　　　ノルキアというプロレス素人がいきなり大観衆の前で
　　　ブッツケ本番をやってもそりゃ大変だわ。

玉袋　客もどう、リアクションしていいか分からないで、
　　　そのリング上の選手と客の距離感が東京ドームじゃ埋められないですよ。

博士　だからW‐１は公開番組だと考えれば、
　　　公開番組はなにも東京ドームでやる必要は無い。

玉袋　箱は大きいし、ボロが出やすい。

博士　もう２０年、日本のお昼のテレビ番組の王道となった
　　　「笑っていいとも」は横浜アリーナで収録してるだろうか？
　　　三百人も入れば一杯の新宿のスタジオアルタでマンネリでも
　　　毎日生放送をして観客が集まる。

玉袋　あの客がいい客ってことじゃないけど、
　　　番組の冒頭でいい加減にまだやっている
　　　タモリさんと客のやり取り「そうですね」。
　　　これなんて見ていて辟易する代物だけど、
　　　あの客はあの場に行って「そうですね」とタモリさんの
　　　「そろそろ時間です」のあとの「エ〜ッ」って言うの
　　　言いたくてしょうがないんだよ。
　　　それがいいって言ってるわけじゃないですけどね。

博士　あの場に行った客は、それが言いたいが為に
　　　自己暗示で自然と出来上がった客になるって事だよな。
　　　客を出来上がらせるシステムを「いいとも」は
　　　２０年かけて作ってきてるんだな。

玉袋　そうです。
　　　たとえあのシステムに乗る客を見て「レベルが低い客だな」
　　　って思っても、あれぐらいの客がテレビ見ている人なんですよ！

博士　ならば、Ｗ―１の客にもああいう状態にするべく、
　　　最初のうちは小さな箱で完全に作りこんだ状況を作ればいいんだな。

玉袋　客の暖め方というか作り方はいろんな方法があると思うんですよ。
　　　値段を聞いて「安〜い」って驚く通販番組の仕込みの客に
　　　誰が文句言いますか？

博士　確かにそうだ。
　　　地上波では大編集バージョンでオンエアーされるんだから、
　　　チケット買って文句言うマニアの客入れるんじゃなく、
　　　はじめはプロの客入れて公開番組にした方がいいんじゃないかね？

玉袋　そうです。『ドリフ大爆笑』のような、
　　　よく笑う客が育つまでは時間がかかりますからね。

博士　それがプロの「笑い屋」なんだよ！

玉袋　ですから、その手法で行けばもっと早く成功すると思いますよ。
　　　ぶっつけ本番で客前でやるから大変であって、
　　　公開番組だったらちょっと失敗したらすぐフロアーの
　　　ディレクターが一旦止めて撮りなおすでしょ。
　　　それ編集すればいいんだからね。

博士　ＷＷＥの収録番組「スマックダウン」でさえ、
　　　後付けで、歓声やブーイングを入れてることもあるらしい。

玉袋　とにかくドリフを見ていた子供は会場の日本青年館に行って直に
　　　「志村後ろ〜」とか「からーすーなぜ鳴くの〜カラスの勝手でしょ」
　　　を大合唱したいんですよ！
　　　ドリフはテレビではそういった客相手にやっていましたけど、
　　　それをそのまま地方に営業行ったときは、
　　　ちゃんとチケットを売って公演してましたからね。

博士　W‐１もそういうシステムになれば一番いいんだよ。

玉袋　とにかく、なにか新しいものが出なければ、
　　　今までのプロレスは閉塞していたのは明白。
　　　W‐１の潔さはまな板の上に乗っかり
　　　「さぁ否定か肯定か好きに料理してくれ」っていう部分なんですよ！

博士　その姿勢が今まで無かったんだから、それだけでも大進歩だ！

玉袋　どうも、プロレスラーのW‐１に対する反応を見ると
　　　お笑いの世界にたとえれば、今までのプロレスが寄席で
　　　W‐１はテレビのお笑いバラエティーだと思うんですよ。

博士　寄席には確かに名人も出て
　　　古典芸能の落語の「芝浜」や「品川心中」なんかやらせたら
　　　凄いうまい名人がいる。
　　　でも、それを今テレビのゴールデンでやっても、
　　　確かに凄い芸なんだけども、一般の客にはサッパリだ。

玉袋　それと寄席芸人がいつも楽屋で話している
　　　「なんの芸も無いくせにテレビに出てお笑い芸人でございって顔して、
　　　　いいお金貰っているタレントなんてどうしようもないね」が
　　　W‐１に対して非の態度をとるプロレスラーの意見と同じなんですよ。

博士　ファンとしても寄席の芸人も好きだし、
　　　一方ではダメなタレントもいるけど、寄席芸人が出来ないテレビでの
　　　テレビ芸が出来てる優秀なタレントもいるからな。
　　　マンネリだとか、なんだかんだ言っても、
　　　しかし、テレビで落語家を伝えているのは、「笑点」だけなんだよ。

玉袋　しかも、高視聴率！でも理想的には、テレビ芸も卓越で、
　　　テレビカメラのない寄席や舞台でも玄人の客を唸らせる芸人。

博士　プロレスとリアルファイトを反復横飛びできる芸人だな。

玉袋　『笑点』でファンタジーファイトを演じてる林家木久蔵師匠なんて、
　　　夜の新宿２丁目ではリアルファイトをこなしてるから、
　　　改めて尊敬しますよ。

博士　やかましい！

玉袋　プロレスの地上波放送といえば、
　　　新日本プロレスの放送が面白くなってきてますよ。

博士　試合が面白ければいいけど、試合以外の名勝負や
　　　星野総裁のやり取りが面白いんだけどね。

玉袋　もう、老舗新日本プロレスの放送までもがそうなっているんだから、
　　　これはしかたないですよ！

博士　１８分間やった試合を１８分間そのまま
　　　カンパケで流せる次代じゃない。
　　　録画中継だったらビッシビッシ編集されるのが常だ。

玉袋　ロケ素材をどうディレクターが編集するかにかかってきましたね。

博士　アントニオ猪木さんの時代は、カンパケ流してよかったんだけどな。

玉袋　でも、カンパケで流さなければ意味が無い試合をしてくる
　　　レスラーが現れてくれたらまた嬉しいんですけどね。

博士　全くの余談だけど先日ニッポン放送のテリーさんのラジオに出演した
　　　ＰＲＩＤＥプロデューサーの百瀬さんの放送がバカ面白かった！

玉袋　放送禁止用語を最後に連発して
　　　「こういう発言に対して団体が文句言ってくるようなら、
　　　　俺が直接話をする」は聞いていて大拍手だった！

博士　早くも年間ＭＶＰラジオ番組だったな。
　　　その百瀬さんのＰＲＩＤＥに
　　　なんと朝青龍の兄のドルゴルスレン・スミヤバザルが参戦！

玉袋　ドルゴルスレン・スミヤバザルは
　　　新日本プロレスと契約ってことなんですけど。

博士　ドルゴルスレン・スミヤバザルに期待する闘いが
　　　ＰＲＩＤＥスタイル　で戦う姿が見たいんだろうか？

玉袋　そこでボブ・サップ×ドルゴルスレン・スミヤバザルが
　　　闘ったらすごいですよ！

博士　字数の関係上もういい加減に
　　　ドルゴルスレン・スミヤバザルってフルネームで呼ぶのやめないか？

玉袋　だったらドルゴルスレン・スミヤバザルをなんて呼びます？

博士　だからいちいちフルネームで振るなよ！

玉袋　だって、ドルゴルスレンだけだったら
　　　弟のドルゴルスレン・ダグワドルジか
　　　ドルゴルスレン・セルジブデか分からないじゃないですか！

博士　だから朝青龍とブルーウルフの本名入れたら余計にややこしくなる　！

玉袋　締め切り直前に驚愕ニュースが入りました！

博士　石井元館長が脱税で逮捕された！
　　　どうなってしまうかＫ‐１！

玉袋　とにかく谷川将軍！
　　　俺たちはまだまだＫ‐１もＰＲＩＤＥもＤｙｎａｍｉｔｅ！も見たい！

博士　こうなったらもっと谷川将軍に働いてもらって
　　　実現にこじつけていただきたい！